ものすごく好きな同人作家Aさんがいた。マイナージャンル、マイナーカプ。作風もすごくニッチ。
私は同じジャンル内の別のカプで同人活動してたけど、ツイッターでAさんをフォローして、熱い気持ちを込めた長文感想DMを送りつけた。
迷惑だったかもとは思ったけどそれより気持ちを伝えたいというのが上回った。
少し経ってから返信が来て、感想がすごく嬉しかった励みになるということが書かれててこちらも送って良かったなと思った。
その後ツイッター上でたまにやりとりをする程度には仲良くなっていった。
その後何度かイベントで会って話したり、本の感想を送りあったりしていた。
Aさんは優しいので別カプの私の本も読んでくれていた。
私もAさんの作品が大好きで新刊が出るたびに熱い感想を送り続けていた。
私はその後しばらく仕事やプライベートが忙しくて、同人イベントに出るのを休止した。
私はイベントには足を運べなかったから通販で買って感想を送る、という形になっていった。
その間にジャンルはアニメが終わり、原作も終了。元々多くはなかったけど、更に人が減っていた。
それでも私はジャンルが好きでオンライン上で絵を上げたり考察したりして楽しんでいた。
Aさんも変わらず萌えツイートや考察をしていたが、あるイベントに出たとき、サークル数がすごく少なくなってきたというツイートをしていた。
人が減ったとは思っていたけどそんなにいないのかと思って悲しくなった。
実際、本当に全盛期の1/10程度しか参加サークルはいないようだった。
そしてその次のイベントでAさんは新刊が全然売れなかった、とのツイートをした。
日常ツイートを見る限り、今回の修羅場は本当に大変そうで仕事をしながらすごく頑張って原稿をしていたみたいだったのでそんなに売れなかったのかと悲しくなった。
その次のイベントで私も復帰した。確かに全然売れない。初動は1/4以下だった。
私はあまり部数重視ではないけど、それでも手にとってくれる人が少ないのは悲しい。人がとにかく減ってるんだなということを実感してちょっと寂しかった。
Aさんのところに挨拶にいった。Aさんは人いないし今回も新刊全然売れないと言っていた。フォロワーの人が2、3人買ってくれた程度だと。
マイナーカプだしニッチだししょうがないですよねと自嘲気味に言っていたのが悲しい。
私は100%好きで買っていて楽しみにしてたし、義理買いじゃないですという意図を伝えて、前回の新刊もとても良かったと話しその場を去った。
ありがとう嬉しいですとAさんは言っていたけど、私1人の感想はもはやAさんを救えないと感じてしまった。
帰ってからいつものように熱く長い感想を送ったけど、語彙力の乏しさから言葉選びはマンネリ化していた。
本当に心の底から最高で、爆萌えな本だったということがどこまで伝わっただろう。
それからしばらくしてAさんはツイッターでオフでの同人活動を辞めると宣言した。
必死に描いても少しの人にしか見てもらえない、意味を感じないと。
私はとても悲しかった。Aさんの絵ももちろん好きだが、長いストーリーになっている、話がしっかりしている漫画という形で作品を読みたかった。
一応、また気が向いたら戻ってきて下さいとリプを送ったがどこまで響いたかは分からない。
その後Aさんはオフでの同人活動を一切していない。ツイッター上で絵を描いて発表している。それまでのジャンルも描いてはいるけど他のジャンルも描くようになった。
私はAさんとの交流の機会がとても減って最近は殆ど話さなくなった。
この間、Aさんがツイッターで「同人活動を辞めたら私生活がとても楽になった」と言っていた。
あの頃みたいなことはもう出来ないと。
確かに正社員で激務をこなしながら同人誌を出すのはとてもとても大変なことだ。
だからAさんが楽になったのならそれは良いことだと思う。
それでもやっぱり寂しい。
私みたいなファンが1人いても、どんなに熱い感想を送っても、どんなに気持ちを伝えても、数の前には勝てないのだろうか。
多分、Aさんの場合はそうだった。
どうせまた戻って来るさ
合わせて読みたい 「同人作家を感想で救えなかった」 https://anond.hatelabo.jp/20180215000937
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