したいことも欲しいものもない。会いたい人もいない。
捻くれた人、暗い人のように思われるかもしれないけれど、そのような特徴すらない。と思う。
営業職でそれなりに評価されているので(必要がある場合の)対人能力は恐らく普通。学生時代は少ないながら友達もいた。
でも休日、家から出られない。したいことがなにもなくて家でスマホをいじり映画を観て過ごす。その映画もNetflixが私にすすめるさして興味もないもので、観てすぐストーリーのほとんどを忘れる。友人たちと疎遠になっていくのが怖いのに、結婚式の誘いすら断ってしまう。趣味をつくる努力をしてみたけれど熱中できない。
昔々買った服をずっと着ている。食欲もない。お酒も飲まないしたばこも吸わないしギャンブルもしない。恋愛体質でもない。安いアパートに住んで、貯金ばかり増えてなんのために生きているのか分からない、と時々思うけれど、なにか嫌なことがあるわけでも、なにか具体的に変えたいものがあるわけでもない。満足して(しまって)いる。
旅行もしない。人と一緒だとなおさら億劫。修学旅行は仮病で休んだ。卒業式の後のパーティーも成人式も行かなかった。後悔もしていない。
イベントごとは苦手、人混みも苦手で、でも知らない人と話すのは好き。でも数度会って話すとそれでもうよくなる。友人未満で自然消滅。
行けば楽しいかもしれないと思って行った旅行は思っていた通りの楽しさ具合で、早く帰りたいと思った。仕事で行った海外も知り合ったたくさんの人たちも人生観を変えてはくれず、とにかく時間だけが過ぎて、なにを得ているのか、なにを得そこねなにを失っているのか、よくわからずに漠然と不安。不安?退屈?さみしい?と、いつか思うことになる予感で不安?
労せずに得られるインプットだけで生きている自分の浅さがいやなのかと考えた。アウトプットするものがなにもない。話したいこと、言いたいことが特にない。語るべき自分がない。
でもじゃあたとえば休日にフットサルをするとして、そこでできた仲間が、その時間が、私にとって私のなにになるんだろう。ぜんぜんおもしろいと思わない。なにもそんなにはおもしろくない。
でももうすでに、自分が幾何学模様を描きたいわけではないことに気づきつつある。
一体なにが好きなんだろう。小学生の頃は父親が何気なく口にしただけの「将来の夢」を語って、中学の頃は誰のことも好きになれずつらかった。高校の記憶はほとんどない。大学は楽しかったけれど、ずっと一緒にいなくても会えば笑いあって過ごせる「友達」ができて、その関係の気軽さと、学生という身分の気軽さと、それが心地よかったのだと思う。ずっと一緒にいなくてもいい友達とはずっと会わなくてもよくなってしまった。もう学生ではいられない。
anond:20180704200955