2014-05-18

ASKA版『夢の中へ』 たる『共謀者』『ブラックマーケット』という名曲

みんな『SAY YES』だの『YAH YAH YAH』だの、大喜利ネタがいかにもありきたり。確かに『SAY YES』とか『僕はこの瞳で嘘をつく』は汎用性高いけど。

ということでファン歴5年(つまりほぼ新参だけど)の俺が、ASKAの曲の中で、薬物疑惑と絡めて聴くと味わい深い曲を紹介します。

それが『共謀者』と『ブラックマーケット』。

どちらも1997年ソロアルバムONE』に収録された曲。

共謀者

自分達を犯罪者になぞらえて、もう後戻りは出来ない、俺たちはひとつに結ばれちまってるぜ、このまま進もうぜーと歌い上げる。

今聞くともう、薬物中毒でありながらCHAGEandASKAにとってなくてはならない存在であるASKAが、CHAGE事務所人間に語りかけてるようにしか聞こえない。

もう出だしが良い。

びくびくするな 顔を変えるな

何もなかった そのままでいい

誰も思わない 聴かれもしない

すべてを認めるな

今まさにこんな感じなんじゃないんですかねえ。

これに続く、

手抜かりは掃いて捨てるほど

あるにはあったさ

それでもここまで潜り抜けてきたさ


というフレーズも実に香ばしい。バレかけたことあったのかも。

というかそのときに書いた曲という可能性すら(ry

サビの

Nothing will ever change.We are the ONE

とか、CHAGE事務所人間が今聞いたらどんな気分になるんだろうと思う。

とりあえず俺は本当にこれぐらい開き直ってほしいと思ってる。

一番目のサビはそうでもないんだけど、

二番目のサビがいい。

Nothing will ever change. We are the ONE

俺たちの鐘の音がどこかで鳴るはずだ

鐘の音意味深


Cracking open the cage. Close to the line

俺たちはひとつ名で結ばれちまってるよ

ケージ(直球)

開けるんですか。

いや、実際にはあけられないんだけど。クラックっていうか多分ただの保釈だけど。

そして、それに続くフレーズがこの曲で一番強烈だと思う。

だってまあ、CHAGEandASKAだもんね……J-WALKとかラッツと違うもんね……ふたり名前堂々と載せたんだもんね……。

そりゃCHAGEもいまさら抜けられねえわ。

ブラックマーケット

今日もたくさん売りましょ もっとたくさん売りましょ

Ah みんなこっちだよ 素敵なとこだよ

出だしド直球

不良品でも並べます あしたは場所を変えます

Ah みんなこっちだよ 他人同士さ

電波になって 秘密になって 汗の出所も消えてます

汗の出所と来た。

結局は尿でしたけどね。

これはBメロだけど、2番Bメロはこんな感じ。

楽しんだ人が勝ちです 怒った人が負けです

(略)

口を汚すケーキのようなもんだよ


納得する人は少ないかもしれないけど、この曲、何か詞の調子が『パラダイス銀河』とかの頃に戻ってる。変な敬語で。

これを歌ってる光GENJIとかアリだと思いますどうでしょうか。

で、サビ。

みんなで行こう 仲良しこよしで行こう

ここは世界ブラックマーケット

裸足で行こう 行こう 行こう

何にそんなうきうきしてるんですかねえ。

この曲、詞がシニカルな分、メロディをポップにしたとASKAは語ってたんだけど、もう残念なぐらいマッチしてる。

そのピークがやはりこのサビ。


極めつけはCメロ

ブレーキなんてありませんから 好きにどんどんやりましょう

どんなもんでも揃いますから やりっ放しでやりましょう

刺激好きですジャパニーズ

ブレーキなかったんだね(悲嘆)


一部週刊誌では渡英したときに薬物を覚えたとされてたけど、この『ONE』こそはASKAソロアルバム唯一のロンドンレコーディング

本場でキメてはしゃいでたんですかね。

と。こんな感じで、将来きっと『夢の中へ』に並ぶことになる名ネタ曲だと思う。

でもってそれ抜きでも名曲から、みんな聴け。この機会に。


最後に言っておくと、

ASKAの詞はだいたい、クスリ決めながら書いたとか言われても仕方ないぶっ飛び方のものが多い(実際キメて書いてたの曲があるのか、それがどれなのかはもちろんわからん)。

コード進行も笑えるぐらい複雑だし。

薬物騒動を面白がってる初心者はどれ聴いてもげらげら笑えるはず。

まあそういう奴らを全員殺してやりたいけど今は我慢してやる。


他に味わい深い曲を聴きたいやつは、

『kicks』に入ってる薬物について直接言及してる『kicks street』を抑えるといい。

後は、最近の曲である『いろんな人が歌ってきたように』とか『birth』を聴けば良い。

2000年代後半以降のASKA輪廻転生だとかめぐりあわせだとか宗教じみた思想を取り入れた末に、「すべては愛なんだ、君も認めたっていいだろう」と繰り返す地獄に踏み込んでた。

『いろんな人がうたってきたように』がその極北。年食った後の曲にしては喉の調子トップクラスなのが憎らしい。

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