性の悦びおじさんなどといって、盗撮された動画が出回っている。
ニコニコ動画のランキングにも常に載っていて気になりつつ、けれどどこかアングラな臭いがしていたから、とりあえず観ることは控えて概要を読んだ。
電車内で自説を垂れ流すおじさんが隠し撮りされ、それがSNSなどに投稿されたのをきっかけに、ある種の「ブーム」が始まったらしい。
おじさんの発言をネタにしたり、コラにしたりするだけでは飽き足らず、「目撃情報」などといって、まるで何か珍しい動物でも探すかのようにあちらでも見た、こちらでも見たと容赦なく盗撮しネット上にアップロードしていく。そしてそれを面白がって拡散する。某美容外科院長も彼の動画を自身のTwitterにアップロードし、何やらコメントを加えていた。
どうみても異常だと思う。
今起こっていることは、まるっきりイジメだ。クラス全員で1人をイジメているだとか、学校全員で1人をイジメているだとか、そんな次元を遥かに超えている。
何十万、何百万人、それ以上の規模でたった1人をイジメている。
女子高生が「キモイ奴いた」などといって盗撮した写真をアップロードしたら烈火の如く怒り叩いて、あまつさえ彼女の個人情報の特定までしていた連中が、同じ盗撮写真を面白がっておもちゃにしている。
女子高生の盗撮を叩いていた人とおじさんを面白がっている輩は、もしかしたら一致していないのかもしれない。けれども、一般人が盗撮され、「面白いから」「皆やっているから」あるいは「コイツも他人に迷惑をかけているから」盗撮されてネット上のおもちゃにされていいんだという意識が、何の違和感もなく受け入れられている今の状況が恐ろしい。
ネット上はそもそもアングラな場だという意見を見かけたし、「異常者」を晒し上げて笑い者にする風潮は日本に限らずどこにでもあることだという意見も見かけた。
実際そのとおりなのだと思う。
「異常な」人を笑い者にして楽しむ「健常な」方々は、きっと世の中にたくさんいるのだろう。それは感覚的なものだろうから筆者のようにわからない人には一生わからないことだ。
筆者がここで何を言おうと、あるいはもっと影響力のある御仁が同じような意見を発信しようと、結局今のおじさんに対する扱いは何も変わらないだろうし、もしかしたらかえって増長する輩が出てしまうかもしれない。
自分がされたら嫌なことは他人にしない、という感性がすっかりなくなってしまったのか、あるいは晒されることなんて嫌なことのうちに入らないという人々がたくさんいるのか、どういう理由があってこんなことになってしまったのかはわからない。
わかるのは、どれほど言葉を尽くそうと、「笑える」人たちにとっておじさんは人ではなく「コンテンツ」で、そういう人たちはおじさんにも日々の生活があるということを綺麗さっぱり忘れてしまって、ただ自分が笑えればそれでいいと、おじさんを飽きるまで「消費」するのだろう、ということだけだ。
筆者も、筆者に共感してくれる人たちも、おじさんが彼らに「消費」されていくのを見ていることしかできない。
おじさんが飽きられたら、また別の可哀想な誰かが人からコンテンツに変えられてしまうんじゃないか。友人が、親戚が、家族が、そしていつの日にか自分がコンテンツに変えられてしまうんじゃないか。
それがただただ恐ろしい。
筆者も、筆者の知人も、そして筆者の知らない誰しもが、コンテンツではなく人としてあり続けてほしいと思う。
10代の子どもだったら世の中は「こちらの世界 vs. あちらの世界」みたいな感覚くらいしかはなくて、あちらの側の連中は人間だとすら思っていないのでは
コンテンツとして遊んでいいのは犯罪者とかネットで暴言を吐いた人だけだよね。
ネットで暴言を吐いた人……C県の高校生かな?
小さい頃から塾通いしたのに家庭がぶっ壊れたゴミ高校出身の人より成績が悪かった人は頭使う仕事に向いてないと思う、というのは暴言なのでしょうか?
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