2016-09-03

情報系の学科に通っています」の人へ

私は某大学情報科所属しています

情報科増田さんが何かと話題になっていますが、専門を同じとする学徒のひとりとして、僭越ながら2冊ほど本を紹介したいと思います

本で勉強をするのが辛いという方に本を紹介するのも変な話でありますしかしながら、いずれの本も手を動かしながら学ぶというスタイルをとっており、情報科増田さんにとって有益なのではないだろうかと思います

つまるところ、読んでわからないなら創ってみればいいじゃないという提案をしたいと思います。もちろん全く読まずにいると手を動かしようもないのですが、ある程度読んでわからなくなったら取り敢えず創ってみるという選択肢があると勉強捗るのではないでしょうか。

とにかく何か創れというのも抽象的でありますから、そんな精神を全面に出している本をご紹介させて頂くことにしました。

どちらの本もOSより下の階層の内容に関することが含まれていますある意味定番な本でありますから既にご存知かもしれません。


CPUの創り方

https://www.amazon.co.jp/CPU%E3%81%AE%E5%89%B5%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%81%9F-%E6%B8%A1%E6%B3%A2-%E9%83%81/dp/4839909865

黒いゲジゲジさんや抵抗、コンデンサーなどを使って、CPU作成します。本書ではハンダ付けで組み立ていますが、ブレットボードでもCPUを組み立てることができます

CPUを創る」こんなパワーワードが他にあるでしょうか。合コンで「おれはCPUを創ったんだぜ」なんて言えば、伝説になれるかもしれません。私は常日頃からこのパワーワードを発射する機会を探っているのですが、未だそのような機会に恵まれておりませんし、これからもあるとも思えません。情報科増田さんに限らずはてなーの皆様に於かれましては合コンにおける効果の是非を試していただきたく存じます

CPUコンピュータの中核を担う大切な要素であり、その役割は与えられたプログラムを実行するというものです。プログラムだかなんだか難しそうですが、この本におけるプログラムはそんなに大層なものではありません。単なるスイッチの組み合わせです。

要するにこの本ではたくさんのスイッチの切り替えにより、色々な挙動を示す何かを作ります

そんな機械のどこがCPUなのだと思うかもしれません。しかし、そのスイッチパターンこそ当に我々がプログラムと読んでいるものであり、そのスイッチに従って所定の動作をするというのはCPU役割のものなのです。

ディップスイッチ表現した0と1のプログラム特定意味を持ち、それにより特定動作が実際に実行されるというのを見ると心を大きく揺さぶられるはずです。

たぶん…。


ただ、忘れていけないのがお金の話。

私はブレットボードやその配線キッドといった商品も合わせて購入したので、本の内容を試すためには2万円ほどのお金を費やしました。(ちなみに部品リストは本書に書かれていません。しかし、Googleで本のタイトルや「TD4」などの言葉検索すると沢山の情報が出てきます。)

テスターも良いのを揃えたいなんて欲望を持つと合計で数万ほど飛びます

もし部品を揃えようと思ったならば、ネットを使って集めるというのが確実な方法です。ですが、秋葉原まで出向いて揃えるのもいいかもしれません。秋葉原を歩きまわり9種類のゲジゲジや各種部品を集めていると、玄人っぽい雰囲気を醸しだすことが出来るので個人的にはオススメです。

この本において作成するCPUは、知らない人からみるとなんかLEDがピカピカ光っている機械しかありません。電卓のように大層な機能があるわけでもなく、せいぜいがラーメンタイマーであります。正直なところ、数万円かけて電卓にも負けるようなCPUを創ってどうするのかと言われると返答に窮します。ですが、知識を得るための勉強代と思うと安いのではないかなと思います



コンピュータシステム理論実装

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%81%AE%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%A8%E5%AE%9F%E8%A3%85-%E2%80%95%E3%83%A2%E3%83%80%E3%83%B3%E3%81%AA%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9-Noam-Nisan/dp/4873117127/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1472831764&sr=1-1&keywords=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0

この本では文字で書かれたプログラムが、現実世界に影響をおよぼすという一連の流れを手を動かしながら学ぶことが出来ます。前の本と異なり、ソフトウェア(*1)上でコンピューターを作るという形になります制作場所が画面の外側ではなく内側であるという違いこそありますが、基本素子からコンピュータを組み立てていくことには変わりないので参考になるかと思います

本書は大きく2部に別れています。1部目でバイナリコード(0と1のプログラム)を実行できるコンピューターを作ります。2部目で本書で提供されるJack言語(いわゆる我々の考えるプログラム言語)をバイナリコードに変換するためのコンパイラを作り、さらにJack言語OSを作ります

最後に、OSコンパイラに通してコンピューターに読み込ませて簡単ゲームを動かしてみようというものです。

この壮大な内容が1冊の本にまとまっていますシンプルにまとまっている反面、ややもすると説明不足だと思うかもしれません。

そんなときオンライン上でビデオ講義を無料にて受講することができます。(ただし、現時点で公開されているのは1部目の内容だけです。)

https://www.coursera.org/learn/build-a-computer/

ただ、注意点があるとすれば言語英語しかないということです。私は英語苦手マンなのでスライドの図に全神経を集中させています。それだけでも、意外なほど言っている内容を推測することが出来ます

さらにこのビデオ講座を図書館で受講することで、周囲に威圧感を与えることができます



この2冊の本はどちらも10年以上前に書かれた本です。古臭いとか思うかもしれません。けれども、書かれているコンピューター基本的な考えや構成は今もなお現役です。言い換えると、その長い時を超えても不変である根本知識が記されています

それでは、情報科増田さんにとって今後の方針の参考になれば幸いです。


ここまでダラダラと書いて今更なのですが、はてなという戦場においてこのような上から目線アドバイスを書くことに、若干の恐怖を抱いております情報科増田さん、CPU警察さんおよび、コンピューター警察さんの皆様に於かれましては、何か誤った記述などがございましたら火炎放射器を持ち出す前に、ご指摘をくださるようにお願いたします。


(*1):http://www.nand2tetris.org/software.phpから無料インストールできます

  • 大上段に構えすぎ。 誰もそんな内容についてこれないし意義も見いだせないだろう。 なんで情報系が回路設計やらないかわかるか?必要ないからだ。 シリコンウエハーの精製だってわ...

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