やすりでガリガリと削られる心をどうしようもできず見ているしかできない。
17年前から、私用あるいはちょっとした仕事で、一時期は使ったり使わなかったりして、好きじゃないけどそんなに嫌いにもなれないフォトショップで、
フリー素材の写真を加工しては印刷所が作ったテンプレートファイルのトンボ内、100mm×148mmの範囲、自分がいいと思った場所に素材を配置している。
双極性障害Ⅱ型を患っている私の脳は時々まるで私がそう思っているように死のうとするのだが、
それは双極性障害がやらせていることであって「私が」死にたいわけではない。だから私の脳は何か作業をすると、そういう気がそがれるのだ。
本気でデザインの勉強をしていた訳ではないので「っぽいもの」にしかならないのだけど、
Pinterestを見たり、今風のフォトショ加工記事を見ては、ああでもないこうでもないと画面とにらめっこをする。
本当は印刷所が用意したオシャレなデザインの年賀ハガキをネットで選べば良いだけなのだが、
私の中の「フォトショップを使ってオシャレっぽい年賀状を作りたい」という見栄っ張りの私と、
「何かをしていないとタオルで首を吊ってしまうので何かをしたい」という焦っている私が邪魔をするのだ。
スティーブンス・ジョンソン症候群の疑いがあり、MAX処方だったラミクタールを2週間で半分、3週間でゼロにした。
今とても焦っているので減薬がこのスケジュールだったか思い出せないし、上手く文章化できない。
とりあえず今の私はラミクタールを服用していたときの30%くらいしかパフォーマンスが出ない。
シンクは使用済みの食器が、脱衣場のカゴには洗濯物がいっぱいだ。
加えて、今日のようにばかみたいに暖かい日は布団を干すべきだったし、
家族の誕生日プレゼントを買いに一駅先のデパートまで歩いて引きこもりがちな体を動かすべきだった。
いつもなら風呂に入るのも「明日一日臭いのはイヤだな」という気分で入れたのに、
今はイヤだキライいだと風呂を呪いながらうんうん唸って2日に一度入る。
清潔を保つためには一日一回の風呂、一日二回の洗顔はすべきなのに風呂が面倒で億劫でどうしようもない。
手間を省くためにミノンの全身シャンプーにしたけれど痒みはおさまらない。
風呂に入るのがいやでいやで仕方がないのに、頭をガリガリ掻きながら痒さに悲しくなって唸るさまを客観的に見たら哀れそのものだろう。
洗い物と洗濯物は溜まっているし、気を抜いたら悲しくて死のうとしてしまう。
いまとても仕事が忙しい家族をアシストするどころか自分の世話をさせてしまっているのがつらい。
そういう焦りやしんどさを紛らわすために、フォトショップで年賀状を作っている。
薬が別のものになったり、ラミクタールを再開すれば、良いのか悪いのか判断すらできない今のデザインをやめて、
もっと良いものを作っているかもしれないし、印刷所が用意したオシャレ年賀状にしているかもしれない。