2024-05-09

味噌汁位置についての関西関東の論争について思ったこ

日本料理場合

左手前に飯を盛った茶碗、右手前に味噌汁もしくは汁物を置き主菜をその奥に置く関東作法に対し、

左手前に飯を盛った茶碗、左奥にに味噌汁もしくは汁物を置き主菜右手前に置く関西作法との文化的衝突がここ最近はてな界隈話題となった。

私自身は関東の右利きの人間だが、右手前に味噌汁があるのは食べにくそうなので関西式に味噌汁は左側(左奥もしくは左手前の茶碗の更に左側の手前)に置いて食事をしてきた。

しかし今回の論争を見て、あえて関東式とされる右手前に味噌汁を置く方法食事をしてみた。

よく言われている「右側に味噌汁があると主菜(おかず)を食べようとして味噌汁をこぼす」という事はなかった。主菜に箸を伸ばすことについて、右手前に味噌汁があることは特に障害とはならなかったのである

普段関西式の場合との違いは、味噌汁を飲む時に発生した。

関西式に左奥に味噌汁を置いた場合味噌汁の椀を取るのは左手のみであった。

関東式に右手前に味噌汁を置いてみると、自然と腕を取るのは両手になったのである。箸を持っていない左手と、箸を持った右手の小指側掌底で椀を持ち上げ、腕が口に着く直前で右手が椀から離れたのである

噂に聞くところによれば、江戸時代以前まで首都であり文化の中心であった京都を中心とする関西圏では主菜が充実しており、食事は飯+主菜をメインとして左手前に飯、右手前に主催があって、脇役たる汁物は左奥であった。

一方関東では、江戸町人食事は朝晩は茶漬け、昼は一汁一菜でありと言われ、昼の味噌汁主菜であった。

あえて関東式の配置をしてみた時に自然と現れる椀の両手持ちは、まさしく「有難や有難や」と主菜たる味噌汁を両手で持ち上げる仕草なのではないだろうか。

アジア料理場合

さて、和食の例を離れて、中華韓国朝鮮料理ではどうなるであろうか?

これは簡単である汁物の椀を直接手に持って飲むのは日本独特の作法であり、町中華レバニラ定食や、焼肉屋ハラミ定食などで登場する中華スープ韓国朝鮮スープ蓮華朝鮮匙で飲むものである。だから当然のことだがスープは利腕側(一般的には右側)にあった方が良い。

町中華のセットの場合

ラーメンチャーハンのセットではどうなるべきであろうか?

店によってはラーメン汁物と考えて右側に置くが、これについては「汁」「飯」という発想から離れ、単純に器の高さから判断するべきであろう。

まりラーメンの丼よりもチャーハンの皿の方が低い。利き腕側に低い器があった方が圧倒的に食べやすいので、右利き基準で考えれば右に炒飯、左にラーメンがあるべきなのだ

もちろん、左利きの人の場合は逆である

CoCo壱におけるダイバーシティ

ココイチに行くと、あることに気付く。必ずカレーが手前、奥がライスになるようにカレーライスが置かれるのである。そして客は無意識のうちにそれを45度回転させてから食べ始める。

利き腕側をライスにするとライスの消費が早くなり、最終的に比較的少ないライス比較的多いカレーによって濃い味で食事を終える事になる。

利き腕側をカレーにするとカレーの消費が早くなり、最終的に比較的少ないカレー比較的多いライスによって淡白な味で食事を終える事になる。

ココイチが客に対してカレーライス境界線を水平にするのは、右利きと左利き差別しないダイバーシティ精神があるのではないだろうか。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん