自身がアラサーだった頃のパソコン体験は、常にOperaというブラウザとともにあった。
どこ情報だったかは全く思い出せないが、多分、日本語パッチが出て間もない頃からの付き合いなので、Opera最強伝説が出始める前からだったことは間違いない。
とにかくタブがクール、ページの読み込みは勿論、戻るボタン押下時のアクションまで超速いと来ていて、当時メジャーなブラウザはIE一強で、あとは微妙にモサいFirefoxくらいしか選択肢がなかった中では、文字取り神ソフトだったと言っていい。
それを支えている核にあるのが独自レンダリングエンジンとか、もう痺れたね。
無論独自だけではダメで、尚且つ乗り換えを決断するくらい性能的にイケてないと見向きもされないが、コイツはPrestoの名に恥じない素晴らしいパフォーマンスだった。
てかPrestoの前のElektraから十分速かったが、Prestoになって更にターボがかかった感じ。しかも速さだけでなくAcidTestでもIE等を差し置いて好成績の常連とかヤバい。
さすがは俺達のOperaだと、当時は本気で思ってた。
それが変わったのは読者諸兄もご存知の通り、Chromeが登場してから。
まさかIEを押しのけて気がつけばブラウザのデファクトですよ奥さん!
Operaについては、もしかしたらOperaがかっさらう未来もあり得た「美味しいところ」を、Chromeに一切合切持って行かれる結果となった。
これはOpera社が商売下手というより、Microsoftを本気で潰すつもりだったとしか思えない、Googleの戦略が天才的過ぎたのだと思う。
そしてOpera社からアナウンスされた、レンダリングエンジンのBlinkへの乗り換えとPrestoの更新終了。
それでもしばらくはBlinkになったOperaを使っていたが、素のChromeよりも遅くなったため、結局Chromeに乗り換えて現在に至る。
Chromeの性能はどんどん良くなり、もはやこれを超える性能の独自レンダリングエンジンを開発することはほぼ不可能だろう。
たとえ開発できてもすぐに追い抜かれ、追い抜かれたあとは負け通すことが容易に予想できてしまう。
「速くて表示もイケてるブラウザ」なんだからいいじゃないかって?
まあね、その意味でOperaが復活する必要はない。ないけど、でもChromeで快適というのは自分が望むことじゃない。
別に判官贔屓ではないのだが、「ブラウザだけは世界一凄い」みたいな方が面白いじゃん。
でも、現時点では開発リソース的にとてもじゃないが独自レンダリングエンジンを作ることは不可能と、これは去年日本人のCEOがどっかでインタビューに答えていたはず。
まあ相手はGoogleだから、どうしたって慎重になる。技術的にも政治的にも長けていないと労多くして実り少ない結果にしかならないだろうし。
独自レンダリングエンジンが搭載されたら早速Vivaldiを使うつもりでいたので、残当とはいえ、がっかりしたのも事実だ。
一方で、Opera社もPrestoをオープンソース化するつもりはないようだ(そりゃ会社にとっては一文の得にもならないだろうからまあこれは仕方ない)。
というわけで、最強厨は一応引退ということにして久しい今日このごろ。
Presto終了から気がつけば5年。遠くに来たもんだ。
Chrome、どんどん性能低下してもうダメじゃん。 やっぱり今も昔もFirefoxなんだよ。