その時はラブホテルでヤったんだが
相性がよくてなんと二回目会うことになった。
かなり立派なマンション。高給取りなのかもしれん。
部屋で彼と対面。
その時点でお互い興奮しちゃって服を脱ぎ捨てて。
でも何だかそのまま裸でお互いのこと話すことになった。
私はあの日はやさぐれててさ、普段はこんなことしないんだよね~と純情アピールなんかをしていると、彼は言った。
"俺って首締めが趣味なんだよね"
首締め、する人はいるとは聞いていたが実際に出会ったのは初めてだった。
自分は首締めなんかしたこともされたこともなく、興味もそんなになかったので、適当に相槌をかましていた。
彼は首締めが趣味らしく、友達の首の骨がずれるくらいに首を締めてしまい、病院送りにしてしまったらしい。
それを自慢げに語る彼。
いや怖すぎる。
首締められるわ、これ。
怖くなって帰ろうと試みたが、彼は何故か私のことをとても気に入っているらしく、私を放す気はなさそう。
もう逃げるしかない、と思ってた時にいきなりインターホンが鳴った。
というか鳴ったと同時に玄関のドアが開いた。
なんとその彼の母親だった。
まさかの親フラが立った。
すると母親は私の耳元で「早く帰りなさい!!!!!」と叫んできた。母親も怖すぎる。
私が服を着たり荷物を片付けたりしている間、
彼は何をしていたかと言うと
隣の部屋の騒音が気になると言い出してバットで壁を突いていた。本来の意味の壁ドンだな。とか思う余裕もなく、その時は本格的にヤバい早く逃げたいという感情しかなかった。
壁ドンがドンドンドンドン響くなか、私はだらしなく服を着た状態で部屋を飛び出した。
部屋の外には隣人住民たちがいた。
あまりの騒音(壁ドン)に何の騒ぎかと外に出てきていたのだった。
ちゃんと履けていない靴を履き直していると、隣の部屋に住んでるらしき女の人が、
「いつも本当にうるさいんですけどどうなってるんですか?!」
と私に怒鳴り付けてきた。そりゃバットで壁ドンされたら怒るよな。
私はいや知りません部外者なんで、と言い放ちエレベーターに乗った。が、その隣人の女がついてくる。
ずっと私にあの騒音をやめさせて欲しい、いつも困ってるといったことを訴えてくる。正直もう関わり合いたくなかった。
私はエレベーターが着いてすぐに走り出した。確かこのマンションから駅が近かった。私は駅に向かった。こんなに走ったのはいつぶり、というくらい全力疾走した。
さすがに女の人はついてきていなかった。
私は安堵した。駅に到着して家に帰る切符を買っているとなんだか違和感。パッと後ろの方を見ると遠くにさっきの隣人の女がまだ居た。まだ着いてきてた。
本当に何も知りません、彼と会った経緯は…………と赤裸々に全てを告白した。首締めの件も。だから怖いんです。と正直に全てを打ち明けた。
すると隣人の女はビックリしてそうだったの?!と親身に話を聞いてくれた。それは警察に相談した方がいいよね、と言われてさらに怖くなってきた。
全てを話し終えて、本当に怖かったんです、と隣人の女に伝えていると、その女はおもむろに携帯を取り出して電話をし始めた。
「~~~~~っていうことらしいですよ。」
私がワンナイトした男に報告していた。
という夢をガチで見てさ。
起きた時の絶妙なあの感じ、忘れられん。
正夢・・・
なんとその彼の母親だった。 まさかの親フラが立った。 ここが意味がわからない。親フラってなに?