はてなには「これはひどい」タグを付けることで何かマシなことをした気になってる人が多いが、単なる自慰行為でしかないのは明らかだ。「これはひどい」タグを付けることで“ほぼリスクなし”で“自動的”に優越感を味わえるという構造に危険性がある。「ネット上の発言は全世界に公開されていて、全世界から批判されうるのだから炎上は自業自得」などと言って炎上ネタに乗っかる自分を正当化する連中は多いが、彼らは自分のブコメ自体が批判されうるとはほとんど思っていないし、実際ブコメ自体が批判されることはあまりにも少ないレアなケースとなっている。
ニュースや炎上ネタを見ては「これはひどい」とコメント。「俺はこんなに賢いのに世間の連中はなんて愚かなんだ!」はてブとはそういう精神的ポルノ、俺TUEEE、慰撫でしかない。毎日こんなことをやっていると全能感に支配されるようになるだろう。「俺はすごい」「俺は賢い」「世間は馬鹿ばっかり」
タグ付けというのは情報の整理のためには有用ではあるが、物事の複雑さから目を背ける行為でもある。「これはひどい」とタグ付けされた時点でその情報は深くは掘られなくなる。「これはひどい」タグをつけている連中は問題を深く知って真面目に考えようという姿勢を持っているのではなく、お手軽にタグ付けして分類し、物事のあらゆる側面をすべて見切ったと優越感に浸って、自信満々で無敵状態で一方向に突っ走りたいだけなのだ。
そういえばはてなには他のインターネットコミュニティに比べてラノベオタクが非常に多い。ラノベといえばエンタメ小説だ。エンタメ小説といえば怠惰な現実逃避的ロマンを好む読者にとって都合のいい藁人形小説であり、その中でもラノベはさらに人間を簡略化された単純なキャラクターとして扱っているジャンルでもある。ラノベを好む人たちは物事の限界を簡単に見定め、気軽にタグ付けし、幼稚な理屈と雑な論理ですべてを見切ったと思い上がり、すぐ感情的になって爆発する、そんな習性を持ってはいないだろうか。
有無を言わさぬタグ付け、つまり「これは『これはひどい』なのだ!」という思考習慣は人間を堕落させる。たしかにその直感は外れていないことが多い。だが、タグ付けする前に考えてほしい。幼稚な物語を構築あるいは捏造してそれに甘えないでほしい。「これはひどい」というスローガンのもとに思い込みや偏見を助長させてはならない。はてブは幼稚な全能感から卒業すべきだ。
幼稚な全能感っていうけど全員でしょ 謙虚な人などどこにもいない