安倍総理が全国に獣医学部新設を認めるとの発言をした。それについてネット上で様々な意見が見られるが、多くは今まで新設されていないことがおかしい、既得権益だ、動物病院の料金が下がるなら歓迎だ、といった意見が多いようである。私は小動物臨床獣医師であり、利害関係者の意見と一括りにされてしまうかもしれないが、モヤモヤしていたので匿名で吐き出したい。
諸外国と比べて、既存の獣医学科の数が極端に少ないということはないようである。
2獣医師会の主張は何か
獣医師の数を絶対増やすなということは言っていない(大阪府立大学の獣医学科の定員数の増加要請をしている)。
既存の獣医学科の規模が小さすぎで必要な教官、スタッフが足りない。従って統廃合が必要。統廃合は地方自治体の反対により難しかったため共同獣医学科という形で取り組んでいる。
獣医学部を新設するとなると既存の大学から引き抜いて来ざるを得ず、これまでの獣医学教育改善の流れに反するのでやめてほしい。
既存大学からの観点と、小動物臨床獣医師からの観点があると思うが、ここでは小動物臨床獣医師の観点から述べる。
獣医学部新設がない状態であっても小動物の獣医師数及び動物病院数は増えている。犬と猫の数もこの間増えているが、その伸びは獣医師数、動物病院数の増加率より低い。緩い競争なのかもしれないが、全く競争がないようなイメージを持たれているように思う。少なくとも私の身の回りの先生たちは全員、小動物臨床が既得権益であるかのような言われ方に首を傾げている。
http://plaza.umin.ac.jp/~vetedu/files/2013kyouryoku09-01-1-.pdf
(平成10年から22年までの12年間に小動物臨床獣医師の数は8369人⇨13271人へと増えている。動物病院の数は9257⇨16200へと増えている。犬と猫の飼育頭数は1659万⇨2147万と増えている。)
4動物病院の数が増えたら料金は下がるか
まず、普通に考えれば動物病院の数が増えれば一病院あたりの来院数が減るわけで、それを補うために1頭あたりの料金は上げざるを得ないはずである。ではどこが上がるか?誰がやってもほぼ同じであるフィラリア予防やワクチンについては値下げせざるを得ないかもしれない。しかし、トラブルのリスクがあり技量の良し悪しが結果に直結する手術の費用は上がると思われる。(例として、過当競争と言われる歯科業界で、自由診療であるインプラントの価格は激安でしょうか?違いますよね、、、?)。手術の費用が上がれば欧米のように安楽死も増えるのかもしれない。それが結果的に良いことかどうかはなんとも言えない。
獣医師の数が増えても良いと思うけれど、
Fラン大学増やして補助金をそちらに流すなら既存の獣医学科に使って欲しい。
政治力使うなら統廃合すすめるほうで発揮して欲しい。
6年かけて大学行って国試落ちて関係ない職業に就くのって本人、親、納税者、誰にとっても特じゃないと思うよ。(大学関係者は留年ビジネスできて得かもね)
文科省は法科大学院制度で大失敗してるから、そんな軽率には動かんよ。そんな心配しなくていいと思う。
獣医師と聞いて犬猫病院しか思い浮かべられないバカの発想からの妄想
わざと大事な点をスルーしているのかもしれないが、 問題は獣医師の数が足りないのではなく、東京では獣医師の数が余っているかもしれないが、四国・その他の地方では公務員獣医師...