夫婦仲も良好で、悩みや喜びを共有できる素敵な関係を築けていると自負できる。
親兄弟との関係も特に悩みもなく、むしろ自分の母親は自分の娘のように嫁を可愛がってくれている。
自分が知らないところで、二人で仲良くランチと買い物に行くぐらいだ。
正月の親戚の集まりでは、そろそろ精力つけて夜頑張って子どもを作らないとねーと
親戚の叔母や叔父に冷やかされるような感じ。早く子ども作れよといった圧は感じる。
自分も嫁も子どもは大好きなので、親戚の甥や姪とも仲良く遊んだり
世帯年収は、約700万ぐらいなので世代別でいえば中央値より少し上だろう。
贅沢しなければ日常生活にしても、子育てにしても問題ないと思う。
貯蓄もそれなりにしてきているし、仕事も小さい会社ながら安定していると思う。
奨学金の破産者が増えたと騒がれている中、金銭的な余裕がある僕ら。
不安はあるけれど、親として頑張ろうと思った。
「まさか。僕らに限ってそういうことはないはず」とか
「たまたま、成長が遅いだけだろう」と思っていた。
ネット等で調べてみると、妊娠全体の15%から20%ぐらいは初期流産するというのは
ごく当たり前にあることだということ。自分の母親も、自分を産む前に一回自然流産をしているらしい。
次の診察まで10日ほどあったのだが、
産まれなかったら産まれなかったで、まだ金銭に余裕をもって生活できる。
10日後、再診察を経て先生より正式に初期流産だと告げられた。
が、金銭的余裕もそれなりにあるし、
それなのに、俺はなんでだ。
なんで俺はホッとしたのか。
今の生活が壊れるのが嫌なのか。
そうではないはず。
周りはどうだろうか。
周りの知人も子どもがいないのも少なくないし、これといっておかしいと感じない。
結婚もしていない人も多い。
これが異常だと感じなければいけないと思う。
人として。
泣いている嫁を腕枕しつつ、なぐさめている自分はどこか冷めている。
誰か俺を殴ってくれ。