2015-11-08

ちゃんとした杭が届いた例しがない

そろそろ報道が下火になってきた、神奈川の傾斜マンション事件。どうしても個人の犯罪に変換したい報道姿勢はどうかと思うのだが、安心するためには仕方ないのだろう。

しかし、現代においてマンション以上の社会基盤であるコンピューターシステム設計にはどうして一級建築士のような資格制度がないのだろうか。東証が止まりニューヨークストックマーケットが止まり空港業務がとまりATMがとまり、1月1日午前0時に流量規制実施されるというのに、今回のマンションほど加熱した報道もなければ、犯人探しもない。実に奇妙だ。世界中コンピューターシステム関係者擁護しているのかもしれない。時折ほとぼりがさめたころに敗軍の将が兵を語る程度である。実に、実に奇妙だ。これほどの影響が出るのだからもっともっと事件として扱うべきだろうし、設計には資格を設けるべきだろう。しかし、実際の設計現場には何の知識もない派遣社員があふれかえり、テストケース過去のそれを流用し、他システムソフトウェア設計を流用し、ハードウェア構成を流用しているだろうに。

今回の傾斜マンションは個人の財産が毀損したため「もしかしたら私のマンションも」という不安が背景にあるのは想像理解もできる。しかし、あなたが使っているスマホに謎のチップが、プログラムが、世界のどこかのサーバデータを送り続けている、グーグル検索記録が残り続ける、文字変換の履歴が残り続ける、ネットにつないだテレビレコーダから利用履歴がどこかのサーバに、ラインログが残り続ける、あらゆるアクセスしたサイトログが残り続けるのは不安ではないのだろうか。おそらく今回のマンション事件は誰でも目に見えてわかるからこれほど煽情的事件となったのだろう。ケータイショップ店員のグチ、家電量販店店員のグチ、とかをみると、説明してもわからない人の事例が目立つ。とにかくバカバカだと思い知らされることを恐れるのだ。しならい、わからない、と言わないのだろうか。よく新人社員に「同じことを二回聞くな」という低能がいるが、それに通じる自己尊大化の患者だろう。

システム開発現場にいると、マンションで例えるな、ちゃんとした長さの杭が届くことがマレだ。なんだかんだで届かない。杭が届けばまだいい方だ。杭が来たのだから

そうやって組み立てられるシステム今日も動いている。単に運がいいだけだ。

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