2015-08-27

http://anond.hatelabo.jp/20150827160030

妻が感染症内科医なこともあり、子どもたちには任意のものを含めて予防接種を全部受けさせているし、その科学的意義は十分理解しています日本承認される前のワクチン(ちなみに、現時点ではすでに承認済み)を受けに、遠くのクリニックまで子供を連れて行ったこともあります。妻が専門家として判断しているからこそですが、その判断プロセス自分も共有しているし、彼の記述科学的に間違っている主張が含まれていることも分かります

ただ、生命倫理勉強をした黒歴史を持つものとして言わせてもらうと、予防接種強制の是非は、医療倫理的理論上難しい問題を含んでいるし、彼個人を一方的に叩くのは間違っているのではないかとも思います

ちょっと知識をひけらかすようなことを言うと、英米系の国は日本と比べて個人の権利よりも公衆衛生を優位に置く思想を持っています。たとえば、HIV感染があると、性的関係を全部調べあげて関係者調査する。予防接種拒否社会的ペナルティがあったり、入学拒否されたりすることもあります。いずれも日本では考えられないと思います。一方、西ヨーロッパ大陸法の国)は、比較日本と近く、公衆衛生よりも個人の権利重視で、予防接種についても受けないという選択が尊重されるべきという考え方です。

いわゆる英米法大陸法の違いという話ですが、それぞれ理論的には一貫性のある立場であり、簡単に間違っていると言えるようなものではないのです。どっちが正しいとか言うつもりはありませんが、少なくとも片方の立場を元に逆の立場一方的に叩くことができるような話ではありません。もうちょっと突っ込んで言うと、これはリスク評価主観性、そしてそれによるリスク評価多様性をどう社会的包摂するかという問題であり、簡単に答えが出る問題ではないのです。

そういう意味で言うと、彼の予防接種についての知識は間違っているかもしれないけれど、少なくとも大陸法系譜を持つ日本法体系上、それを「虐待」と言うのはおかしいのです。そして、ネットで寄ってたかって批判されているのを見るとすごく悲しくなる。なんていうのか・・・直感的には叩いている人の言うことも分かるのだけど、そこに欠落している法秩序への無理解、ある種の衆愚国家主義とも言える事態に悲しくなるわけです。

・・・・という意見増田あたりで理解されるとは思えないけど、メモ代わりに。

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