2018-09-17

[] #62-2「アノニマン」

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その当時、俺と兄貴学童保育のお世話になっていた。

臭い一階立ての家に、俺や兄貴くらいの歳の子達が数人。

正直、俺にとっては良い環境とはいえなかったな。

家の中にある遊び道具も古臭くて、コマケンダマとかがあった。

普段、俺が室内でやるゲームといえばコンピューターのやつだったけど、ここには旧世代のすらなかったんだ。

そのせいで、俺はいつも手持ち無沙汰だった。

「すごいなマスダ。もうコマを指のせできたのか」

「ああ、つなわたりも出来るぜ」

兄貴最初の内は戸惑っていたけど、すぐにその環境に慣れたようだった。

俺はというと、一週間たってもまだ馴染めない。

「弟くんも、どう?」

先生差し出したコマを俺は受け取ることも突き放すこともせず、ただ無言で見つめるだけ。

その頃は俺は人見知りが激しくて、どう反応すればいいかからなかったんだ。

「弟のことはほっといてやってください。無理してやらせもんじゃないでしょ」

俺は兄貴にいつも引っ付いてばかりだった。

まだ身内に甘えたい年頃だったけど、親と過ごせる時間ほとんどなかったから尚更だ。

「おい、もう少し離れてろ。俺はこれから新技を開発するんだから

兄貴の方はというと、あまり積極的に構ってくれるわけじゃない。

長男立場から気にかけてくれてはいたと思うけど、自分時間を優先したいときは邪険に扱われることも多かった。


そんな時、俺はいつも近場の空き地で身を潜めた。

誰も俺に気づかない隠れ場所だ。

だけど、あまりいい場所ってわけじゃない。

そこで一人でいると、大抵ネガティブ感情ばかりが湧き上がるからだ。

現在未来、親のこと、あることないこと全てが悪いほうへと考えを傾ける。

俺はそうやって、いつも小一時間ほどグズるのが日課になりつつあった。

だけどある日、それは終わりを告げた。

カカッと参上! 横槍アノニマン!」

よく分からないセリフと共に、彼は俺の前に現れた。

そう、これが俺とアノニマンの最初出会いだ。

「え……な、なに?」

最初の時は、俺はいきなりの状況に引くしかなかった。

まあ、おかげで涙も引いたけど。

オープニングテーマ:「アノニマンのテーマ

歌:バンバントロリー 作曲:ボブ・WEBスター


アノニマン アノニマン どこかの誰か

どこにもいるが どこにもいない

それこそ 彼の個性

奴の目的? 知ったところでどうする

奴はスゴイ? どちらともいえなくない

ただ そこにいるだけ

朝 昼 晩 テキストの海

ボットのよう 必ず言及

アノニマン アノニマン 野次馬根性

ブクマ 追記 やれることはやろう

所詮ただの余興 暇なら君もなれるさ

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