妻が感染症内科医なこともあり、子どもたちには任意のものを含めて予防接種を全部受けさせているし、その科学的意義は十分理解しています。日本で承認される前のワクチン(ちなみに、現時点ではすでに承認済み)を受けに、遠くのクリニックまで子供を連れて行ったこともあります。妻が専門家として判断しているからこそですが、その判断プロセスは自分も共有しているし、彼の記述に科学的に間違っている主張が含まれていることも分かります。
ただ、生命倫理の勉強をした黒歴史を持つものとして言わせてもらうと、予防接種の強制の是非は、医療倫理的に理論上難しい問題を含んでいるし、彼個人を一方的に叩くのは間違っているのではないかとも思います。
ちょっと知識をひけらかすようなことを言うと、英米系の国は日本と比べて個人の権利よりも公衆衛生を優位に置く思想を持っています。たとえば、HIVの感染があると、性的関係を全部調べあげて関係者を調査する。予防接種を拒否に社会的ペナルティがあったり、入学が拒否されたりすることもあります。いずれも日本では考えられないと思います。一方、西ヨーロッパ(大陸法の国)は、比較的日本と近く、公衆衛生よりも個人の権利重視で、予防接種についても受けないという選択が尊重されるべきという考え方です。
いわゆる英米法と大陸法の違いという話ですが、それぞれ理論的には一貫性のある立場であり、簡単に間違っていると言えるようなものではないのです。どっちが正しいとか言うつもりはありませんが、少なくとも片方の立場を元に逆の立場を一方的に叩くことができるような話ではありません。もうちょっと突っ込んで言うと、これはリスク評価の主観性、そしてそれによるリスク評価の多様性をどう社会的に包摂するかという問題であり、簡単に答えが出る問題ではないのです。
そういう意味で言うと、彼の予防接種についての知識は間違っているかもしれないけれど、少なくとも大陸法の系譜を持つ日本の法体系上、それを「虐待」と言うのはおかしいのです。そして、ネットで寄ってたかって批判されているのを見るとすごく悲しくなる。なんていうのか・・・直感的には叩いている人の言うことも分かるのだけど、そこに欠落している法秩序への無理解、ある種の衆愚や国家主義とも言える事態に悲しくなるわけです。
やはり我欲が国を滅ぼすのだということがよくわかるまとめ
妻が感染症内科医 今日の釣りワード
アメリカの公衆衛生大学院(public health school)で修士を取った者です。 いつもは釣り記事しか書いていないのですが、はじめて真面目にコメントしてみます。 予防接種の強制の是非は...
HPVワクチンの顛末をみるに、ワクチン行政が不信感を持たれるのはごく当たり前だからなあ いくら科学的知識ガーといっても、当の医者や科学者が嘘を吐くことがばれてしまった以上、...
HPVワクチンこそ「ワクチン反対派は馬鹿」の典型例にしか見えないんだが……
最近の報道もみてないの? これではどうしようもないなあ
でもリスクとメリット考えたら接種一択だろ?
専門家の論説読んでみたらいいよ http://megalodon.jp/ref/2014-0728-0656-49/homepage2.nifty.com/clin_virol/kikan/%8eq%8b%7b%e8%f2%82%aa%82%f1%83%8f%83N%83%60%83%93.pdf
かつてジェンナー博士が牛痘を以て天然痘をこの世から根絶したように、その病気のもととなるウィルスだかを絶滅させるという選択肢があるだろ。
妻が感染症医だのアメリカの公衆衛生大学院だの、見て欲しいのはそこだけなんだろうが、糞中途半端な学歴職歴をひけらかすなやw