ガキの頃はバブル時代で、テレビCMを見れば豪華なセットをバックにバンバン音楽が流れてて、レコード屋には縦に細長いシングルCDにその音楽を収録したものが大量に並んでて、そしてそれが今週は100万枚売れました、とかそんなニュースが流れてた。
そんな中、すげえ、って音楽を創り出す人に巡り会った。
どんなときも を聞いたのはもうずいぶん昔。
小遣いも少なかったのでレンタル屋に行き、返却を待って借りたのを覚えてる。
それ以降もアルバムは全部聴いている(買ったのは半分くらい)。
現実にありそうな風景の一部を綺麗に切り取れる歌詞作りはマネしたことがあるけど、あんな表現は絶対に出来ないと諦めた大学時代。
Time to count downとかテレビCMで聞いた記憶があるが、好きになったのはシティーハンターとかのエンディングで使われるようになってからだろうか。
勉学に勤しみ音楽とちょっと離れてた時期に解散のニュースが流れ、すごくショックを受け、CDを全部買ったりしたのを覚えてる。
そのすぐ後に聞いたNights of The Knifeにも衝撃を受けた。なんなんだこの曲は、と。頭をハンマーで殴られたくらいの衝撃を受けてそのままバイクで走り回り警察に止められたのもいい思い出だ。
木根尚人のオールナイトニッポンを聞いていたのは今となっては黒歴史だろうか。
初めてその存在を認識したのはBlack or WhiteのMVで、深夜のテレビ見てたら流れてた。
なんとも不思議な雰囲気で、そこから情報収集したら過去に聞き流していた曲も彼の手で書かれてたと聞いてびっくりした。
This is itのライブに行きたいと思ってた頃に急死したニュースに触れ、映画館でその動画を見、悲しくなった。
ASKAのパワフルな声とCHAGEの繊細なメロディが大好きだった。
二人のライブツアーの様子をNHKがBSで流してて、それをビデオに録画した映像を何度も何度も繰り返して見た。
1万人の来客の前で、圧倒的な存在感を示す2人。
いつの日かこういうステージに自分も立ってやる、と心に決めた。
逮捕された途端、みんな手のひらを返したように離れていって、楽曲はCDショップから姿を消し、メディアから消えていった。
時折入る情報はすごく断片的で、離れていったみんなが心を落ち着かせるためのくだらないニュースだったりして。
本人に罪はあるかもしれないけど、楽曲に罪は無いと思いたい。
そして僕は、たぶん人並み以下だけど、それなりに頑張ったけど、残念ながらそういう才能は皆無で。
じゃあ勉強を頑張るか、という気にもなれず、そのままずるずると就職してみたものの、すごく納得出来ないものになってしまって。
そんな中、いつの間にか、YouTubeやニコニコ動画のような場所が出来て、みんなそこで才能を発揮して楽しんでる。
昔取った杵柄じゃないけど、僕にも出来るかな、って思ったけど、やっぱり僕には才能が一切無くって。
じゃあ仕方無い、諦めるか、って思ってたら、いつの間にかそういう「才能を守る」側に立っていた。
この日本という世の中は、一度失敗するともうその場所には戻れない。
でも、才能を持っている人がその才能を活かせないというのは、その人にとっても、世の中にとっても、すごくもったいないことのように思える。
そして、僕は、偶然にも、そういう人を守ることが出来る力がある。
だから僕は、本当に才能ある人は応援することに決めた。それは、みんなに言わせればただの独善偽善に見えるかもしれない。
でも、それは、みんな、一度失敗した人に対して死ねとだけ言っているだけで、その人がその後寿命までどうやって暮らせばいいかの提案は一切無い。
あえてゲスい言い方するけど、才能をオカネに変えることが出来るのは、本当に一部の人間だけ。
そしてその才能がオカネに変わるというのは、その才能をほしがる需要もそこに確実にあるということ。
ASKAさん。