ドラマで技能実習生や留学生の就労をテーマにした話をやっていて、昔に感じていた疑問や違和感がまた膨れ上がっていった。
5年前、地元で技能実習生が買い物をしているところを見たことがある。
クタクタになったツナギを着た東南アジア系の人達が10人くらい、黄色の腕章を付けて偉そうな人に連れられてスーパーを歩いていた。
他の人の迷惑にならないようにとかで、ちゃんと整列して歩いていたと記憶している。その様子がまるで軍隊の行進のようだったと強く印象付けられた。
どう見ても自由に買い物はできそうになかったし、他の買い物客はみんなして、異様なものを観察するようにチラチラ見ていた。
何で同じ人間なのにこんな思いさせなきゃいけないんだろう。あの時から日本に住む外国人に対する考え方が変わった。
でも、世間は自分が思ってるような感覚を持って無かった。コンビニや居酒屋では、外国人バイトを日本人が怒鳴りつけたり、その人の話す独特なイントネーションをからかったりする。
誰のおかげで日本がギリギリやっていけてるのかも知らずに。その人たちが私たちの知らない言語で、どんなことを考えているかも知らずに。
時々そんなことを日本人の同僚に話してみたりもしたけど、そんなことより自分の飯を食うので精いっぱいだろって言われた。その時の仕事机には山積みの紙の束があった。
あれから今になってようやくドラマでこんな国おかしいよねって話をしてくれた。けど、私がたまたま5年前にあの行進に出会っただけで、歴史はもっと根深かった。
さっき「技能実習制度 歴史」で検索したら、外国人技能実習制度 30 年の歴史と今後の課題というタイトルのPDFを見つけた。その見出しを見ただけでもう吐き気がした。
30年も前から、日本人は海外の人を労働力だと思っていたのか。いや、恐らくはもっと昔から、戦争が起きた頃や、そうなるずっと前からそういうことが起きていたのだろう。
PDFの内容はここでは伏せる。見たい人だけが見ればいいと思う。ただ、「今後の課題」というタイトルがつけられている以上、この制度が消えることはないという胸糞悪い内容でしかないことだけは説明しておく。
日本ほど、知れば知るほど嫌いになっていける国は無いと思う。
そもそも、ドラマというお茶の間のエンタメになってしまえる自国の闇ってどういうことなんだろう。