2020-07-20

消えた小説サイト

少し前に話題になっていた「おけパ」ことおけけパワー中島で有名な同人女のはなし、最新話を読んだのよ。同人女③と④ってやつだね。これ、自分にも覚えがある。①や②も好きだけどね、③-④の方が共感性が高かった。そしてその主人公を羨ましく思う。

https://www.pixiv.net/user/32130471/series/87285

  

自分も、昔好きだったジャンルで入り浸っていた小説サイトがあった。ゲームジャンルなのだけど、メジャーではない。でも決してマイナーほどではない供給があった。界隈に数多ある作品の中で、そのサイト小説が一際好きだった。

その頃の自分オリジナル漫画をメインとして据えていたので、二次創作したことがなく、完全なる一介のROM専としてその小説サイトに日参し、更新があれば感想を述べるなどをしていた。思い上がりでなければ、名前を覚えられていたような自負もある。しかしそれ以上の交流はなかった。それに満足していた。彼女を褒め称える場で、自分の話をする必要はないと思っていたからだ。今は少し後悔している。

 

いつしかその小説サイト更新は途絶えてしまう。寂しいなと思いつつ、時折思い出しては小説日記更新がないかをチェック。過去作を読む。その繰り返し。ジャンルも衰退し、完全なる放置サイトと化していたので、油断していたのかもしれない。

数年後、サイトは消えていた。まさかと思った。消えるとは全く想定していなかった。今まで色々なサイトが消えていたのに、なぜその危険に気付かなかったのか。他のサイトが消えてもそれほど大きなショックがなかったからだ。危機感が足りなかった。消えることを知っていたらローカル保存していただろう。何も残っていない。何度も読み返したけれど、断片的にしか思い出せない。消えてから更に数年経った今では、好きだったという感情しか思い出せないのだ。

 

最初のうちはひどく落胆して、それ以上のことはしなかった。けれど月日が経つたびに中毒症状のように読みたくなった。ふとしたワードでそのゲームを思い出すと、彼女小説が読みたくなった。探した。兎に角探した。TwitterWeb検索Pixivサイト名や作者の名前ジャンル名いろいろ組み合わせてみたが、見付からない。相互リンクしていた人のサイトが時折ヒットしたが、そのサイトももはや廃墟だった。今やそれすら見付からない。

作者の一次創作サイトは幸い消えていなかったが、こちらも長いこと更新がない。それでもブックマークしていて本当によかったと思い、そこに書かれていた連絡先へ、ドキドキしながらメールを送ることにした。当時◯◯と名乗っていた者です。あなた小説がまた読みたい、どうか何らかの方法で公開していただけないか。要約するとそのような内容であったと思う。つらつらと長文になってしまったが、失礼がないか再三確認をした。送信後、メーラーデーモンは返ってこなかったが、未だ返事もないため届いたかもわからない。

 

その後も検索をやめられなかった。似たような境遇の人はいいかと探した。同じサイトの作者を探す人の嘆きがあれば、気持ちが和らぐような気がした。しかし見付からない。自分ツイートしか出てこない。好きだったのは自分だけだったのかと錯覚した。そんなはずはない、他と比べるのは悪いが、彼女文章は抜きん出ていた。文の端々が瑞々しかった。記憶が美化されている自覚はあるが、当時の自分を夢中にさせたことは記憶違いではない。好きだった。

 

 

未だに彼女を探している。

もはやジャンルに戻ってきて欲しいのではない。新作を書けだなんて思っていない。あわよくば過去作を再度読ませて欲しいが、それ以上のどうこうはない。新ジャンルを楽しんでいるならそれでいい。

 

同人女③-④に出てくる主人公が羨ましいんだ。

この漫画は一貫して努力が報われる幸せな終わりを迎えているが、自分にはそれがついぞやってこない。努力が足りていないのか。

あの頃、絵を描いていることを伝え、当該ジャンル二次創作に乗り出していたら、彼女と何らかの交流が出来ただろうか。その行動をしたところで、興味を持ってくれる保証なんてないのに。

何も知らずに彼女作品享受していた、当時の自分嫉妬する。

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