山本さんはステマ問題について、媒体、PR会社/代理店の次はY!に矛先を持っていったか。自分はステマ横行の状況について、Y!と同じぐらい、カネを出す広告主の志の低さが大きな原因の1つだと思っているけど、広告主がヘソを曲げては業界正常化も危うそうなので山本さんには引き続きそこはスルーしていただきたい。それはともかく、この問題について山本さんの一連の記事は良く書けてると思う。
Y!の強さはニュースだったし、今もそう。なので、コンテンツホルダー =新聞社、出版社などにもっと金額還元して優遇しておけばよかった。最大で月間40億円は原資として用意できたはず。(うろ覚えですがY!ニュースは月間40億PV・RPM1,000円ぐらいはあるでしょ。) コンテンツホルダーも食えてるのであればここまでステマがはびこることも無かっただろう。勿論、そうだったとしてもステマ根絶は無理だったとは思う。ネットはいろんなものを横並びにするので価格下方圧力が強く働くし、コンテンツホルダーは紙が減少するために経営への打撃があるので、やはりステマに手を染める可能性は高い。でもY!からそれなりの価格でコンテンツ調達して貰ってたのならば、ステマ露見によってY!から絞られる恐怖はもっと強かったはずで、今よりはずっとステマは少なかったろう。
そうしておけば、Y!ニュースにしてもスマホの波を受けてキュレーションアプリが隆盛してきてもこんなに慌てることは無かった。新聞社は「キャッシュ」ができるスマートニュースに当初とても怒っていたが、「Y!と同単価で買うからいいでしょ、1,000万DLまで読者を増やせばPVが配給するしY!への牽制にもなりますよ。」と説得され、結果的には転んでいる。PCの世界ではY!ニュース対抗で1,000万読者を集めるのは無理だったけど(実際、MSNニュースがもがいたが失敗した)、スマホでは1,000万DLはたった1年で20-40億円程度の広告宣伝費で達成できたのだ。 しかし、Y!のコンテンツ調達価格が高ければそもそもその額を出せるスタートアップはなかったので相当に状況は違ってたはずだ。
Y!が大胆に金額還元できなかったのは、長らく社長を務めていた井上さんが常識的ビジネスマンで、単純にビジネス判断として費用を増やして利益を削りたくないということだったろうし、その背景として株主ソフトバンクやUSのY!に利益の一部を安定的に差し出さないといけない事情が大いに影響してただろう。ソフトバンクはその悪名高いY!BBの強引な拡販の裏返しではあるがブロードバンドの低廉化に大いに貢献した主役であり、ネット業界の発展を大いに進めた功績がある。でも、収益においてY!Japanに親孝行さを求めて手足を縛ることで間接的にネットでコンテンツの世界が荒れることを放置してきたとも言える。
自分はソフトバンクやY!を叩きたいわけではない。とにかくネットの世界では「ステマ」を排除するという正常化が進んで欲しい。ネット以外のメディアの世界ではもうどっぷり酷いのもあると思うけど、ネットはずっとマシに出来るはず。能力、パワーがあるプレイヤーには襟を正して、頑張って欲しいと願う。
原因も何も明確な法的罰則がないのが唯一にして最大の理由だろう。 ステルスマーケティングが横行していない国の多くが、ステルスマーケティングに対して刑事罰を科している。 業界...