「過払い利息」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 過払い利息とは

2016-02-17

アイドル恋愛禁止という風潮

あれなあ、ほんと考えれば考えるほど根深い。

最初自分意見を明白にしておくと、俺は恋愛禁止なんて人権侵害だし契約として不適切だと思っている。いつぞやのお泊りがバレて坊主頭にしたアイドルの件は、心底あれを許しているこの社会ヤバいと思った。しかしじゃあ過払い利息よろしく恋愛禁止契約自体禁止すればいいのかというと、俺はそれでいいと思ってるんだけど、実のところ事はもっとずっと複雑なんだよな。

さしあたって恋愛なりお泊りなりがバレたアイドル謝罪するのは、別に拳銃を突きつけられているからでも謝らなければ何千万円の違約金を取られるからでもない。前に恋愛禁止条項を破ったアイドル事務所損害賠償金を払わせることを裁判所が認めたというニュースがあったが、同様の裁判で逆に賠償を認めなかったというケースもある。司法的にもまだ結論の出ていない話ではあるのだが、いずれにしろ彼ら彼女らの支払い能力を超えるような巨額の賠償が認めれられることはまずないと言っていいだろう。では彼ら彼女ら――もっぱら彼女らではあるのだが――はなぜ公共に向けて謝罪するのか?

言うまでもない。それは一人でも多くのファンをつなぎ留めて自分商品価値を守るためだ。処女性が失われた時点で去っていくファンがいる事は避けられないが、全力で謝罪すればその中の何割かは引き止められるはずだからこそ頭を下げる。こないだのベッキーゲス男との不倫ベッキーけが謝ったのも全く同じことで、あれを男女差別だという声もあったが別にこの件でそれは関係ない。そもそも不倫というプライベート問題で男も女も第三者に謝る必要などないが、それでもベッキー謝罪したのは不倫によるイメージダウンゲス男にとってはさして痛くないのにベッキーにとっては致命傷になるからだ。その差はベッキー清潔感のあるイメージで売るタレントでありゲス男はCDを売るアーティストであるという職業上の特性の差に由来しているのであって、男女の違いではない。

全く同じことがアイドル恋愛禁止にも言えてしまう。アイドル恋愛できないのは、あれこれ道筋カットして結論だけを書くなら恋愛するとファンが離れてしまうからだ。である以上たとえ契約上の恋愛禁止条項違法化されたとしても結局恋愛はできない(もしくはバラせない)という点はなんら変わりない。ファンはもちろん自由意志アイドル応援している以上、どんな理由ファンを辞めても咎められるいわれはない。恋愛禁止されていなくたって、「私は彼氏作りません!」と宣言するアイドルに支持が集まるなら他のアイドル志望者もおそらくは「自発的に」それに追随するだろう。

ガーディアン誌はベッキー謝罪に絡めて日本タレント事情を論じた記事でこう評している。

彼らのほとんどは、様式的なエンターテイメントスキルを持っていません。事務所にとっての彼らの価値大衆からいかにヒトとして好かれているかという点のみなのです。ゆえに彼らのプライベート事務所に所有されてしまうのです。

結局はここに行き着く。枷から飛びだして自由恋愛仕事も充実させるためには、処女性を求めないファンだけでも充分にやっていけるだけの実力を備えるしかない。

ところで、別にアイドルでなくてもこの日本恋愛禁止という名の人権干渉はありふれている。恋愛禁止学校恋愛禁止部活恋愛禁止会社……。特に社内恋愛禁止ルール特に抗議の声も上がらず受け入れられていることが多いように思う。みんな大人なのに。

家庭内にすらそういう事はある。「恋愛なんかにうつつを抜かすな」と親から禁止されている子どもは決して少なくない。特に女子被害者が多いだろうが、男子でも親が受験戦争に入れ込んでいたりするとなんでもかんでも禁止にされてしまう。

恋愛という、いわば究極的にプライベート事柄他者干渉し更には禁止までしてしまうことに人々は慣れすぎている。恋愛禁止条項なんていうヤバげな契約が堂々存在できてしまうのもなにも処女信仰けが原因ではなく、「なんらかのそれらしい理由さえあれば恋愛禁止するというルールがあっても良い」と多くの日本人自然と考えているからだ。いやはや窮屈な社会だよなあ。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん