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2013-08-08

http://anond.hatelabo.jp/20130808001515

これ書いてるのはたぶん、夏休みの高給バイトっつーことでよくわからんまま面接受けて、右も左もおぼつかず悪戦苦闘してる女子高生フリーターなんだろうと思うが、かくいう自分も一応”中の人経験者なので、事情を知らん他の人も含めてこの手の撮影商法に関してさらっと説明しておく。

(ただし園内での撮影許可に関しては、手元のパンフに「当園の委託を受けた業者が、お客様撮影を行う場合があります」「入場の際には、お客様など入場者を含む写真が、当園の宣伝その他の目的に使われる事を許諾したものします」などの断り書きがされてる例がほとんどだ。園内はそもそも基本的には私有地であることを忘れんように)


観光地では昔から地元写真館が旅行記念写真撮影もやってる例が多いんだが、今じゃデジカメ携帯電話カメラ機能が高性能化してるしでこのビジネスモデルは徐々に時流に合わなくなり、廃業合併も珍しくなくなっている。まずここら辺の事情は、皆の想像通りだ。


元増田場所では富士フイルム社製のライドフォト自動撮影システムが組まれてるけど、娯楽施設以外で販売されるものでは市販の「写真プリンタ」をRAID的に組むことで見た目の出力速度を向上させるソフト(ご丁寧に、ドングルプロテクト付きだ)でプリントした”写真”を渡す業者もある。

http://www.print-better.ne.jp/story_memo_view.asp?StoryID=6103


で、こんな写真を買う人がいるのかって?いるんだよ!そうでなきゃ、自分もとっくに食いっぱぐれてる。具体的な納入先を挙げると、企業学校旅行老人クラブ(年金友の会)、各旅行代理店ごとのパック旅行ツアーでの団体撮影がメインだ。

撮影機材だが、昔は6x7のブローニーフィルム周遊前に撮影・即座に現像して焼付けし、宿泊するホテルロビーまで出張して販売していたものだが、最近撮影からプリントまでフルデジタルでたったの3分無線LAN経由で、キヤノンニコンデジタル一眼で撮影純正トランスミッターを使用してデータ転送がおこなわれる仕組みになっている。

・・・要はつまりガジェット好きな大半のはてなー諸君には、「いらんわ」と言われるだろう商売なわけだ。


ここでひとつ、疑問が浮かぶだろう。「撮影デジタルカメラなら、なぜデータを売らないの?」。

自分も一度そう思った。やってみりゃいいのにと。

ところがそこからは、ウェブシステム系の構築や保守、といった壁が高く立ちはだかる。今まで培ってきた記念写真販売ビジネスノウハウは、そこにはまったく通用しない。

具合の悪いことに、写真ビジネスに関わる人間というのはみな、どこかガンコなところを抱え、しかも年齢が高い人がそう少なくない。したがって、機材のデジタル化に対応できずに絶滅した業者が多いわけだ。

(ただしスタジオアリスなど系列写真館では、「一定期間経過した後に」などの条件で撮影データ販売もしている。もっともこの辺は、ストロボ貸衣装などの撮影器材を常時稼働できるようメンテナンスしている分の人件費も込みのコスト、と考えたほうがいいだろう)


このため、近年の30代未満の旅行者がおそらく求めている「物質としての写真不要ブログにきれいアップロードできるデータがほしい」といったニーズに、当の記念写真撮影業者側が対応し切れていない、という妙な状況に陥っているのだ。

いっそのことウェブストレージビジネス提携すれば話も早いのに、と自分は感じてしまう。


ただしビジネスとして考えた場合は別で、旅行の際にお金自由に使えるのは、現状では高齢者が圧倒的だ。

だったら、彼ら向けに写真を売っていればまだ”延命”できる、と考えてしまうあたりがこの業界悪弊というか、限界を見る思いがする。


※2015.Apr/06th 追記:

ブコメにも記しておりますように、このエントリの著者は id:guldeen であります退職したタイミングからこそ言える事というものも、世間にはあります

 
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