仕事のあと馴染みの居酒屋で1人でチビチビやってたら、男女の外国人の観光客がやってきた。珍しい。この店は近隣の企業で働くオヤジ御用達の店なのに。
彼らは翻訳アプリを使い「お寿司かラーメンはありますか?」と店員に聞いた。店員は困ってた。オヤジ居酒屋にはラーメンも寿司もないのだから…。
店員も外国人も困ってた。おれはみるにみかねて、酔いも手伝って話しかけてみた。
「この店には寿司もラーメンもないよ。でも、サシミと天ぷらはあるよ!一緒に食べようぜ!」と。
外国人は大いに喜んでくれた。それを見てたほかの席のお姉さん達は、英語でメニューを翻訳してくれたり、それをみてた他の席のオヤジ達は
「なんだ、外国から来たのか!?じゃあこれ食えよ!美味いぞ!」と分けてくれたり、店員さんも「みんなで写真撮ろうよ!」と呼びかけてくれたり、輪がどんどん広がった。
みんなで身振り手振りや、英語や翻訳アプリでコミュニケーションをとった。
彼らは帰るとき英語で「本当に楽しかった!嬉しかった!いろんな国に行ったけど、こんな楽しかった夜は初めて!本当にありがとう!絶対に俺たちの故郷に来てくれ!ありがとう!」と言ってくれた。
彼らが帰ったあと、残った客や店員さんみんなで「俺らがんばったよな!!めっちゃ喜んでくれてたよな!!!イエーーーー!!」と乾杯した。
彼らは中国から来た観光客だった。俺は拙い中国語で、他の客は英語や翻訳アプリや身振り手振りで、それぞれができることをやって、楽しい時間を過ごした。
4年も前の話だけど、あの時間は本当に素晴らしくて、かけがえのないものだと思う。
半年後、俺は彼らの故郷を訪ねた。そしたらありえないもてなしを受けた。
その飯屋にいた知らない人達が「え!日本人!初めて見た!コンニチワ?」「日本!?遠いところからなんでこんなところに来たの!まあこれ食えよ!」「漢字使えるの!?」「謝謝の日本語はなんて言うんだ?」と、みんな優しくしてくれた。
日本のイメージ変わったと言ってくれた人、日本語勉強始めてくれた人、ドイツ車買わずにトヨタの車買うわと言ってくれた人、旅行先を日本にした人、日本に対してネガティブなイメージがなくなったと言ってくれた人、、沢山の中国人が、俺をきっかけに日本に興味を持ってくれたのはなんだか嬉しい。
こんな世の中だけどさ、こんな時代だけど、こんな日中関係のいまだけど、俺は日本人。俺は日本が好きなんだなぁと考えさせられたよ。
政治と経済と、個々人のつながりは別モノだものね。 中国のひとって、素朴な人が多い気がする(広い国だし端から端までそんなかはわからないけど)まあ、そんなところが、用意周到...