ただの思い出話。
いまはモラハラという言葉が浸透しているが、当時はまだなく、そのため周囲の友人知人に説明のしようがなく
社会的には悪くない仕事をしている配偶者にたいして不満を感じることそのものが悪いことだと感じていた。
この手のひとは、自分も被害者と思っているので(出来の悪い妻の被害者、仕事を手伝ってくれないパートナーの被害者)
自分にも悪いところがあるかもしれない、相手の話を聞こう、という引っかかりがなく、話し合いにならない。同じ土俵にのれない。
求めていることが高いというより、その時々で求めるものが違う、脈絡がない要求をしてくる。
食器は定期的に買い替えるものだと言われ、突然、フォーク、スプーン、ナイフをすべて捨てた。
しかしそんなルールは聞いたことがない。自分が買った食器一式にしたかったのかもしれない。いまだに理由はわからない。
どうせお前はオレの妹の悪口をいっているんだろう、と突然言われたこともある。
普段まったくかかわり合いのない人に関しては悪口どころか話題の片隅にも登らない。
私が夫の妹の悪口を言っていると、私は出来の悪い妻ということになるから、彼にとって都合が良かったのだと思う。
自分が知っている情報をわざと隠し、私を右往左往させて、もし私が達成したらほめて「あげる」、私が失敗したらそれみたことかと馬鹿にする。
結婚するまでは友達もうらやむ、自慢の、それまで付き合ったなかで最高の恋人だった。
それが結婚したとたんに配偶者を人生の伴侶ではなく、モノのように扱うか、家族カーストの一番下におく。
または家族の外。家族とは自分の両親、兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者達。
無意識だから指摘のしようもない。そういうのもモラハラの特徴だ、ととある本で読んで腑に落ちた。
私は専業主婦をやめ、アルバイトをはじめたので仕事先で普通の人付き合いがあり、首になることもなく仕事も続けられたため
自分が特別劣っている訳ではないと感じられた。
だから正気を保てたが、この記事の人は外とのつながりがなさそうなので心配になった。
あるとき、彼の事業が芳しくない、と言ってきた。原因は彼の両親(創業者)が二重帳簿をつけていたためだった。
将来の家の購入のためにちょっとは貯金あるし、気にしないで仕事に専念するように、と言ったりしてた。
私ももちろんストレスはあったが本人には伝えないようにしていた。
彼はこのとき3ヶ月間無給だったのでその間は私の稼ぎで生活していたのだが、
ある夜、私がアルバイトをしていることにより夫の事業が傾いた、と言われた(怒鳴られた、家のなかに荷物をぶちまけられた)。
彼曰く、私がバイトを優先して彼のことを支えなかったのが事業が傾く原因だったのだと。
家が汚いと。仕事にやる気がでないと。彼が一人暮らしのときより数段きれいだったが。
その時に「妻にあたるとは夫として一番してはいけないことをした」と離婚するように言われたが、できなかった。
結婚して半年後には別の女性がいたらしい。その女性と結婚できないのは私のせいだったらしい。
私の独身時代の貯金で買物をしたら、結婚したら妻のものは夫のもの、お前は勝手にオレの金を使ったと言われた。
真顔で言われたので反論しなかったがこういうおかしな思考回路がモラハラの特徴なんだろうな、と感じた。
離婚の原因は表向きには彼の不貞となっているが、実際はモラハラである。
浮気を見つけた時、有利に離婚できる、とほっとしたのも本音。もちろん愛情はあったので辛かったが。
上手な人はこんな人も手のひらで転がすのかもしれない。
でも自分はできなかったし、その能力はいらない。相互に普通の人でよいと思っている。