2019-05-13

俺たちは 夢見りあむと夢を見る

どうして夢見りあむに投票してはいけないのか

総選挙が始まってからというもの 俺はそれがただただ疑問だった

その上 夢見に投票することをまるで恥ずかしいことのように語るPもいる

まるで意味がわからない

総選挙間中 ずっとずっと自分なりに考えてみて それでも答えは出なかった

無駄時間を使った気さえする

どうして夢見りあむにガラスの靴を履かせてはいけないのか

どうして数多いるアイドルの中で夢見りあむだけがシンデレラ」になってはいけないのか

かに夢見には何もない

声もない CGもない ストーリーもない SSRSRもない

それどころか本人いわくやる気もない

でも

果たして何も持っていないものは何も得てはいけないのか

だって何も持っていないのは別に夢見だけではないのだ

声もない CGもない 大したストーリーもない SSRもない やる気もない やる気があっても意味がない

そんなアイドル別に夢見だけじゃない

それどころか運営からそも顧みられることのないアイドルは他にも大勢いて 今日という日も陽の目を見ることなく 灰の中に埋もれている

ステージの上できらきらと輝けるのはほんの一握りの 大勢に選ばれたアイドルだけで

そして選ばれるアイドルは もう既に何かを持っている 何もかもを持っている

から俺は思ったのだ

何も持っていない夢見りあむは 灰かぶりたちの希望となるのではないか

七度に渡り繰り返されてきた総選挙で 俺たちはずっと蚊帳の外だった

推しても推しても声がつく どころか圏内に入れることさえできない

担当たちへの申し訳なさで去っていった人もいた

でも多くはもはや何をする気力もなかった

惰性 そして諦念

気力が燃え尽きた灰の中で シンデレラが選ばれるのを見ているだけの日々だった

俺たちはずっと総選挙で誰かのための夢をただ見てきた

でも、今度こそ

今度こそ 自分のために夢を見ていいんじゃない

から俺たちは 俺は 夢見りあむに夢を見た

夢見りあむには何もない

からどんな夢を見てもよかった

夢見が炎上する夢でも

夢見がシンデレラになる夢でも

夢見がクズのまま死んでいく夢でも

夢見が更生し「真っ当な」アイドルとなる夢でも

どんな夢でもいい

見たい夢を見てよかった

そも 俺たちは自由に夢を見ていいのだ

他人の夢を見せられるばかりでなく

自分の夢を 見ていいのだ

俺はやっとそれに気がつくことができた

この後 自分に夢を見た人間をどうするのか、はこれからの夢見りあむにかかっている

そう それは別にシンデレラになった後でもいい

ガラスの靴が呪われていようと その呪いとどう戦うは夢見次第だ

俺たちはただ無責任投票自分勝手な夢を見る

そういう総選挙があったっていいだろ

だいたい シンデレラになりました、から始まる物語があってはいけない、という決まりはない

シンデレラ斯くあるべし、なんてあまりにも無意味過ぎる

いったい誰が 普遍的な「シンデレラ斯くあるべし」を定められるだろう

ただ自分の中の偏屈なそれと一致しなかっただけで 夢見りあむはシンデレラにふさわしくない とまで声高に叫ぶPは それが同じように自分担当に突き刺さることを理解していなくて あんまり可哀想

天に唾を吐けば自分に落ちてくるように 他のアイドルを踏みにじれば 次は自分担当の番に決まってる

決して共有することのできない概念個人的な願望を他人に押しつけても何にもならないというのに

それどころか

夢見りあむに投票している人間は夢見を愛していないとき

笑わせる

俺は 夢見りあむを愛している

燃えるあの子をずっと見ている

できることなら何だってする

夢見の夢を叶える手助けがしたい

それが炎上なら そこに薪をくべたりもするかもしれない

そういう愛し方で 夢見りあむを愛している

愛し方にまでぶつくさ文句を言われる筋合いは正直なところまったく これっぽちも ない

惰性と諦念の中にいて 俺は今までずっと悲しかった

傾ける愛情が報われなくて苦しかった

マジョリティ愛情に踏みにじられて辛かった

けれど

俺は今 今やっと報復手段を得た

もうすぐ総選挙は終わる

これまでで一番といっていいほどの達成感を伴って 尊くも糞みたいな総選挙がやっと終わるのだ

夢見りあむが8代目のシンデレラになれるかはわからない

けれど確かなことがひとつある

俺たちは

俺は夢見りあむと夢を見た

夢見りあむに夢を見た

しか見れない夢を

初めて 自分のために夢を見た

それだけで 俺はもう十二分に報われた

夢見 俺たちの灰かぶり

君がシンデレラガールとなった暁にはどうか俺たちに見せてほしい

見渡す限りペンペン草も生えないほどの焦土と化したデレマス

あるいは

新しい風が吹き込む 見たことがない未来への眩い光に溢れたデレマス

あるいは

もっと別の 想像もできない何かを


俺はずっと 君を見てるから

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