2021-11-08

バイト日記

 18時半くらいまではそんなに混まなかった。最近フリーター女子アルバイトさんがお水風俗世界に片足を突っ込みたがっている、という話をAさんとする。まだ未成年だと諸々の支払いが来ないので、気軽な気持ち大金を稼ぎたがるのでは? とAさん。なるほど。今時はキャバクラとかでも雇用契約を結ぶ時にマイナンバー要求されたりするんだろうか。仮にそういうのが無かったとしても、最近税務署が厳しいので、稼いだお金銀行預金したこときっかけで脱税がバレるとかありそう。税金払ったら夜の仕事なんか、やるだけの価値があるほどの手取りは残らなさそうだ。そんな話をした。

 19時を過ぎた頃から家族連れがやたら多く来店。別に、良さげな一番くじがあるとか、アイスお菓子を何個か買うと良いものが貰えるキャンペーンとかをやっている訳でもないのに。

 小さな男の子数人と女の子を連れた一家が来店。まあやんちゃ坊主がそれだけいるとご両親でも制御しきれるはずもなく。アイスケースに群がる子供達の一人が、置いてあった台車(4段重ね)の上によじ登ってしまい、台車が動いた弾みにアイスケースの縁に顎をぶつけそうになった。慌てて飛んでいって「ごめんねこれには危ないから乗らないででね」っていってお子様を台車から降ろした。ご両親からめちゃめちゃ謝られたけれど、こっちも平身低頭謝罪した。子供達がアイスケースに群がり始めた時点で、足場になるものを全て退かすべきだったので。

 やばいな、自分の子供が大きくなるに連れて、幼児の行動の読めなさに対しての危機意識が鈍麻している気がする。きっと、3年前の私だったら、子供達がぞろぞろ入店してきた時点で、危ないものバックヤードに片付けたはず。たか子供自分の腹から産んだくらいで育児エキスパートになどなれるはずもなく。というか、育児スキルなんかほんの一時のもので、幼児のいない暮らしに戻れば、徐々に失われていくものなのかもしれない。過去経験から子供の面倒を見るのは朝飯前と思い込んで孫を危険晒すばあちゃんへの階段を、早くも昇り始めている自分に気づいた。

 とかいうことをAさんに話したら、「そういうもんなんですか!」と驚かれた。おう。私も、ついさっき気づいたばかりだしの。

 21を過ぎたら流石に暇になった。猫が好きなのに猫に好かれないAさんに、猫と戯れるためのコツを教えた。まず猫の方を見ずに座り、不燃ごみになった気持ちで、猫の方から近づいて来るのをじっと待つ。もし猫が人に可愛がられた経験を持っていれば、どんなに不燃ごみみたいにしていても人間人間ちゃん認識しているし、近寄ればエサはくれないまでも背中くらい掻いてくれるだろうと考えて、近づいて来るものだよ、と。「そういうもんなんですか!」とAさん。人間の育成方法は忘れても、猫と共存する方法は忘れないというのも、変な話かもしれないけれども。

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