2015-08-12

バイオくずれの行く末

6年前に理系大学院卒業した。研究分野は癌だけど、実験手技は細胞つかったがちがちのバイオ

僕は天才でもなければ秀才でもないので、研究者になる道は鼻からあきらめていた。大学に残ることはもちろん、企業研究職として働くのも嫌だった。

バイオ就活で不利とかいうけれど、確かに他の分野に比べれば不利なんだけれども、自分実験内容をわかりやすく伝える力と、元気さ・さわやかささえあれば内定はもらえると思う。

事実、俺は大手製薬メーカー研究職や開発職として内定もらったけれども、でもやっぱりそこで働くのは嫌だった。

というのも、研究なんて1人の天才さえいれば、後はその指示に従うコマにすぎなくて、1人の天才になるのは無理だと思ってたからだ。

ということで、結局文系就職したわけなんだけれども、当時、文系就職はそれほどメジャーではなく、僕の学部からは2人しかいなかった。

文系就職で幅広い知識を身につければ、天才じゃなくても生きていけると思ったからだ。

今思えば、浅はかな考えだったと思う。それともこう考えるはないものねだりなのかもしれない。

会社から求められるもの専門性ではなく、人を束ねる力だったり、無理を通すことだったり、人を説得する力だったり、いわゆる人間力、というものだった。

いくら専門的な知識を身につけたところで、出世するのは営業畑で実績を残した人。

専門性評価されることはなかった。

会社に3年で見切りをつけて、また大学に戻った。医学部に再受験した。

ラッキーなことに1年間の勉強医学部に入れたし、キャリアとしても社会人から学生に切れ目なく移行することができた。

そして、再び、研究ができる環境ができた。

というのも、医師医師免許という最強のカードがあるため、医師研究者というのを両立できる。

これは他の資格ではまず無理で、研究者研究者しかなく、ほかの何かと両立することは非常に困難だ。

久しぶりに開くPubmed

昔の研究室メンバー名前検索する。

あの優秀なポスドクの先輩はどうしているかな。

しかし、現実は冷酷で、ある時期を境に論文が出てこなくなった。

GOOGLE検索したら、新設薬学部助教として働いていることがわかった。

僕は研究は大好きだった。

から言われるでもなく、毎日まり込みの勢いで実験をして、ポジティブデータがでたら深夜誰もいない研究室で叫んだり、何か月も仕込んだ実験結果が無駄になって目の前が真っ暗になったり、それでもやっぱり研究が好きだった。

順調にいけば、あとすこしで医師になれる。でも、医師となっても、研究はもうしないだろう。

何がいいたいかというと、研究をしたいんだったら、医学部に入って医師になるべきだと思う。

興味がある研究分野じゃないとか、そういうことじゃない。

独自の仮説をたてて、それを試行錯誤検証し、考察するのが研究で、分野はぶっちゃけなんでもいいと思うし、それに医学はまだまだエキサイティングな分野だ。

他の分野で研究者として大成すればいいけれども、そうじゃないと悲惨人生が待っている。

そんな一か八か人生って、ひどすぎないか。

ということを、何も考えずに理系大学入学する学生に言いたい。

  • 日本の社会保障は高度経済成長期のまんまで出来の悪い一本糞ストーリーのRPGみたいな人生にだけ対応している。 学んできた分野がオワコンになった、勤めてきた会社がなくなった、な...

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