2021-11-12

介護職や保育職の賃金は上がるのか

岸田総理介護職や保育職の賃上げを目指すと表明したことで、一定の評価を得ているようである

しかしながら現場職員が潤う可能性は低い、なぜなら賃上げをしても結局雇用主にピンハネされるからだ。


ピンハネについては、例えば保育業界の話だが、以下の記事が詳しい。

https://toyokeizai.net/articles/-/415046

簡単に言えば、人件費として保育園委託費を交付しても、雇用主が他の用途に使えてしまうザル運用なのである。(委託費の弾力運用

まずそのザルをどうにかしないと、現場職員が潤うことはなく、保育園駐車場に高級外車が駐まり園長の腕に高級腕時計が光るだけだ。

自分が知っている例だと、処遇改善加算を得るために職員研修を受けさせ、加算が付いた分だけ職員の基本給を減額するというひどい話もあった。

そんなの研修の受け損じゃないかと思ったが、受けないと給料を減らすと言われたらしい。こんな労基法に反するようなことを平気でする経営者もいるのである

また保育業界若い女性が多く、社会経験が少ない職員ばかりのため、搾取されていることに気が付かず、そのまま寿退所することが定常化してしまっている。

そして低賃金業界に戻ってくる人は少なく、新たな若人が犠牲になっていく。

まり、本当に職員賃上げをしたいのなら、真っ先に委託費の弾力運用について制限することを掲げるべきなのである

ではなぜそれをしないのか、それは票や集金につながるからである

介護や保育など対面の職は、パソナなどの企業が参入しているものの、基本的には地域密着中小企業社会福祉法人、学校法人)が多い。

私立幼稚園保育園なんかは、地方地主が、遊んでた土地活用するため開園したというのがよくあるパターンだ。

地主既得権益者であり、保守的なことが多く、自民党の支持者であることが多いのは皆感じていることだろう。

実際に、億単位使途不明金が発生して先日話題になった全日本私立幼稚園連合会は、自民党と非常に近しい関係である

http://www.yochien-joho.com/headline/?date=20130717

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/286319

自民党からすれば、介護職や保育職の賃上げ政策は、聞こえもよく、支持者に報い、見返りも期待できる最高の政策だ。

財源の確保さえできればいくらでもやりたいだろう、今回選挙に負けなかったことで、弾みがついたというところか。

しかし、支持者以外からすればまったくもって非合理的で、看過できるものではない。

今後賃上げの内容が細かく決まっていくと思うが、現状が悪化することのないよう祈るだけである

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