業務の無駄なタスクを消滅させたら、チーム内に無能社員が何人も発生してしまった。
チーム内でタスクの棚卸しをした。その結果、成果にあまり影響しない文書作成のタスクが大量に存在する事が判明した(背景として納品文書の厚みが契約額xx万円につき1cm必要だった時期があったらしいが、電子納品になってその文化が消滅した)ので、当時の顧客担当者に相談の上で全部やめることにした。また一部単純な作業については自動化出来そうだったので、ツール類を整備して実のあるタスクに集中できる環境を揃えた。また価格についてはその分を品質に反映してくれればとのことで、寧ろ増額となった。
無駄なタスクの削減と同時に教育の整備も行った。社内に教育関連の仕事をしている部門があったので、そこと協力して初級〜上級、リーダー向けとカリキュラムを作成し一部はeラーニング化もしてチーム内に展開した。
無駄なタスクは数年を掛けて激減したが、教育はうまくいかなかった。その結果、実力に対して過大なタスクを割り当てられて工数を消費するだけのマシーンと化した無能社員が発生してしまった。そしてリーダーは無能社員の介護に追われることになり、品質と顧客満足度はあがったもののリーダーの負荷も爆上がりすることとなった。教育のテコ入れをしようと社内の教育関連部門に再度相談したが、『人の素養は鍛えられるが、素質は鍛えられない。この業務は素質の影響する部分が大きいように思えるので、採用を頑張った方がよいのでは?』との回答だった。今いる無能社員と新卒が独り立ちするまでの負荷はどうするんだよと思ったが、とは言え専門家がいうことだしある程度は正論なのだろうなと思って引き下がった。
自分達の行いによって品質には直接影響しない面倒な仕事を引き受けてくれる便利な社員を工数消費マシーンにしてしまったが、無駄なタスクの削減自体は顧客との関係維持のためにいずれはやらなければならないことだったと思っている。しかし現在のチーム内の業務分担は明らかに偏っており、まだ給料が安く自分より職位が上の先輩の介護をする必要がある若手のリーダーを中心に不満が高まっている。また社内失職した社員も不安を感じているようで、指示された仕事をこなせない自分の無能さがストレスですという愚痴も聞こえるようになってきた(そう思うなら勉強してキャッチアップして欲しい)。また上司からも明らかに働いていない社員を何とか出来ないかと言われてしまった。アサイン先のリーダーに確認したところ、当該社員に依頼しても時間の無駄なので議事録作成以外の指示を出しておらず、議事録も議論内容を理解できていないのかそれらしい文言が繋がっているだけで修正に時間を取られすぎるのでもう他の人に作らせたいとのことだった。
本音を言えば社内失職した社員を他部署で引き取ってもらい優秀な人材+これから育てる新卒でやっていきたいが、権限も都合の良い受け入れ先もみつからず途方に暮れている。