業界内では暗黙の了解なのだが今年はかなり目に付くようになったので書いておく。
今全国で都道府県大会が行われている「吹奏楽コンクール」。小学生から社会人(一般部門)の団体まで悲喜こもごもの様相が繰り広げられているが、今年はその大人達が集う「一般部門」のとある傾向が一気に悪化している。
吹奏楽コンクールははアマチュアの大会なので「職業音楽家」、いわゆるプロの人は演奏側としては参加できない規定があるが(可能なのは指揮者としてのみ)、一般部門ではその職業音楽家の人が隠れて参加することがある。
目的は、正規団員の数と質が足りない団体がそれを補うためである。
このような「偽アマチュア奏者」として出てくる職業音楽家は、音大や芸大を出たものの音楽の仕事に恵まれない層である。プロのオーケストラや吹奏楽団に所属している人が出てくることはなく(出てきたらバレてしまうため)、時折そのようなプロ集団にエキストラで参加できるかどうかのレベルの人がコンクールにも「エキストラ」として参加してくることがある。もちろん音楽の仕事だけでは飯が食えないので、彼らの多くはコンビニバイトとかとセットで食い扶持を稼いでいる。
コロナ禍の影響で、一般部門の団体の多くが人数減という状況になっている。理由は、一般部門の団体の正規団員は医療従事者やエッセンシャルワーカーの割合がかなり高く、課外活動の自粛を未だに強いられている人が多いこと。またその様子を見てる他の団員も結構な割合で活動から離れてしまうことの2つ。
もちろん新規メンバー募集も強くかけているが、「いつも一緒にいる人以外との交流を自粛」が言われているいま、コンクールに出るために必要な人数を揃えるのは至難の業。
そうなると、必然的に「売れない職業音楽家」を集めてコンクールに出ようという動きになる。少ない正規団員から1人あたり数万円以上の出場費を徴収し、売れない職業音楽家達へのギャラを用意して、彼らをエキストラとして招聘してコンクールに出る。もちろんバレたら失格なので、表向きは正規団員の体である。コンクールに出るためにはメンバーの現在の勤務先をエントリーシートに記入して提出する必要があるが、そのような職業音楽家は上述の通りほぼ間違いなく何らのバイトを掛け持ちしているので、そのバイト先の企業名を書けば吹奏楽連盟側のチェックは通ってしまう。
今年のコンクールの一般部門はそこまでやって出場を果たしている団体が結構ある。中には10人以上の職業音楽家を集めてきた団体もいる。
吹奏楽コンクールはアマチュアの大会ではあるが、このように社会人(一般)部門は、「売れない職業音楽家」のセイフティネットのような側面もあることは知っておいて欲しい。
上手い人が何人かいても優秀取れるようなものでもない ところで吹奏楽コンクールはプロの指揮者はいいんだよな? 指揮者で団体の完成度がかなり変わってくるけど
プロを雇ってまで出場する素人のモチベーションはどこにあるのだろう? 門外漢には、コンクールでだけプロに参加してもらうことに楽しさを見出せないのだけど。 たとえば俺の草野球...
通りすがりのプロ野球ファンです。 吹奏楽は野球のようにポジション間の流動性が高くなく、よそからコンバートできるケースはかなり少ないのです。。 野球はアマでも「普段は外野だ...
あ、主たるパートをエキストラにやってもらうことはまずない。ギャラの問題で直前(だいたいコンクール2~4週前)にしか集まれないので、主たるパートは正規団員に任せ、エキストラ...
anond:20210809090546 の続き。 一般部門の東関東大会で、団体名つきでエキストラとして出場したというのをツイッターで暴露してしまった事案が発生した。 https://imgur.com/a/gxCLmYt この人は...