はてなキーワード: 日雇い派遣とは
そだな。
日雇い派遣禁止の方向でと聞いたとき、めんどくさいことになるなと思いつつ「前に戻っただけか」とも思った。
まあ昔やってたことだからって現在も全員ができることだとは限らんけどな。
誤解してる人が多いけど、日雇いが禁止されたんじゃなくて「日雇い派遣」が禁止される方向なのです。
色んなところに行って、色んな人に会った。スーツ着てしたり顔で販売したこともあるし、工場でライン作業やったり、お子様向けアトラクションをやったこともある。
社員並の扱いを受けてるレギュラーの人もいれば、一回で去っていく人もいるし、実験で忙しくて固定バイトが出来ない大学生も、パートタイムで入ってる主婦も、就活・転職中の人もいる。脱ひきこもりでリハビリ的に活用する人もいる。ちなみにネカフェ難民には一度もあったこと無い。
日雇い派遣は違法的な流れで誰が得をするのか。現時点では少なくとも労働者じゃない。日雇いメインで生活をしている人全員が正社員並の収入を得られるような制度でも作る気なのだろうか。仮にそんな夢の制度が実現したとして、ではメインではなく、諸事情で当座の金が欲しい人間はどこに流れろというのか。必要な人数を確保出来る仕組みがなくなった時の現場の負担を考えているのか。とてもそうは思えない。「日雇いが禁止?ならシフト制で直接雇えばいいじゃない」ということなのだろうが、きょうびコンビニだってシフトの穴を埋めるのどれだけ苦労しているか知らないのだろうか。あまりに認識にずれがありすぎるような気がする。
自分の所はまだそんなに仕事は減ってないが、会う人は大抵今の流れに口を揃えて「迷惑」という。
「貧困層を作る原因を撲滅するお!日雇いは禁止だお!」と叫びながら、余計貧窮させているだけ。仕事を奪うなら、先に代替案を考えておけと言う話。そして偉い人的には派遣メインじゃない派遣登録者は一切存在していないらしいです まる
とりあえずよく行く現場に入ってる他の派遣業者に引き取ってもらえることになった。スケジュール的には今までほど自由がきかなくなるけど、全く新しい派遣会社に登録しても、ただでさえ日雇い派遣の発注が減ってる現状、そうそう仕事が回ってくるとは思えないし。背に腹は代えられない。
日雇い派遣の現場は高齢化が進んでいる。若い子ほどパートタイム的に利用してるだけだったり、さっさと就職決めて去っていく。フルタイムで働いてるのは30代以上が多い。40~50代も普通にいる。あの人たちどうするんだろう。不思議と現場に危機感はない。「1か月の長い休みだあ」とか言って笑ってたけど、そんなに貯えあるとも思えないんだけどな。
最近フルキャストは2か月連続16日以上勤務すると、社会保険加入が義務付けられ月給制に移行するシステムを導入した。だけど、勤務日数を抑えて月給制回避って人が多い。なんでか聞いたら日払いじゃないと食ってけないからだって。あと、目の前の出費が増えるのがやだとか、今までごまかしてた税金過去にさかのぼって補足されたくないとか。一見労働者保護に見える制度が結果的に出勤日数を減らして収入減につながるという罠。複数の派遣会社に登録して自衛する人もいるけど、同じ派遣会社で働き続けるメリット手放すことになるし(内勤とコミュニケーション取れると優先的により適した仕事を回してもらいやすいとか、1か月何日以上出勤で特別手当とか)。
日雇い派遣廃止を見越して発注自体減って仕事にあぶれる事も多いし、ここ数ヶ月景気の悪い話ばっかりだ。
今回摘発された違反は1年以上前のもの。しかも(フルキャスト側の言い分を信じれば)事業停止期間中の契約に関する書類制作上のミスであって、フルキャストで働いてるワープアに不利益をもたらすものではない。いきなり1~2ヵ月失業状態に追い込まれた現場の人間からすればむしろ有難い話だったわけで。日雇い派遣禁止をアピールするための「国策捜査」みたいなもんじゃないのか。厚労省空気嫁。いくらなんでも無理筋すぎるだろ。
マスコミはずっと日雇い派遣で働いてる人はそんな就労形態望んでなくて、やむを得ずその環境に追い込まれたと報じ続けてきた。それがここ1週間ほど毎日日経等で「日雇い派遣を重宝していた人もいたのに・・・」的な報道が出始めてる。だったら最初からそう報道してくれよ。おかげで大手2トップは撤退、日雇い派遣自体一部例外を除いて違法化の流れは決定的じゃないか。その流れを加速させる報道をさんざんしておいて何を今更。
俺の周りで「日雇い派遣廃止すべき」なんて言ってる人見たことない。本業が別にある人、就活中の人、ただ流されてる人、色々だけど、「日雇い派遣っていう選択肢がなくなるのは迷惑」という点ではほぼ一致している。なのに、なにかある度に報道される現場の声は「日雇い派遣廃止歓迎」ばかり。廃止の是非そのものは議論の余地があるしそれはここでは措く。ただ、明らかに事実に反する「現場の声」が報道され続けてきたのはどういう事か。
個人的には自分が今日雇い派遣なのは国とか財界のせいではなくて自業自得だと思ってる。だから貧乏を誰かのせいにする気もない。ただ今の自分に最適な就労形態を気安く奪ってくれるなよって話。代わりの選択肢用意してくれるの?ほんとにワープア救済目的なの?秋葉原加藤の影響とか、日雇い派遣労働者の所得捕捉とかが本音じゃないのか(税金ごまかしたり失業保険もらいながらこっそり働いてるとかは結構ある)。 ピンハネ率上限設定と開示義務付けでいいじゃん。その辺不信感が強すぎる。「おまえらほっといたら将来生活保護受給者じゃん。就労形態選択する自由なんてないから。禁治産者扱いだから」って事ならそう言ってくれた方がスッキリする。とりあえず次の選挙自民党には入れない。日雇い派遣廃止の民主社民も無し。となると入れるところがない。
共産党支持の声は聞いたことないな。蟹工船って誰が読んでるんだろう。
昔フルキャストが登録スタッフの容姿をデーターベース化して問題になったけど、あれ、そんなに非難されるようなことかな。
この業界、想像を絶して薄汚いおっさんとかザラにいる。寝癖不精ヒゲで現れる、メガネのつるが折れててセロテープで補修してる、カッターシャツの下にフルキャストTシャツ(背中に社名が大書してある)着てるから文字が透けて見えてる、先方にタメ口etc。茶髪長髪禁止の現場とか、スーツ着て勤務時間中の1部上場企業のオフィスに入る仕事とかもあるんだから、そういう人を撥ねるのは業務上不可欠。この件を告発した労組の拠点になってた関連会社を閉鎖して労組潰ししたのは論外だけど、容姿データーベース化自体はそんなに問題か?
http://japan.cnet.com/blog/mugendai/2008/08/21/entry_27013091/
雨宮:フルキャストで働く人には登録カードをつくる必要があるんですが、なんとその登録カードがサラ金(フルキャストファイナンス)のカードにもなっている(笑)。これは果たして合法なのかと思ってしまうほど、恐ろしいシステムです。しかも、フルキャストで働くと、日払いの給与明細の裏にフルキャストファイナンスの広告が入っていて、「いつでもお気軽に」みたいなコピーが踊っている(笑)。なぜこういうのが野放しになっていて規制されないのか不思議です。
まず登録カードって俺は持ってないし存在自体初めて聞いたんだけど、今ぐぐったら2005年の秋から導入されたらしい。俺はそれ以前に登録したから支給されてないんだな。
んで日払いの給与明細の裏は白紙だ。広告なんて入ってない。ただ、管理票というのがあって、手帳サイズの2枚重ねの紙に労働者の名前や勤務日、勤務先、勤務時間、遅刻早退の有無や残業時間を書いて先方のサインをもらい、一枚は先方が保管、もう一枚は労働者が給料をもらう時提出するシステムになっている。その管理票の裏に「昔は」フルキャストファイナンスの広告が載ってた。でも今は載ってない。「作業内容は事前に聞いてたのと同じだったか」「指揮命令者は事前に聞いてた人と同じだったか」「危険と思われる仕事や派遣禁止業務と思われる業務はなかったか」「その他意見等あればお聞かせ下さい」というアンケート欄になってる。いつ変わったかは覚えてないけど、数ヶ月以上前なのは確か。少なくともこの本が出版された2008年7月時点ではもうなかったはず。対談が行われた時点では微妙だが。でもこの本読んだ人は今でもそのままだと思ってるだろう。少しずつだけど、改善はされていっている。
1年前の事業停止時に指摘された港湾・建設現場への労働者派遣。労働者保護の観点から許しがたい、的な報道が多かったけど。あれってヤクザ排除のための制度の名残りだよ。今は実質的意味はない。港湾での仕事なんて特別危険なわけじゃないし。
日雇い派遣をめぐる言説には、この手の正確とは言えない情報が散見される。「フルキャストに搾取されてる」はずの俺でさえ、首を傾げることがしばしばだ。
フルキャストは基本的にろくでもない会社だ。ピンハネしすぎだし。昔は労災とか知らんぷりだったし(最近は現場でケガしたら必ず申告しろって言われる)。いまだに業務停止や日雇い派遣撤退についてろくな説明もないし。
でも「中の人」(=内勤とか営業とか)は普通の人間だし、こっちが頑張って多少無茶な要求(夜11時に電話かかってきて明日朝6時集合の現場に行ってくれとか)に応えれば、向こうも閑散期に優先的に仕事まわしてくれるとか、体調悪い時は楽な現場まわしてくれるとか、それなりに配慮してくれる。もちろん使い勝手のいい人間をキープしておきたいって打算あってのことだろうけど、それはこっちも承知で選んでる働き方であって、お上に頭ごなしに潰されるのは気に食わない。問題は「普通の人」が「問題のあるシステム」に乗っかった時、結果的にえげつない対応をしてしまう事であって、それを防ぐためにシステムを設計しなおす事が必要。それをいきなりシステムごと破棄ってどういうことだ。そのシステムにしがみついて生きてる俺みたいな人間はどうなる。間違った前提で形作られた世論に煽られてベストでない結論が導かれ、結果俺がより一層生き辛くなるのはごめんだって話。
書いてるうちにフルキャスト擁護のマスコミ批判になっちゃったのが自分で意外なんだが。政府は遠すぎるし、マスコミ報道はピント外れが多いし、フルキャストは最近少しはまともになってきたかと思ったらフルボッコだし。不毛だ。つーわけでもしこれ読んでるマスコミの人がいたら、頼むから現場の声を「幅広く」拾ってくれ。同じ人ばっか取材してない?日テレによく出てるネカフェ難民のおっさんとか。つーか4年フルキャストで働いててネカフェ難民ってひとりしか見たことないんだが。まあ言わないだけかもしれないけどさ。あの騒がれ方もピンとこないんだよな。
なんかね、「日雇い派遣は貧困ビジネスの悪の枢軸」って図式が独り歩きして、その周りで息してる人間の実情が置き去りにされてる気がしてならない。ステレオタイプじゃない日雇い派遣労働者の姿をちゃんと伝えて欲しい。じゃなきゃどんどんおかしな方に事態が進んでいっちゃう。
去年の今頃くらいかな。
ちょっとした小遣い稼ぎがしたくて、新宿のボトムズボットっていう登録型派遣会社に登録して、日雇い派遣行ってたんだわ。
現場はおもにヤマトの仕分けとか、アスクルの倉庫とかだったんだけど、ああいうところで現場のまとめ役みたいなことをやってるのって、基本的にパツキンでツンツン頭したようなパンクの兄ちゃんなんだよな。なんか顔中ピアスだらけで穴ぼこがいっぱい開いてたりしてさ。
要するに、登録型日雇い派遣の現場係みたいな仕事でもないと、そういうパンク兄ちゃんには就ける仕事がないってことなんだけど、ああいう人たちでもいつかは素に戻ってまともな仕事に就いたりするんだろうなぁ。
なんか不思議だ。
大手企業グループ傘下の派遣会社で働く派遣社員のうち、約8割が同じグループ企業への派遣であることが厚生労働省の調べで分かった。労働者派遣法の見直しを検討している厚労省の研究会に同省が提示した。研究会では正社員を派遣に置き換えることを防ぐため、グループ内への派遣に対し何らかの規制が必要との考えで一致した。
現在の労働者派遣法は、1つの企業のみに労働者を派遣することを禁止している。社員は直接雇用するのが原則で、派遣は臨時の労働力確保のための存在と位置づけているためだ。ただ特定のグループ企業のみへの派遣は、派遣先の企業が複数になるため規制の対象にはなっていない。(07:00)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080628AT3S2702F27062008.html
派遣なんてやりたくてやってるわけじゃないんだろうが、その日暮らしなんだろ?
http://anond.hatelabo.jp/20080617032448
それを見た増田はは、
「すばらしい使いっぷりだね。どれくらい給料をもらえるの」
と尋ねた。 すると日雇いはは
「そんなに良い給料じゃないよ」
と答えた。増田が
「もっと節約をしていたら、もっとマシな暮らしが出来るのに。おしいなあ」
と言うと、日雇いは、自分が生きるにはこれで十分だと言った。
「それじゃあ、あまった金でいったい何をするの」
夜になったら友達と一杯やって、パチンコをやって…
ああ、これでもう1日終わりだね」
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみにアドバイスしよう。
いいかい、きみは毎日、もっと節約するべきだ。それであまった金は貯金する。
お金が貯まったらアパートに住むんだ。そうすると自炊が出来て、もっとお金が浮く。
その給料で貯金をを二百、三百と増やしていくんだ。やがて転職活動できるようになるまでね。
そうしたら人材派遣会社に仲介手数料を払うのはやめだ。正社員になって、そこで働く。
その頃にはきみはこのちっぽけな釜ケ崎を出て東京に引っ越し、ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。
日雇いは尋ねた。
「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「20年、いやおそらく25年でそこまでいくね」
「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
と増田はにんまりと笑い、
「それで?」
「そうしたら引退して、新今宮駅近くの小さな街に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て、
日中は日雇い派遣に行ったり、パチンコしたりして、たばこを一箱ふかし
夜になったら友達と1杯やって、過ごすんだ。
どうだい。すばらしいだろう」
それが甘ったれた精神なんだよ。
地方求人誌まで掲載するのに、会社がいくら広告料取られるか知ってるか?
クズの吹き溜まりみたいな地方から、まともな社員を採用できる期待値は?
握り飯と鈍行で東京でてきて、日雇い派遣とマンガ喫茶で食いつないで、再就職すればいいだろうが。
そのくらいの根性がある奴じゃなきゃ採用されねえよ。
今時、正社員続けるのはよっぽどの優良企業じゃない限り、そのくらいの根性を要求される。
ネカフェ難民ですら、職を求めて上京するくらいのことはやってる。
でも、思考能力がないから、それ以上の職につけない。
就く機会を見逃してしまう。
就職先が確定したら、貯蓄なくても、部屋貸してくれるところはいっぱいある。
会社も、前金用意してくれるところが結構ある。
自分から動かない限り、状況なんかかわんねえよ。
媚び諂って、必要以上の仕事をして、ようやく指名がもらえる。
そして、指名を重ねて、その日限りのやる気じゃないことを証明すると、転職を勧められる。
何事も努力と根性が必要なんだよ。
そりゃそーだ。ニーズがあるからなくならないんだ。
だからこの先も無くなることはないよ…
「一生派遣労働でも『食っていける』環境をつくる」か「しゃぶり尽くす前に『食っていける仕事』に転職させる制度を作る」かの二種類しかないように思う。
どこまで手厚いんだよーw
前者だと派遣労働者の数が減少することはないな。むしろ増加するんじゃないの?増加しても耐えうる環境がホントに作れるのか?
後者は職業訓練所という形で既にあるんじゃない?そこに更に金をつぎ込めということ?
このような既存施設を難癖付けて利用していない輩にはホント腹が立つんだが。
というわけで、結局勤労意欲の問題なのかなあと個人的には思ってしまうのです。
議論をループさせるようですまん。
あほか。
馬鹿にしなかったら中高生のガキが日雇い派遣カッコいいとか言い出すだろうが。
どんな人間でも役に立つ。例えば無能な奴は回りの評価を相対的に高める役目を負ってる。
日雇い派遣は現代のエタ非人。
奴らがいなければ世の中は回らないけど、馬鹿にされるのも奴らの役割。
実際、俺はITバブルの時代に正社員として派遣の人間使ってたことあるけど。
間違いを指摘するとキレる。
作業が遅い。
そのくせ、妙なプライドを持ってる。
指名受けるようになって、すぐに負のスパイラルから抜けられる。
元増田です。
正直言ってあの駄文が何処の誰のどんな心の琴線に触れたかわからないので、
各々の求めている内容を追記することが出来ないとだけ断っておきたい。
で。
ブコメやら周囲の反応やらを見ているとどうやら俺のクズ発言に怒りを覚えている人が居るようだ。
あえて乱暴な言い方を使ったがそこをまず最初にフォローしておこうと思う。
俺は決して肉体労働者がクズだ底辺だとは一言も言っていない。
体が健康で運動が性に合っている人間が、体を動かすことで報酬を得るのに問題があるとは思っていない。
だから大工などの例を出した。アレが正社員かどうかの個々のケースは知らないが。
俺は日雇い派遣会社に毎日入り浸り、環境のせいにして向上心を持たず、事務所の床で寝るような輩をクズだと称したのだ。
正直誰に向けて書いたわけでもないし、まともな内容の文章だと自分でもあまり思わなかったので、
そういう所まで気にかけないと増田に文章も書けないのかと若干引いた。これは別の話か。
この際なるべく詳細に思い出して書いてみる。
まだあるかどうかは知らない。興味もない。どちらも大手ではない。
色々覚えているのは片方だけなので、その片方の会社でのことを書く。
これは主にそこで親しくなった社員から聞いた話だ。
その会社は、オーナー社長が居るとだけ聞いていた。見たことはない。
ただ、「今日来るらしい」の一言が社員間で流れただけで全員が部屋の掃除を始めるほど恐れられていた。
思えば土地柄ヤクザがらみだったのかもしれない。
そして正社員は5人程度と聞いた。三ヶ月間フルでいた頃はローテーションは四人だった気がするが。
その正社員は、正社員と良いながら実質半分社員、半分派遣のようなものらしく、
たまに現場に出ないと収入が低いとぼやいていた。
つまり日勤(事務所で電話受け、新規面接など)より現場の方が給与が高かったのだろう。
女性は一人いた。高校を退学したとか言う話だったが詳しくは知らない。
実質、事務所に寝泊まりする輩の母親みたいなものだった。奇妙な共同体だと最初は思ったものだ。
その事務所には月当たりで50人から200人が登録(面接)に来ると言っていた。
大半は学生のため、月や季節でばらつきがあったようだ。
だが暇な主婦や、失業したサラリーマンなどもそれなりにいた気がする。
それらの内、最初の一週間で二度と来ないのが半分程度
半年までで辞めるのが3割程度、
半年以上続けるのが1割、
そして何があろうと居座るのが1割だと聞いた。
ちなみに会社に泊まるような奴は数ヶ月に一人くらい増える、とその社員は笑っていた。
俺が三ヶ月フルに居座っていた間、常に寝泊まりしていたのは数人だった。
週の半分くらい事務所の床で寝るのが10人はいた気がする。
その頃はネカフェ難民などという言葉はまだ発明されていなかったから
ネットカフェに常に泊まっている奴らがいたかどうかはわからない。
フラフラしているが故に
「今日はあいつはどこ泊まってるのか分からない、明日の現場に必要なのに捕まらない」
なんて事もよく聞いた。
仕事内容は前回書いたものが主だった。
真夏の道路の通行量計測、
だが比較的そういったダルくない仕事は大手(グッドウィルなど)が取っていき、
俺の属していた事務所は汚れ仕事などが多く来ているような気がした。
また、現場では「今日は○○から来たと言うことにしてくれ」という通達が出ることがあった。
足りなかった数合わせで緊急の仕事だと、そんなことも多かった。いわゆる数あわせだ。
当時そこに疑問を持つ人間は誰もいなかった。恐ろしい話だ。
勤務が終了して根城たる事務所に帰ってきた人間が、すぐに次の空いている仕事に入る言葉だ。
もちろん、普通の学生アルバイトや主婦、サラリーマンの小遣い稼ぎ目的などの人間は絶対にやらないキツい勤務だ。
彼らは金のためなら己を酷使することを厭わなかった。
彼らは金のためにキツい仕事をこなしていた。
彼らは金のために生きていた。そしてその金は浪費するためだけにあった。
色々書いてみたが、俺がクズだと言ったのは本当にごく限られた輩のことだ。
また、上の何割という数字が事実かどうかは知らないが体感では確かにそんな所だった。
そしてクズとまでは行かなくとも派遣から抜けられないで苦しんでいる輩も多かった。
目的があって短期派遣の仕事をする奴は別にクズでも何でもない。
ついでに言うと俺のことを気にする人が多少居たようだが、
彼らが俺の言うクズかどうか気になるのであれば、ともに一ヶ月でも働いてみればいい。
クズかクズでないかは結局主観の問題な気がするので、自分の目で確かめてくれ。
俺はこの目で見てクズだと思ったのだ。
環境が彼らを悪にしたのだ、と俺以上の上から目線で彼らを擁護するのもいいだろう。
彼らが無計画な理由を置かれた境遇とともに妄想してやるのも良いだろう。
確かに環境は悪かった。決して良いとは言えなかった。
仕事内容はキツいものが多かったし、給与も決して高くはなかった。
だが断わることも出来るし、都の最低賃金を割っているわけでもなかった。
そして日雇い派遣を経験した人間が皆クズで無計画かどうか想像してみればいい。
そうでない人間と、そういう人間と、それらの差はどこにあるのか。
そもそも仕事内容それ自体は日雇い派遣でなくとも見つかるものばかりだ。
土建屋、内装屋、引っ越し屋、倉庫作業、イベント設営、etc.
「君たちは何で派遣なの?ウチの会社に来れば、バイトでも給料倍なのに」と。
問題がどこにあるかなんて安易なことは言えないのは分かっているが、
だからといってクズを野放しにして良いとは思えない。
彼らに必要なのはステータスともう少しの収入だ。
仕事内容に文句を言う奴らはそもそも日雇い派遣など選択肢に入れない。
彼らは愚かだったし、悪しき環境にいるおかげで普通の人間も次第に汚染されていくのは
変えようもない事実だった。
今でさえ、あの頃自分がどれだけDQNな環境にいたのかと恐ろしくなる。
俺は幸い犯罪には手を染めなかったが、彼らが行う犯罪や非社会的行為を止めることをしなかった。
そこは等しく俺も悪い。
だからこそ、彼らがこれ以上クズにならないような社会を望んでいる。
自分がそこを経験したが故に。
俺みたいな人間からクズ呼ばわりされないだけの社会が必要なんじゃないのか。
前回最後にかすかに書いた、
・雇用の枠の流動化
・日雇い派遣の公営化
は現実的な手段として作用しないだろうか。
解雇しやすくなると言うことは、それだけ雇用されやすくなるし、
日雇い派遣の公営化がなされれば、労働者もそれだけ安心できる。
もちろん雇用側から斡旋する公営側に金が流れる事も考えられる。
俺は別に経済や雇用の専門家でも何でもないが、こんな案はどうだろうか。
正直言って前回のエントリの何がそれぞれの心に引っかかったのかは分からない。
日雇い派遣は身近な罠で、そしてその底辺には澱んだ泥沼に足を取られて死んだような輩がうようよいる。
彼らはどうしようもなくクズだし、そうさせてしまう泥沼も悪い。
だから、その沼を幸いスルーできた人間が上から目線で救ってやる案を考えるのも悪くないんじゃないか。
俺は沼から出てきた側として、問題提議できればそれで良いかと思っている。
ちなみにクズクズって単語にここまで過敏に反応されるとは思っていなかった。
数ヶ月間日雇いだけで生活していたことがある。あの空間は異常だった。
八時間勤務で八千円程度の仕事を二連続、下手したら三連続とか入れる癖に、
パチンコに千円札を突っ込み続けることを全く疑問と思っていない人たちが居た。
そしてタバコを日に一箱吸い、酒を飲み、一食(コンビニ)で千円使うことを何とも思わない。
将来に対してまともな計画を持っている人間は一人もいなかった。
肉体労働者が必要なのはわかる。
高層マンションの内装を、一階から階段で上げる仕事など普通の内装屋がやるわけがない。
日に三件も回らなければいけない引っ越し屋が、社員だけですべてを回していくのは不可能だろう。
広大な倉庫で、無数の商品を、一つ一つ宛先に合わせて詰める作業は、未だ機械が代わってくれるものではない。
一晩で設営しなければならないイベント会場で、深夜働きづめでスケジュールを合わせるには人手が必要だ。
そしてそれらは、今現在は日雇い派遣労働者によって支えられている。
だがそんな劣悪な環境に慣れてしまった底辺労働者たちは、境遇の改善などを求めていない。
意外に思われるかもしれない。
他人から見たら底辺の彼らが望むもの、それは目先の一万円だ。
その金で安い風俗に行くのだ。それしか望んでいない。
本気で境遇を脱したかったら、半年で離脱できる道はある。
下らない。
だいたい二重派遣なんてどこでもやっている。
それに何か規制したところで誰かがやらなければいけない仕事だ。
確かにそういった人間は居る。
だが俺の居た事務所ではネットカフェではなく派遣事務所に泊まっている輩の方が多かった。
ネットカフェには、シャワーだけ浴びに行くのだと言っていた。
そして俺は数ヶ月間一緒に働いて、こいつらを救う金など必要ないと思った。
教育に回すべきだと、思った。
こういう、大人なのに馬鹿な人間たちが生まれないために、教育に金を回すべきだと、強く思った。
本来、肉体労働は派遣がやらなければならない仕事ではないはずだ。
大工や棟梁、鳶といった人間は肉体労働をしているという点で派遣たちと同じだが、
コレは断言しても良い。彼らはモラルも低く、犯罪者すれすれの存在だ。
だが、そんな彼らも、「正社員」という肩書きと、ピンハネされないだけの給与を得られればきっと何の不満もない。
そして緩く雇用され、一定の自由な時間があれば、彼ら屑は屑なりに自分のために時間を使うのだ。
もとより週五日八時間勤務に耐えられないような人間たちだから、そこは仕方がない。
彼らが屑たる所以だ。「ダルい」だけで翌日の仕事をキャンセルするような人間だ。
思うに、正社員をもっと緩く雇用できる制度があればよいのかもしれない。
正社員、というカテゴリに当たらない枠が必要なのかもしれない。そこはわからない。
だが、日雇い派遣労働者は必要だし、そこに企業は決して安くないコストを支払っている。
ならば、いっそもっと公的な機関が今の派遣会社の役割を担ってしまうのでも良いのではないか。
ハローワークが日雇い派遣の斡旋も扱えば、ある意味健全だと思うのだが。
「恥ずかしながら、これが私の全財産でして」
4月15日夜、東京・飯田橋近くのNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」。男性(39)は財布の中身を見せて、うなだれた。
財布には小銭ばかりで100円ほど。前日に古本屋で本を売った400円の残りだ。飯田橋までの電車賃もぎりぎりだった。
都内の電気工事会社の下請けで働くこの男性は、生活困窮者を支援する「もやい」に助けを求めていた。
「いつお金が入りますか」
「4月18日です」
「いくらぐらい?」
「たぶん、3万~4万円」
「その額でいつまで」
「それじゃあ、苦しいですねえ。どうしますか」
「18日までしのげれば、アルバイトでなんとか……」
1万円を工面してもらい、米5キロと缶詰5個をもらってしのぐことになった。両親は年金暮らしで頼れない。
「本当にお恥ずかしい。仕事を探しながら働く繰り返しで、失業保険も貯金もないものですから……」。何度も頭を下げてはお礼を言った。
男性は99年、都内の私立大学を卒業した。浪人と留年を重ね、このとき30歳。就職氷河期まっただ中だった。
派遣労働者として働きながら、就職活動を続けたが決まらない。派遣会社10社以上に登録し、契約が切れると清掃業務や建設作業などで食いつないだ。たまに採用されても契約社員扱い。細切れ雇用の全部は本人も思い出せない。
そのうち面接で「どうして職をそんなに転々としているのか」と聞かれるようになった。これまで60社以上の面接を受けたが、正社員への壁は高くなるばかりだ。
いまは工事で余った廃材の片づけなどをする仕事。正社員を希望したが、半年間の契約社員。日給1万円、翌月払いだ。3月下旬に入社し、3月は5日間働いた。
ところが、4月18日の給料日、3月分の給与明細を見てがくぜんとした。手取りはたったの2万1814円。健康保険料9456円、厚生年金保険料1万7995円、雇用保険料735円が天引きされていた。
これでは家賃3万200円にも足りない。日雇い派遣大手のフルキャストを通じ、夜も仕事を始めた。
午後5時に仕事が終わると、すぐ派遣先の倉庫へ。6時半から10時まで、ベルトコンベヤーに追われながら荷物の積み込み作業。時給は1千円。一晩で3500円にしかならない。
くたくたでアパートに帰る。倉庫の仕事を始めた初日、1回430円の銭湯は高いのであきらめた。部屋は4畳半一間の風呂なし共同便所。布団はなく、2枚の毛布の間に入って眠る。2日続けたが、3日目に会社を休んだ。ダブルワークで疲れ切った。数少ない楽しみの携帯電話代1万1千円の支払期限で憂うつでもあった。翌日が、会社に昼の弁当代の3月分2千円を支払う日だったことも気分をめいらせた。
翌朝。通勤途中、スーツ姿のサラリーマンたちが足早に彼を追い抜いていく。まもなく40歳になる。その数カ月後には、雇用契約の更新時期がまたやってくる。
「やっぱり、私のような人間では駄目なんです。ピシッとスーツを着て、ライフステージを踏んできましたって胸を張れないと、正社員にはなれない。そういう厚い壁を感じてしまいます」
男性はたびたび、自分のことを「私のような人間」と呼んだ。まじめに働いても、30歳で大学を出たというだけで貧困から抜け出せない。広がる「ワーキングプア(働く貧困層)」。1年間働いても200万円以下しか収入がない人は、06年に1千万人を超えた。
(福間大介)
神奈川県内のハローワーク。女性(32)が求人票を見始めて、もう3時間になる。
「一般事務 18万円以上」。パソコンの画面には1度に20件の求人が表示される。55ページ目に入った。
充血した目をしばたく。
「資格持ってないと、全然だめみたい」
高校卒業後、3年間は正社員だった。その後はバイト、製造業派遣、日雇い派遣へと。「坂道を転がるような日々」だった。昨年夏から生活保護を受けている。
保護費は住宅扶助を合わせて約12万円。簿記やパソコンの資格がないと、選べる仕事の基本給は15万円程度。社会保険料や税金を引くと手取りは保護費を下回ってしまう。
気を取り直して、5社分の求人票を持って窓口へ。職員から聞かれた。
「経理の経験は?」
「あります」
「何年前?」
「……9年くらい前」
「ああ、それじゃだめよ」
基本給20万円の事務職の求人には、履歴書を送ることもできなかった。
高校を出て東京都内の会計事務所に入った。実家から通勤2時間、手取りは12万円ちょっと。気力も体力も尽き、3年でやめてバイト生活へ。居酒屋、遊園地、雑貨店……。転々とした。「ちゃんと仕事をしろ」という両親と口論が絶えなかった。「私だって必死で働いているのに」
29歳の時、「仕切り直し」のつもりで、人材派遣会社の日研総業に登録した。前年の04年に製造業への派遣が解禁され、求人誌には寮付きの仕事があふれていた。
最初に行った宇都宮市のキヤノンのカメラ工場は、「長期」のはずが、減産を理由に3カ月で雇い止めになった。部品を組み合わせて2センチほどのモーターを作る仕事。寮費を引いて手取り約10万円。派遣仲間との間柄も良かった。「ここで1年働けたら、人生変わっていたかも」とつぶやく。
派遣会社をコラボレート(現プレミアライン)に変えた。横浜市内の松下電器産業の工場で携帯電話を組み立てた。寮費から冷蔵庫のレンタル代まで引かれ、手取りは3万円以下。社会保険もなし。虫歯が悪化し、消費者金融で借金して歯医者に行った。
「先が見えないまま走っている感じだった」
1年半で、派遣先は計4カ所。けがで働けなくなり、実家に戻った。その後もグッドウィルに登録して日雇い派遣。20日働いて収入は月7万円だった。両親との仲も悪いまま。うつ状態になった。
昨年夏、家を出た。誰でも加入できる「首都圏青年ユニオン」を知り、相談に行った。書記長の河添誠さん(43)が笑顔で迎えた。「つらかったこれまでのことを、初めて人に話せた」
付き添ってもらい、生活保護を申請した。以来、父母とは連絡をとっていない。
彼女と一緒に実家のある神奈川県の地方都市へ向かった。実家の手前で足が止まり、たとりつけなかった。実家を出る前は、帰宅せずネットカフェやコンビニで夜を明かしたこともあった。「親が携帯に電話してきたことは一度もない」。目が潤んだ。
彼女のアパートも訪ねた。6畳の和室、テーブル代わりの段ボールの上に「求職活動状況報告書」が載っていた。仕事を探した日数や面接の結果などを書き、毎月、市の生活保護の担当者に提出する。
これまで15社受けて、すべて落ちた。大抵は「転職が多い」が理由だった。「派遣という選択は人生最大の失敗」と自分でも思う。面接で何をアピールしていいかわからない。
自信をつけるためにも資格が欲しい。雇用保険に入っていれば、国の教育訓練給付で簿記検定や社会保険労務士の資格を取る講座が受けられる。だが日雇い派遣だったため、1年間の雇用が条件の雇用保険には入れなかった。
4月下旬、商工会議所で簿記検定の受験を申し込んだ。3級の検定費2500円は河添さんに借りた。本屋で立ち読みして勉強するつもりだ。
「やるだけやってみる」
(諸麦美紀)
野宿者や失業者の支援が中心だったNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」だが、ここ数年は、働いている若者や働き盛りの家族持ちも駆け込んでくる。相談日の毎週火曜は電話が鳴り響き、面接ブースに列ができ、まるで救急病院だ。
事務局長の湯浅誠さん(39)は「いまは、少し踏み外しただけでもすぐに貧困のどん底まで滑り落ち、なかなかはい上がれない」と語り、「すべり台社会」と呼ぶ。
90年代の不況期以来、正社員の職場はパートや派遣労働者に置き換えられ、いまや、労働者の3人に1人が低賃金で働く非正社員に。非正社員は、正社員を前提にした社会保険からもこぼれ落ちてしまうことが多い。
たとえば、雇用保険は原則、週20時間以上働き、1年以上の雇用見込みがなければ入れない。加入できても、失業手当をもらうには原則、直近2年間のうち1年以上保険料を納めていることが条件だ。短期契約を繰り返す非正社員が、失業手当を得ながら再就職先を探すのは難しい。
健康保険や厚生年金に入るのも、雇用期間が2カ月以内だと原則として対象外で、労働時間が正社員の「おおむね4分の3以上」が条件だ。社会保険料負担を避けるため。わざわざ適用外になるように非正社員の労働時間を設定している企業も珍しくない。
さらに最後のセーフティーネットである生活保護制度は、自治体の財政難を背景に窓口で違法な申請拒否が横行。生活保護費以下の収入しかない人でも、申請さえ受け付けない例が後を絶たない。
都留文科大の後藤道夫教授(社会哲学)は「日本の社会保障制度は『働いても食べていけない』状態を想定していない」と指摘する。これまでは、正社員であれば企業が職業訓練をし、医療、年金、住宅保障の機能も担ってきた。「非正社員にとって、日本の福祉は『底抜け』状態にある。自己責任を問うだけの時期はもう過ぎており、具体的な対策を議論すべきだ」
(福間大介、諸麦美紀)
国名 相対的貧困率 米国 13.7 日本 13.5 アイルランド 11.9 イタリア 11.5 カナダ 10.3 ポルトガル 9.6 ニュージーランド 9.5 イギリス 8.7 オーストラリア 8.6 ドイツ 8.0
日雇い派遣「全面禁止」の法案
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=465609&media_id=2
これは、ワープアどころか日干しになるぞ……。
っていうか。
ワープアから脱走するためには、大学生が行くような日雇い派遣は悪くない選択肢だとおもってた。実際、きちんと選べば10K/1d位にはなるし、そこから中・長期派遣になる道もあるしね(東名阪)。
派遣って、ふつうにアルバイトに応募するのより200から500円高い仕事を斡旋される機関だという認識だったんだけど、ちがうのかな?
単発の派遣が不可能になったらどうなる?
仕事量にあわせた金額での発注になるわけだから、時給換算で悲惨な金額になるとおもうんだ。これって、単発派遣で生活を維持し、仕事の無い時に就職活動するっていう戦略を容認しないって言うことだよね。
つまり、安い金額でかなり長期にわたり企業に拘束される……これってワープアじゃん!
と いうわけで、全く納得行かないのでした。
こんにちは! 今日は記念すべき日だ。フルキャスト(FC)への業務停止命令が決定したんだ。FCといえば、グッドウィル(グッド)と並んで日雇い派遣の大手だからね。といっても、僕はFCやグッドを責めるつもりはない(嫌いなのは確かだけど)。責められるべきは、この“派遣漬け”の日本社会だ。「フルキャストなんて会社、知らないよ」という人は、ぜひ知ってほしいんだ。あなたの現代的な生活が派遣労働によって支えられているということを。
物流業界は、おそらくFC/グッド依存度が最も高い業種だ。現代の物流では、海外から輸入されたり、工場で生産された商品は全て倉庫に集約され、そこから全国へ配送される。この倉庫というのは、映画に出てくるような、赤煉瓦と三角屋根の古典的な倉庫とはだいぶ趣が違って、「物流センター」とも呼ばれる近代的なものだ。これらは大体、4-5階建てぐらいの、「箱」という形容が相応しい無味乾燥な建築物で、お台場あたりから浦安、市川あたりの東京湾沿いに集積している。
倉庫では、ピッキングと発送という2つの仕事をひたすら行う。ピッキングってのは針金で鍵を開けるアレじゃなくて、注文に従って棚から商品を選び出す仕事のことだ。たとえば、「うまい棒」を大袋で5袋、「とんがりコーン」を2箱、「プリングルス」を3箱、という指示が来たら、倉庫の中を歩き回って、それらが置いてある棚を見つけて、台車とかコンベアを使って発送係のところへ送る。ピッキング係の仕事はここまでだ。
発送係は、ピッキング係から送られてきた商品が注文通りかどうかチェック(これを検品という)して、発送用の段ボール箱に詰める。このとき、中で荷物が暴れないように緩衝材を詰めるのが一番大事な仕事だ。詰め終わったらテープで箱を閉じて、パレットの上に乗せる。パレットってのは、フォークリフトのツメを入れるための台だ。パレットの上に乗せ終わったら、サランラップのお化けみたいなやつで荷物をグルグル巻きにする。これで荷崩れを防ぐわけだ。ラップ巻きが終わったらここから先はフォークのおっちゃんがトラックのところまで運んでくれるから、発送係の仕事は終わり。また検品に戻るわけだ。
ピッキング係と発送係は分業になっていることが多い。つまり、ピッキング係は一日中ピッキングをして、発送係は一日中発送をする。これは恐ろしく退屈な仕事だ。だから正社員はこんな仕事はしない。小遣い稼ぎの学生が主戦力で、すこし年上の氷河期世代がチーフとなって指示を出す。もちろん、どっちも派遣だ。
考えてもみてほしい。あなたは今日、どこで何を買ったか? いや、ここでは「何を」はどうでもいい。「どこで」が重要だ。工場に直接買い付けに行ったりはしていない筈だ。あなたが買った物はすべて、時給700円のワープアによってあなたの元に届けられているんだ。皮肉なことに、ワープア達もこの消費社会の一員なんだけどね。それにしても、この事実からは目をそらしたくなる。我々の生活はワープアによって支えられているんだ。介護事業どころの話じゃない、老若男女みんながワープアありきの構造の中で暮らしているんだ。まったく、何回「絶望した!」と叫んでも足りないよ。