2016-11-23

奉行彼氏で将来が不安になった話

ものすごく小さな話だが、気晴らしに書く。先週末のことだ。

彼氏会社の先輩から卓上フライヤーを頂いたらしく、それを使って串カツをやることになった。

ビールやらソースやら準備していると、彼が先に適温になった油に串を入れ始めた。

フライヤ―はミニサイズなので串は4本程度しか入らない。彼は4本入れたのでまぁ揚がったら私も揚げようと思った。ビールを飲みながら、2人でゆっくり揚がっていくカツを眺めようと思った。

ところが、彼は揚がった串カツを私の前に並べ「食べなよ」と言ってきた。準備をしていた私の分まで揚げてくれたのか、と思い「わーいありがとう」と言って、私は串カツを1本口に運んだ。

彼の番はそれで終わりでは無かった。空になったフライヤーに、彼は間髪入れず4本串を投入した。見ると、パン粉まで付けた串を既に手に持って、じっとフライヤーを見つめている。嫌な予感がした。

次の4本もまた私の方に回ってきた。「どんどん食べなよ」という言葉と共に。それには妙な力というか、うっすら脅迫めいたものがあった。私はまたその4本を口に運んだ。彼はまた間髪入れずに4本串を投入した。

4本、4本、4本、4本……

私の前には揚がった串カツが次々と並べられた。「○○君も食べなよ」「私の分は自分で揚げるし大丈夫だよ」と言っても、彼は「いいからいいから!」「冷めちゃうからどんどん食べて!」「なんで食べないの?(真顔)」と返し、ほんの少しカツを齧っては、ひたすら真顔で串を揚げ続けた。そしてできたものは全て私の前に並んだ。

私がはっきりとした言葉を言えないうちに、「彼が揚げる→私が食べる→彼が揚げる」というロット、それを乱すのはギルティという空気……なんというか「私が喜んで食べないといけない空気」が出来上がってしまった。

冷めていくばかりで誰も食べようとしない串カツを見るのが嫌で、私は無理やり口の中に串カツをつっこんでビールで押し流した。苦しかった。

串カツわんこそばの様には食べられない。限界はすぐにきた。「お腹いっぱいになってきたから、もう大丈夫だよ」と伝えても、彼は揚げるのを止めてくれなかった。

用意した具材が全て揚げ終り、私が本格的に苦しくなってきた頃、彼はようやく冷めた串カツを手に取って食べ始めた。

「全部揚げたから食べよーっと!うん!やっぱり自分で揚げると美味しいねぇ!」と一仕事終えて充実した顔の彼。私はもう色々限界全然笑顔を作れなかった。

そして思い出した。彼が強烈な「奉行癖」持ちであることを。


焼肉店で網を覆い隠すように肉を並べては、管理しきれずに黒こげにし、冷めて硬くなった肉の山を作る。

鍋の具材他人のとんすいに勝手にどんどん入れていく。

バーベキューでひたすら網の前に陣取り、焼けた肉を配って回る。

他に誰もしていないのに、ビール瓶片手に会場を歩き回り、大して飲んで無い人のグラスにも注いで回る。

特に望んでも無いのに「できるだけ沢山の観光地に連れて行ってあげたい」と、分刻みでドライブスケジュールを設定し、行く先行く先で「あと○分で移動するね」「買い物は〇分で済ませてね」と言ってくる。

私の愛撫にひたすら時間をかけ、力技で無理やりイかされてぐったりしている私を見ながら1人自慰射精する。(手を出そうとすると断られる)


彼女の為になにかしてあげたい、という気持ちは非常にありがたい。しかしここまでくると「ありがた迷惑」だ。

私は串カツ焼肉は食べたいものを1つ選んでじっくり自分調理したい派だし

鍋やBBQ自分で取りに行くし、ビールは手酌派だし、旅行は少ないスポット時間をかけてのんびり歩きたい方だ。それにフェラチオの一つくらいさせてくれても良いじゃないか

私はただ、新しいフライヤ―に自分で串を入れて、揚がっていくのをワクワクしながら眺めたかった。2人で眺めたかっただけなのに。

彼とは来年結婚することになっている。両親にも挨拶をした。

これからもきっとこういうことは度々起こるだろう。その度に私が無理して彼の「大きすぎる善意」を受け取り、笑顔「ありがとう」が言えず、結局彼も嫌な思いをするのはどうなんだろう。どうすれば「ありがた迷惑」の「ありがた」と「迷惑」をきちんと仕分けて伝えられるのか。

彼になんて言葉をかけて、私がどういう心持ちでいればこういうことは起こらないんだろう。

最後、わざと可愛いぶって「私も串カツ揚げたかったなぁ~」と言ってみた。瞬間、彼の笑顔は消えた。「残り物でも揚げれば?」。

残ったチーズに串を刺して、黙々と揚げる私と、完全に納得していない彼の顔があった。

やっぱり「私も揚げたかったなぁ~」は、ダメだったかな。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん