勉強とは何か、何のためなのか、何かいいことがあるのか、どうやってするのか。これがわからなくなったことのある全ての人へ。
まず、勉強は「技能の習得」「概念の習得」の二つに分類できる。
「勉強をする」と聞いて大半の人が思い浮かべるのはこっちだろう。問題を解くために勉強する。テストの点を取るために勉強する。資格試験に合格するために勉強する。絵の描き方を勉強する。必要な目的を満たすため必要な技能を習得する。
大事なのは、意味を理解している必要なんてないってこと。例えば数学のテストなら、何書いてるか自分でわかってなくても求められている答えを書けばそれで正解する。意味がわかっている人との差はない。もちろん理解が必要なこともあるし、それなら必要なだけ理解すればいい。
人は、物自体を認識することはできない。何を見るときも概念を経由している。自分の知らないものは認識ができない。そんな「世界を認識するための概念を習得すること」が勉強だ。あるいは「認識の壁を破壊すること」と言ってもいいかもしれない。人一人に見えている世界には制限がある。その制限を壊すために勉強をする。
「勉強」をそんな二つに分類できたが、もちろんこの二つはお互い影響し合っている。実際のところ全く「概念」を理解せずに「技能」を習得することは難しいだろう。「技能」の習得という作業なしに「概念」を手に入れることは難しいだろう。
しかし、この二つは別のことだ。概念の勉強だけでは技能は付かないし、その逆も同じ。重要なポイントだ。
『勉強をするときは「技能と概念のどっちが目的で」「今はどっちを勉強しているか」。これをしっかり意識しよう。』
・「なんで勉強しなきゃいけないの?」
技能の習得と概念の習得でだいぶ意味合いが違う質問だ。技能の習得はどうだろうか。テストの点とか。いい大学行っていい就職先が欲しいならそりゃ勉強するべきだ。他にも、役に立つと思うならやればいい。技能を習得するだけの勉強なんてただのコツだし、そんなのが壁になって生き方が制限されるのは損だぞ。
概念の習得はどうだろう。こっちが色々難しい。この「勉強」は、それなりに生きる上で根本的にはいらないものだ。具体的に役に立つことはなかなかない。そして、楽しいことでもない。目的は知らないことを知ることだ。知らないものは自分にない概念なので、怖い。わからない。つらい。でも、する意味はある。思うに、これは一つの手段だ。例えば本を読むだけなら、誰でも手軽に、いつでもいくらでもできる。それで見える世界が少しだけ変わるのだ。もしかしたら、何もしないよりは楽しい世界が見えるかもしれない。たとえ見えなくても、役にも立たなくても、その勉強すること自体が生きる手段になってくれるかもしれない。楽しくなくても。
・勉強することって何を選べばいいんだろうか?
概念を勉強しろって言われても、何を勉強するのさと思うかもしれない。選定基準はこの辺だろうか。
「やりたいこと」「興味があること」「面白いこと」「役に立つこと」
なかった?勉強したいこととかない?
ならよかった、上記の基準は全部忘れてください。新基準がこちら。
「やりたくないこと」「興味がないこと」「面白くないこと」「役に立たないこと」
ここから選んでね!
知ろうと思う範囲に基準を持つのは制限にしかならない。その上で行動できる人間ならいいけど、「興味ないから」って言った結果として何もしないでしょキミ。なら、その制限を取っ払おう。ほんの少しでも興味を持てたらそれでいいし、なくてもいい。もちろん興味があるならそれが一番強い。
・ランダム性を持とう
知っていることだけ知っても勉強にはならない。知らないことを知るべきだ。
でも、知らない概念はそもそも認識できないので、選定候補にできないというジレンマがある。じゃあ、どうやって知らないものを選ぶのか?学生ならすっごい簡単だ。学校行くじゃん?興味ない授業があるじゃん?たまにはその授業をまともに聞いてみよう。これで知らないことを知れた。
学生以外でも、たまたま目に入ったものについて知ってみよう。目に留まった本を、手に取ればいいのだ。そういう意味では本屋と図書館は最強。
全てを自分から「勉強」にして、認識の範囲を広げていく。楽しい楽しくないを理由にして選ばない。こう書けば、生きる手段としての「勉強」、それなりにありな気がしてこない?
もちろん、概念の習得に絞る必要はない。自分は頭が悪いから…、英語は読めないから…、絵は全く描けないから…。技能がないことで、無意識に壁ができているかもしれない。
もし興味が少しでもあるのなら、いやなくても、その技能習得してみない?
・おわりに
勉強なんて世界を認識する一手段でしかないし、世界なんて認識する必要もない。
でも、自分の認識できていない”何か”が壁になって、そのせいで何もしないよりは、ひょっとしたら楽しいかもしれない。
それなりにやっていこう。