某ミステリー漫画のモデルとなった街に仕事で赴任して1年になる。小学生のころ、親の転勤で4年間暮らして以来、二度目だ。
先日、仕事でかつて通った小学校の前を通った。虐めを受けた過去を思い出した。もう、ドロドロした感情は失せている。
虐めのリーダー格だったY。この街を離れる中1の夏に、仕返しをしようと、小学校時代の連絡網(歳がばれる)で控えた住所へ向かった。そこには、古いアパート。連絡網の号室の部屋のドアを、疲れた表情で帰宅したYの母親が開けるのを見てしまい、シングルマザーであることを悟った。
それを、私は中学の同級生にバラした。Yはその後、疎まれ、高校を中退したことまでは知っている。休日に、何となくその住所へ行ったら更地になっていた。
もう一人、あるスポーツで「神童」と呼ばれたI。隣の席だったので、Yと共謀していろいろとやられた。女子が運動音痴の男子を虐めるのは、いま思うと情けない。
まぁ、神童様が何をやっても見てみぬふりが大人だった。似合わない、ミキハウスの子供服をいつも着てたよ。中学進学で別れて、その後はオリンピック選手とコネが出来たり、中学新記録を叩き出したりと、相変わらず神童扱いだった。
高校進学で、スポーツ留学したのは知っている。そのスポーツで、彼女の名前を聞くことは、進学以降無かった。
なんと無く、勤務先のパートさんに当時の彼女の家のご近所さんがいたから、話をしてみた。虐めの件は話さずに。
進学先に馴染めず、高校で競技を引退。ノイローゼ気味になって、卒業後は実家へ。実家ごと居づらくなって引っ越したらしい。消息不明。現在は、別の方が暮らしているとか。同じく、現地に散歩がてら行ったら、若い家族が暮らしていた。
毒親だったのかと思うと、闇を感じる。シンママの子のYもそうだけど、今となっては、家庭環境から虐めに走ったのは理解する。
それでも、赦す気持ちは20年以上経っても1ミリも浮かばない。仕事柄、親になったと思われる、そいつらの顔を見てみたいと思うが、この街には高確率でいなそうだ。
どちらにしても、早く異動で別の街に行きたい。