2020-03-07

眠れないおたまじゃくし

下駄文。



恋なんて面倒くさい。


恋は嫌いだ。

ただただ鬱陶しくて面倒くさいだけ。


恋愛感情なんてものは一時の気の迷いなのよ」とは私がこの世で1番好きな作品涼宮ハルヒの憂鬱に書かれていたセリフだ。

正しいと思ったし、恋愛感情に振り回されて本当にやりたいことをやらなくなった人をたくさん見てしまったために、絶対恋愛なんてしないと誓った。

両親にも、頼むから結婚とか子孫とか期待しないでくれと伝えたほどだ。

近年、結婚した友人を何組も見てきた。

結婚した友人たちはとても幸せそうであった。

ただし私にそれは幸せの頂点に見えた。

結婚はゴールではない」誰もが耳にするお決まり言葉だが、見てきた結婚式は全てゴールにしか見えなかった。

ゴールしたらその後は?

ゴールした後に目指すものなんてあるのか?

目指すもののない人生には暮らす意味があるのか?

充実しているのか?

趣味を通して繋がった友人たちだが、結婚してからもうしばらく会っていない人たちも多い。

趣味も行っていないのだろうか?

あれだけ本気で取り組んだ時間を置いていくのだろうか?


恋は嫌いだ。

から私は誰の事も好きにならない。


異性とは距離をおいた。

誤解をされても困るから「好き」という言葉はどんな状況でも異性には言わなかった。

ディタッチも無し。

お酒の場でも、どれだけ酔っ払っていても徹底して異性との接触を避けた。

恋や愛について人が話しているのを聞くのも嫌になった。

いつしか、人との強い繋がりを全て避け、インターネットに繋がりを見出すようになった。

インターネット上にいる名前も知らない誰かたちは、恋だの愛だの、もっと面倒くさい政治だの宗教だの語らなかった。

ただ永遠に下らない話をして、好きなアニメゲームの話をして、笑ってるだけで時間が過ぎ去るそんな人たちだった。

しかし、数年経ち、その人たちが恋や愛の話をしていることに気がついた。

徐々に恋や愛や恋人結婚やと話題が増えていったようだ。

書いてないだけで恋をしていたのだ。

何か裏切られた気分だった。特に約束とかしてないけれども。

恋愛話以外にも、インターネットの発達、万人が使うようになってからというもの、私の理想インターネットは消え去ってしまった。


インターネットも嫌いになった。


孤独を感じた。


本心の状況とは裏腹に、趣味として行っていた活動は徐々に成功していった。

友人も増えた。

しかし、本心からの付き合いはしなかった。

会場での付き合いだけ。

他に遊んだり飲んだりはしない。

そんな選択をした。


正直、嫌になった。


楽しいから始めた活動が楽しくなる時も増えた。


生きてても楽しくないって思う時さえあった。


そんな時に君は現れた。


最初は避けた。

みんなに対して距離を置いていたし、君は異性だ。


しかし徐々に話すうちに、君とずっと喋っていられる気がした。

それはずっと喋りたいという思い、願いにすぐ変わった。


それって恋じゃん。

ある日気が付いた。

声に出した。

涙が出た。

恋なんて面倒くさい。

恋は嫌いだ。

そう言ったはずなのに。


君が別の子と話しているのを見た。

お酒の場だった。

付き合ってはいないはずだが、仲が良さそうだ。

ディタッチしたな。

知らない人だけど、無性に腹が立った。

同時に焦った。

誰かとこれからすぐ付き合ったら。

嫌だ。それは嫌。

せめて気持ちは伝えておきたい。

すぐに告白をした。

日程を取り付けて、それまでにも何回も会って、いい感じと言っても良かったのかな。


「今は誰とも付き合ったりする気はないから、ちょっと無理かな」


OKではないがそれはつまり暫くしたらOKなのだろうか、いやそれとも肝心な本心を何かはぐらかしているだけか、いやでも何だろうそ微妙な表情は、私ではダメ理由が他に何かあるのだろうか、というかつい先週もうこれはいわゆる脈ありみたいな発言あったがあれは何だったのですか。

色んな思いが頭をよぎったが、君の考えを大事にした。


恋なんて面倒くさい。


その後何度も会っているし、これまで通りに喋っている。

機会があれば私が君を好きだと分かる発言もしている。

君が私と共通の友人たちと遊んでいるってツイートを見かけた。そこに私はいない。

私が告白したことを知っている子もいる。

私がそこにいないことに苦しくなった。

告白しなければそこに呼ばれたのかな。

そんな考えがずっと繰り返しよぎって悲しくなった。

羨ましいって嫉妬してる私自身が嫌いになった。

どうしたらいいのかも分からなくて普段飲まない度数の強いチューハイを飲んで。でも眠れなくて。涙が出て。


恋なんて面倒くさい。


もう断られるのかなって思って来月、2人きりで飲み行くように誘った。

OKだった。

ますますからなくて、どうすればいいのかも分からなくて、でもチャンスがあるならなんとかしたくて、君にいいよって言われたくて。


恋なんて面倒くさい。


私をこんな思いにさせる君はなんなのだろう。

ひたすらにかき乱されて。

夢にまで君は出てきて。


恋なんて面倒くさい。


こんなに苦しいならやっぱり

恋は嫌いだ。


付き合ったところで、その後どうなるかも分からない。

万が一結婚したらそれはゴールだから、その後何をすれば良いのだろう。

何も前は見えないのに、付き合ってもないのに考えてしまうね。面倒くさいな。


恋なんて面倒くさいよ。


恋なんてしたくないよ。


今も強めの缶チューハイ

おいしくない。眠れない。


眠りたい。


恋は嫌い。


でも君が好き。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん