「痴漢に安全ピンで対抗」の件

2019-05-27

　巷で話題になってる「痴漢に安全ピンで対抗しよう」の件。

　私の考えを言う。

「やめといたほうがいい」

　以上だ。

　かつて痴漢に遭遇して安全ピンで撃退できたことのある貴方。

　私はその行為を別に否定はしないし犯罪だとか過剰防衛とかつもりは全くない。

　運がよかったね。

　ただ、その成功体験を元に他人をけしかけるのはやめとけ、と言っている。

　痴漢ってのは、安全ピンでチクっと刺したら自動的に消え去る存在ではない。ゲームじゃないんだから。

　少なくとも意図的に犯罪をしでかす程度には倫理観の壊れた奴だ。

　どの程度頭がおかしいのかは完全に運。逆上して更に暴力を振るってくる可能性はゼロではない。

（正確な確率？　しらんよそんなの。ただ、そういうやつは実在すると言っている）

　しかも相手はまず確実に自分より体が大きく力も強い。

　相手の実力や頭のおかしさの程度を完全に見極められることが出来て、かつ、刺しても大丈夫と判るのであればやってもいいかもしれんけどな。

「痴漢に安全ピンで対抗することは正当防衛」

　だから何だよ。あなたは「殺人鬼を刺しても正当防衛だから刺し返せ」とかいうタイプですか？

「安全ピンを構えるのは周りが誰も助けてくれないという絶望から生まれる行為」

　そうですね。

　で、その結果犯人に逆上されてさらに酷い目に遭っても誰も助けてくれない、見て見ぬフリをされる絶望は誰が助けてくれるんですか。

「被害者の多くは子供なんだから安全ピンで身を守っても良いと伝えるべき」

　子供だからこそ一人で得体のしれない犯罪者へ反撃するようにけしかけたら駄目だと思いますけど。

「痴漢をすると安全ピンで刺されるかもしれないという認識が浸透すれば痴漢への抑止力になる」

　逆上して更に暴力を振るわれる恐れのある方法をけしかけるのって、抑止力のためにはアリですか。

　その結果更に暴力を受けても、そんなのは例外で、そんな例外を気にしてても抑止力のためには仕方ないですか。

　そんなのごく稀で極端な例外だから、抑止力のためには我慢しないと駄目ですか。

　私はそのための貴重な犠牲とでも言うのですか。

　被害者を矢面に立たせない対応策もネットの集合知の力で既に提示されてますよね。

　これを読んで、何年も前にこういうことを知っておきたかった、と思いました。

　これを知っていればもっと冷静な対応がとれたかもしれないし、今なおフラッシュバックに襲われることもなかったかもしれない。

　こういう対策も提示されている今、あえて安全ピンのような危険な案をけしかける意図は何ですか。

（繰り返しますが、貴方が過去に安全ピンで痴漢を撃退できました、という成功体験を持っているとして、そんなのは全く問題にしていません。

　ただ、新しく、そんなリスクのある手段を他人に勧めるのはやめといたほうがいい、やめてほしい、と言っています）