2014-07-22

宿題代行サービスニュースを見ていとこのことを思い出す

ドリル一冊5000円とかで宿題代行してくれるサービスがあるそうだ。

確かに共働き家庭が増えて、親が子供宿題の面倒を見る時間がなくなったという要因があることを考えれば、こういうサービスが出てくるのもわからなくはない。

ふとそこで思い出した。

私も子供の頃、いとこの宿題を代行していたということだ。

私には2つ下の従妹と1つ上の従兄がいた。

その二人はあまりお勉強が得意でなく、一方私は小学校中学年のころから塾に通い、中学受験をした人なのでそこそこ勉強は得意だった。

受験である小学6年と中学3年の頃を除いて、毎年夏と冬には父方の実家帰省し、従兄妹と一緒に盆暮れ正月を過ごしていた。

年の頃が近かったので遊ぶのもいつも一緒で、割りと仲が良かったのだが、勉強に対するスタンスは全く違った。

小学校三年生になるころには2つ下の従妹は全く学校勉強についていけなくなっていた。

益田ちゃん、教えて」と言われたので、算数ドリルの解き方や国語の読解問題の解き方を割りと丁寧に教えてあげた。

ヒントを出しつつ教えていけば最終的には解けるのだが、学校の基礎ができていないので、ドリル1ページを仕上げるのにも一時間近くかかる(これは私が素人小学生からというのもあるのだろう。プロ家庭教師ならスイスイ教えるのだろうけども)

勉強嫌いの従妹は当然次にこう言う

「めんどくさいから益田ちゃん全部やって!」

確かに私もいちいち教えるよりは自分でやってしまったほうが早いし、遊びにも行ける。でも、親から宿題自分でやって当たり前のもの」と強く言われて育っていたので戸惑いがあった。

今なら、従妹の親(私にとっては叔母さん)に本当にいいのかと聞きに行っただろうけど、小学校五年生の私にはそんな知恵はなかった。

とりあえず、従妹の言うとおり全部のドリルを終わらせた。

ふた学年下の問題集だけども、良い復習になって自分自身のためにもなったなー、と感じた。

もちろん私がドリルをやっている間、従妹は祖父母に買ってもらったゲームピコピコ遊んでいた。だから勉強ついていけなくなるんだよ、と白い目で見つつ。

夕方になって叔母が様子を見に来た。

従妹は「宿題終わったよー!益田ちゃんが全部やってくれたの!」と嬉々として報告している。

「せめてそれは隠そうよ!私まで怒られるよ!」と思ったのだが、次の叔母の一言

「あらまぁー!すごいわね!益田ちゃんありがとう!」

という感謝だった。

てっきり怒られると思っていたのに感謝されたので拍子抜けだ。

私は「え?いいんですか?私がやったら従妹ちゃんのためにならないのに…」と言うと、

「いいのよー!このこはどうせ出来ないんだから!」とあっさり返された。

この親にしてこの子あり、だ。

一応感謝の印としてお小遣いをもらったが、言ってみればこれが宿題代行サービスってやつなんだろう。

そんな感じで毎年夏と冬には私にとってはお勉強復習フェアが開催されていたわけだが、

そんな従妹も社会人になった。

私が三十路なので、まぁそこから2つ引いた年齢だ。

で、彼女が今何をしているかというと、専門学校を出たあとうかつにもブラック企業就職し、体と精神を壊し、二年ほど家事手伝い(いわゆるニートだ)になった末、

年収250万の派遣社員として働いている。

性格は明るくて悪い娘ではないのだけど、派遣先正社員と付き合うも正社員が転勤になる度にポイ捨てされるの繰り返し(要するに遊び相手にしかしてもらえない)で、

こんな年収生活できるわけもないのに(もちろん一人暮らしなどせずに実家に住んでいる)、誰かと結婚して養ってもらえるわけもなく、

資格を取得してキャリアアップしようとしても、

先述した通りのオツムなのでどうにもならない。

三十路手前にして人生が詰みつつある。

宿題代行サービスに頼るのもいいけれど、宿題程度ができないような頭じゃろくな大人にはなれないよ、とサービスを頼む親たちに伝えたい。

まあ、見方を変えればずっと実家にいてくれる可愛い娘、なのかもしれないですけど…。

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