とにかく人の出入りが激しい会社だった。先輩いわく出入りが激しい業界ではあるけどさすがに辞める人多すぎらしい。
特にマネージャーが苦手で、たしかに見た目もよく仕事ができる人ではあったけどエグいくらい他人に厳しくて、スタッフが業務中少しでもミスると「死ね」、出勤して1分のスタッフに「死ね」みたいな人だった。
新人のことをとにかくしごきにしごいてメンタルが強いやつだけが生き残るようにする教育方針みたいだけど、今のところ誰も生き残っていない。なので一年中ずっと求人を出している。
入ったばかりの頃、「基本雇ったスタッフほとんど俺が潰してきたからな〜」と自慢げに言うマネージャーを見て、やばいとこ来ちゃったなと思った覚えがある。
人としてどうなんみたいな人は他にもいっぱいいて、
アルバイトできてくれている学生スタッフのことを面と向かって「ゴミ」と呼ぶ人もいた。
すこし気が弱く要領がよくない感じの男の人は標的にされやすく、いつも寄ってたかって何かを言われていた。
わたしはわたしでテンションの上下が激しい女性の先輩に強く当られることが多くてしんどかった。この人自分よりひと回りも上なのにダサいなあと思いながら、どれだけキツいことを言われてもヘラヘラしていた。
わたしが辞めると知ったとたん、「キツく当たることもあったのにいつも笑顔でありがとう」みたいなLINEがきて、やっぱダサいなあと思った。
いつも誰かが誰かに怒っていた。たしかにある程度緊張感が必要な仕事だったから、ピリピリしてなきゃいけなかったんだとは思う。わたしがそれに耐えられなかっただけで。
みんな若くておしゃれで華やかな会社だったけど、長く続けてるのはメンタルが強靭な人たちだけだった。
なにより、自分が怒られることより誰かが怒られているのを見るのがつらかった。人が人をゴミと呼ぶところなんてとても見ていられなかったけど、それを怒る勇気もなかった。
彼らと同じレベルにはなりたくなかったし、近々辞めようと決めていたから、誰かにキツく当られようが怒られようが反省した顔で「すみません」「ありがとうございます」とだけ返すようにした。
入社してすぐ、わたしの直後に入ってきた人に仕事を教えろ(同時進行で通常業務を進ながら)と言われたら、笑顔で一から説明した。
それでも怒られたり嫌味を言われたり怒っている人を見たりするとサーッと血の気がひいて目の前がぐらぐらした。
なんで自分はこんなに弱いんだろうと嫌になった。
そしてある日例のマネージャーに、「やっぱり怒ると動きが良くなるね😊これからどんどん成長していこう!指導中死ねとか言うこともあると思うけどがんばってね!」みたいなことを言われて、なんだか全てがどうでもよくなってしまった。
次の日辞めますと言った。めちゃくちゃ辞めたかったので明日で辞めますと言った。最もらしい理由は用意していたので、スムーズに辞められることになった。
わたしはまだ全然怒られてる方じゃなかったし、ここで辞めるのは根性なさすぎるかなとも思ったけど、もういいやと思った。
実質半年も働かなかったと思う。
辞める日の前夜、なんかずらーと人が集まってきて、メッセージボードみたいなのもらった。部活かよ。
今まで誰かが辞めるとなったら悪い意味で泣きながらとか何も言わずに飛ぶとかだったから、ちゃんと辞めます宣言して辞める人間が珍しいらしい。
いつもクールだった女性の上司がちょっと泣いていた。マジかと思った。
とまあこんな感じで無職になってしまった。辞めて正解だったのかわかんないけど、わたしが根性なさすぎただけかもしれないけど、もう辞めちゃったもんはしかたない。
いやーでも、マジか。マジか〜。
しかも次の仕事決まってないからまあまあ詰みの状況なんだよなあ。
あーあ。
THE うんち
増田が洗脳される前に辞められて良かったと思うのと、威圧されて意見が言えない=弱いって認識は間違ってるので改めた方が良いと思った。