アトピーとの付き合いは、もう20数年。最近、色々と思うところがあったので
自分の覚書も兼ねてまとめてみる。なるべくシンプルに、3つずつにしてみた。
■お決まりの症状
①かゆみ
とにかくかゆい。
基本的に、アトピーの人の皮膚は水分を保持しにくいので、乾燥してかゆい。
また、埃や花粉、自分の汗など皮膚に刺激となるものから身を守る「バリア機能」も弱いから
そういう外からの刺激でかゆくなる。なんていうかもう、四六時中かゆみとの戦い。
②湿疹
ぶつぶつができる。これがまたかゆくて、見た目も触り心地も最悪。
③痛い
かゆいところや湿疹部分を掻き壊すと、傷になって痛い。
■辛いこと
①症状が見た目でわかること
上記の症状も辛いと言えば辛いけど、長年のことなので慣れる。
でも、「人から見えていること」に対してはいつまでたっても慣れない。
皮膚は、私たちの身体を丸ごとすっぽりと覆い、その大半が他人の目に触れている。
つまり、裸にしてしまえば、「外見」のほとんどは皮膚なのである。
その皮膚が侵されているということは、外見のほとんどが侵されているということ。
外見=コンプレックス、ということ。
人目に触れるのは恥ずかしい。かっこ悪くて情けない。醜くて悲しい。
そんな自分の隣を、家族や恋人や友人を歩かせるのも申し訳ない。
②絶対的な治療法がない
標準治療(ガイドライン)は存在し、多くの医師や患者がそれに基づいて治療をしているけど、
諸々の理由で上手く症状をコントロールできない人も多い。
また、コントロールがある程度できていても、完全に治ることは少なく、そうすると迷いが生まれる。
また、ガイドライン以外に(特にネット上には)諸説あるから厄介で、
薬を使わない、化粧水、水、マクロビオティック、温泉、健康食品などなど、あげればキリがない。
「もしかしたらアレでよくなるかも」「コレを飲んだらいくらかマシになるのでは」と
私たち患者は様々な治療法を試しては求めを繰り返すことになる。
(私も、ここ数年で通院費以外に50万くらいは使ってると思います…)
③先が見えない
でも、私は長年の持病とも上手く付き合えずにいる。
結婚?この身体を曝け出せる人なんて、それを許してくれる人なんているのだろうか。
子供?自分のことで手いっぱいの私が、人間を育てることなんてできるのだろうか。
周りの人も、嫌になって、そのうち逃げて行ってしまうかも。
…こういう気持ちは、アトピーだけに限ったことじゃないかもしれないけど。
■周囲にされて嬉しいこと
①気にしないでいてくれる、許してくれる
気になるのに無理に気にしないフリをしろ、というわけではないんだけど
症状が外から見えるところにある場合、本人はたぶんもっと気にしてるから
気にしないよ、気にならないよ、というスタンスでいてもらえるとすごく嬉しい。
私は、肌が汚い自分が許せないし、これからもきっとそうだと思うけど、
人が許してくれたら、ほんの少し許してもいいかも、という気持ちになれると思う。
②手が届かないところに薬を塗ってくれる
私は、母に薬を塗ってもらった次の日は、いつもより調子が良かったりした。
約束をしていてもどうしても行きたくなくて、ドタキャンしてしまうこともしばしば。
もちろん、そんなのお前のワガママだろって言われたらそれまでなんだけど、
理解してもらえたら嬉しい。
①諦める
症状が出てしまったら、もう正直どうしようもない。仕方がない。
何時間鏡を見つめても、泣いても喚いても怒鳴っても、人に当たり散らしても
それがどんなに悪いタイミングだったとしても、今すぐよくなることはありえない。
それなら、かゆみや沈んだ気持ちを紛らわすために本を読むとか
良い匂いのする布団で寝てしまうとか、大好きなおやつを買ってきて食べるとか、
アトピーのことはなるべく考えないようにするのが良い。
(難しい…)
②信じられるものを見つける
アトピーと付き合っていく上で一番の敵は、「迷い」だと思う。
何でもいいから、自分が心から信じられるものを見つけることが大事だと思う。
(「正しい」ではないです。「大事」。)
信じるものがある人は、本当に強い。
③感謝
症状が酷くなってくると、自分のことで頭がいっぱいになって
周囲へ気持ちを向ける余裕がなくなってしまう。
こんな自分に、恨み言も文句も言わず、付き合ってくれる人たちがいる。
裏を返せば、今、ちゃんと居てくれているということを忘れないように。
おわり。