2014-07-17

チラ裏

仕事をやめてフリーターになって3年目に突入しているのだが、また以前のように働こうという気が一向に起きない。

辞める時には「しばらく休んで気力が戻るようなら再就職、そうでなければもうどうにでもなれ」という気分だった。

もし気力が戻るとしたら2年くらいかかるのかなー、と、特に根拠もなく漠然と考えていた。

 

実際は3年たってもサッパリだ。

仕事も辞めるまで一様な働き方をしていたわけではなく、比較的楽な時もあれば破綻寸前かちょっと破綻していた時もあるのだが、その中の一番楽な時にさえ帰りたいと思わない。

職場人間関係問題ではない。どこの職場にも派閥があったり面倒臭いはいたが、私自身には皆それなりに親切に接してくれたし、それ以上の事は求めていない。

 

嫌だったのは、職場がどこであれ付いて回る業界全体のブラックさと、仕事内容そのものに起因するストレスである

もし再就職するとしたら、この年だしやはり前職と同じ業種でなければ厳しいと思うが、そうなると自動的に前と同じストレスに身をさらすことになる。

それはもう二度としたくない。少なくとも現時点では。

 

話は飛ぶが、私は小学生の頃に家庭の事情で1年ほど外国暮らして、現地の小学校に通ったことがあった。

から考えれば英語面で多少得る物はあったと思うが、当時の私の主観では、その一年は本当に辛いものだった。

学校先生に言われたことが分からなくて、大事な連絡が親に伝わらず、必要ものを忘れるなど惨めな思いをしたことが何度もあった。

それに加えて、元々運動神経が悪く泣き虫な上に、ろくにしゃべれない外人のガキだ。当然のようにいじめられた。

クラスメイト先生名誉のために言えば、いじめていた奴はせいぜい数人で、他の子は仲良くしようとしてくれたし先生いじめっ子を止めようとしてくれた。

しかし肝心の私が、言葉の壁のせいで上手く言い返したり先生相談したりすることができず、ほとんどされるがままだったのだ。

 

この一年間の経験の後、私は外国というもの全般がとても嫌いになった。

中高生大学生になって友人たちが外国旅行留学などの話を楽しそうに、あるいは期待を込めてするのも、理解できない気持ちだった。

この外国嫌いは結構長く尾を引いて、「旅行で行くなら外国楽しいかもな」と思えたのは社会人になってしばらくたってからである

小学生時の呪縛から逃れるのに、十数年かかった計算になる。

 

この経験を思い返すと、今の仕事嫌いも、もしかしたら回復に十年以上かかるのかもしれない。

だが、十年もろくに働いていなければ、仮に意欲が戻ったとしても、以前のように働くのはどっち道無理だろう。十年後は私も老害と呼ばれそうな年だ。

そう考えると、このままフリーターで行ける所まで行って、あとは貯金を少しずつ食い潰すことになるのかと思う。

一応、辞めるまでの仕事ちょっとした遺産などで貯金はあり、現在までもそれには手をつけずに済んでいる。

 

将来的には今の暮らしを後悔する日が来るのかもしれない。

でも今はこれでいいと心から思う。

仕事をしていた時の、あの常に追い立てられ、明日が来るのが恐ろしい気持ちが無いのは、本当に素晴らしい。

レジの列で前の人が財布を取り出すのに手間取っても、今はイライラしない。5分待って困ることなど何もないと思える。

この主観的幸せが、できるだけ長く続くことを望んでいる。

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