これから話すことで、自分も軽率だったことは百も承知だが、吐き出させて欲しい。
まさかの再会に自分も最初は喜び、しかも住んでいる場所が近所だということもあって、その場のノリで連絡先も交換した。
だが、いつまでも送られてくる自分語りに、今では後悔している。
頻繁にLINEが届くが、内容は「いま起きた」とか「これから昼飯食ってくる」といった自分の身の回りの報告ばかり。
現在はアルバイトで生計を立てていると聞いていたので、あちらは時間に余裕があるようだった。
だが俺は業務時間内。プライベートでの連絡をある程度は大目に見てくれる職場とはいえ、返信ばかりしていられない。
しかし久々の再会が嬉しくてはしゃいでいるのかなと思い、その時は「仕事に集中したいからあまり連絡されると困る」とやんわり注意した。
今度は自分の好きな作品や登場人物についての語りだ。アニメやマンガは自分も見るけれど、他人の趣味嗜好はハッキリ言って興味がない。
適当に相づちを打っていると、どんどん語りメッセが送られてくる。
途中で我慢出来なくなり、スマホの電源を切った。あとで電源をつけたらLINEだけでなくFBにも大量のメッセージが届いていた。
内容は全て自分語り。読むのも面倒なため、メッセージを開くだけして無視した。
後日、再会した飲み屋で仕事相手を接待中、偶然そいつが来店した。
さも当然のように輪に加わろうとする彼を慌てて止め、仕事中なんだと伝えると「めんどくせぇな、じゃあいいよ」と不機嫌に返される。
このあたりで「こいつなんかおかしい」と思い始め、距離を置きたいという旨を伝える。
しかし、ほとぼりが冷めた(と向こうが勝手に思っている)ころ、またしても自分語りのLINEが届き始める。
もしかしたら、あちらは距離を置きたいというのも冗談だと思っているのかもしれない。
「バイト先で学歴自慢するやつがいるんだけど滑稽にしか思えない。頭は良くても精神はガキ」(彼の最終学歴は中卒)
「俺は童貞だが、金を払ってまで女を抱きたいと思わない。童貞も守れないやつは何も守れないんだよ(笑)」
「俺は自分以外の全ての存在が嫌い。だけど一生懸命生きている人は尊いとは思う」
他にもあるが、昨日来たのはだいたいこんな感じの内容だ。
ハッキリ言って中二病の気もかなり感じられる。
中学を卒業して10年経つというのに、いまだ中二病から抜け出せていない奴と付き合うのは正直しんどい。
「もう連絡してくるな」とハッキリ伝えて全ての連絡手段をブロックするべきなんだろうが、通っているお店が同じだと再会の可能性が非常に高い。
距離を取るということは多少の犠牲を払うということ お店はあきらめたほうがいいな