2023-07-26

天皇戦争責任論争を思い出す

小学校の頃、朝な夕なに吐血下血のニュースを、ご丁寧にその量(○ml)まで見せられる時期が暫く続いた後、昭和64年がほんの数日で終わった。

日本人太平洋戦争を思い出すことになっている8月がくる頃には、「昭和天皇戦争責任はあったか」という議論があちらこちらで語られていた気がする。大して新聞も読まなかった子供記憶だが。当然そこには、「なんで死んでから語るの? 生きてるうちに語らないと本人にもいろいろ聞けなくない?」という批判はあった、と思う。子ども心に「まったくその通りだな、死んでから語るのは卑怯だよな」と思いつつ(当時から新聞は嫌いだった)、やっぱり天皇には遠慮してしまものなのかと、個人的にはあまり感じたことのない天皇の威光の強さに驚いていた。

 

で、ジャニーズである

これはマジで死んでから断罪してもダメじゃね?

死んでからしか声を上げられないほどの影響力だったんだろうけど、お陰でさまざまなことが闇に葬られてしまった。

罪の総体量も、それを誰が認識していて、誰が積極的隠蔽していて、起用する側(芸能界テレビ局)がどれだけ認識していたのかとか。

 

個人的に一番もったいないと思うのは、彼の動機目的を知ることが二度とできないことだ。

ジャニーはもちろん自分欲望のために加害を繰り返していたんだろうが、目的は本当にそれだけだったのだろうか。

彼の加害への反応によって、その少年の何らかの才能を見出し、あるいは見出さず、そうして少年アイドルになれるか仕分けていた可能性はないだろうか。

 

一般男性アイドルファン女性であり、女性ウケるためには、性的対象となる魅力を持っていたり、あるいは母性本能をくすぐるような可愛げを持っていたりする必要があるだろう。

あるいは腐的な妄想掻き立てる何かを持っていることもウケる要素になるのかもしれない。

そういった「色気」のようなものを、加害によって引き出そうとしていた可能性はないだろうか。

 

ジャニーズ事務所は男性アイドルを生み出すことにかけては他の追随を許さない、抜きん出た力を持っていたことは確かだ。

もちろん男性アイドル生産を寡占する事でメディアへの影響力を強められたから、という理由もあるだろうが、

ジャニー少年アイドル性のポテンシャルを見抜く力を持っていたのも間違いないと思われる。

彼の加害が、その見抜く目と不可分なものだとしたら、我々消費者は加害によって生み出されるもの享受していたことになる。

 

しかし我々はジャニーという犯罪者の「死に逃げ」を許してしまったため、上のような仮説を検証することはもうできない。

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