結婚式でのアルバイト経験と母子家庭で育った経験から家族の温かさをサポートできる結婚式が大好きになってプランナーを志した。
大して勉強もしてなかったけど、目の前のアルバイトにただ夢中になってたら選考への道が開けて入社できることになった。
新郎新婦とゲストへの価値にこだわって、価格以上の商品を提供したいと考えてた。
当たり前だけど現実は全く違ってた。
ビジネスパーソンとして成果にこだわることは当然。そこに反論の余地はないし、
結果、全社でも上位の成績を出すことが増えた。褒められる機会も増えて、仕事もやりやすくなってきて、会社に貢献できている実感も増えてきた。
いつもいつも、罪悪感でいっぱいだった。
そんな言葉を言われることが増えた。
家や車のように、形が残る訳でもない。はっきり言えば「あってもなくてもいい」
でも、だからこそ、そんな「あってもなくてもいい」結婚式をやろうと思った顧客に対して
誠実に向き合うこと、価格以上の価値を提供すること、こんな世の中を生きていかなければいけない現代の夫婦にウソでもいいから夢を見せてあげること、
そんな風に向き合っていくことができないと、「あってもなくてもいい」結婚式は、「なくていいもの」の烙印を押される日がやってくるのではないかと思った。
理由の上位は「費用が高い」「準備がめんどくさい」「内容が画一的」こればっかり。
「結婚式に費用と時間を使う価値はないですよ」と半数のカップルから伝えられている。
ここから目を背けて、結婚式を挙げるカップルから金を絞り取るのが本当に「現実と向き合う」ということなのだろうか。
違和感に目をつぶり、自分を騙しながら、最高の笑顔で、適切な情報を伝えずに、即決を促すことが「現実と向き合う」ということなのだろうか。
結婚式場の集客構造が変われば、真っ当な競争と、正確な情報を届けられるのではないかと思ったから。
「お前ができるなら、みんなとっくにやってる」「夢ばかり言ってないで地に足つけろ」「だからお前はダメなんだ」
全部、正解だと思う。
でも、自分はそんな言葉を吐く連中にひとつだけ言ってやりたい。
確かに一人でできることは少ないだろう。
でも、少しづつやり続ければ、賛同してくれる人が増えるかもしれない。
コロナのような大きな変化の中で、古い仕組みを変えられるきっかけが生まれるかもしれない。
愚直に、地道に、少しずつ。できることからやってみようと思う。できることを少しずつ、増やしてみようと思う。