2013-01-08

の子

幼少の頃から壁をつくっていたせいか、極度の人見知りが産んだ末路か

好き、という感情が分からない。楽しい、で止まってしまっている様子

職場に新しく来た新人女の子教育係というほどのものではないがまあまあ面倒を見る事になった。

取り立ててカワイいワケでもない、そして私も容姿が端麗なワケではない。

お互いごく普通の先輩後輩として接し業務をこなしていた。

今思い出してもキッカケはなんだったかからない。

ただいつのからか、少しずつ何かビジネスの垣根を越えた付き合いをしていた気がする。

会社の規模や職種のせいもあるだろうが、弊社はいわゆるノミケーションという類のものは全くない。

淡々納期までに仕上げ基本的に残業などせず定時でみな上がる。

その後何があるワケでもなくみな足早に帰路につく。

幼い頃の私は別段不思議にも思わずココはこーゆーもんなんだ、と理解し自分もそうしてきた。

ただ暫くすると若い者同士でボーリングへ行こうだの飲み会をしようだの動き始めた。

他聞にもれず私も若輩の身ゆえ同道仕ったりした。

そうしてまた少し日が経つと極力内輪でじゃれたいグループが幾つか出来てきた。

私は良くも悪くも八方美人なのでどこに属するともなく自由に行き来する日々

今思えばあれからおかしくなったのかもしれない。

それは珍しく各グループが集まって会合をひらいた時だった。

特に席順など決めずにだらだらと座ったのだけれど隣はどうやら件の女の子だったようで

何か小皿のものを幾つか頼んだ時、事件は起きたのだ。

「これ半分こしません?」

・・・

ちょっと何言ってるかわからないですね

皆酒が回ってたのでそのせいだろうと思った。

また暫く経ったある日、何人かで休日出勤しなければ片付かない案件が出たので私とその子含め4名ほどで静まる中黙々と作業をしていた。

その甲斐あって昼前には全て片付いたのでさぁ帰ろうとなった

残りの2人はてきぱきと帰り支度を済ませ足早に会社を出ていった。

私は折角弁当を作ってきてたので腹ごしらえしてから帰ろうと思ってのんびりしていたら

の子も帰る様子はない。

結局2人で昼飯をたべながら数時間おしゃべりをしてしまった。

タイムカードをすぐきっといて本当に良かった、危うく残業になるところだった。

またある日、彼女は頼み事があると言った。

聞けば彼氏がいるようなのだが、もううまくゆかず別れようかと思っている、そこで私に彼がどういった人物か、うまくいきそうか、見て欲しいと言う。

(言い忘れていたが私は人事の方にも若干携わっている、故にだろう)

何かおごるから、と言われたのでならまぁいいか、と面白半分に見に行くことにした。

結果からいうと、私の一言を聞いてかはどうか分からないが彼女らは別れた。

その頃から何かと彼女といっしょに行動する事が増えた気がする。

おいしいケーキ屋さんがある、とてもいい景色場所がある、洒落た店が出来たらしい、などなど

情報はお互いに発信する感じである時はみなで、ある時は2人で、色々出向いていった。

そんな折り彼女が辞めると言い出した。

もともとコネで入ったようなものだしこのままじゃ成長出来ない気がする、と。

そうか、それは残念だ。本心から思った

というより

凄いイヤだった。

彼女が離れていくのがどうにも納得、出来ない、というか、なにかむず痒い感じだった。

その時私たちは付き合ってるワケでもなんでもなかったのだが、冗談混じりでこんな事を言ってしまったのだ。

「ずっと、一緒にいたいよ」

辞めてほしくないとかそんなんじゃないプロポーズじみた事を宣ってしまった。

彼女冗談混じりに間髪入れずに返す

「えー?じゃあ付き合っちゃいますー?」

狼狽もせずによく出来た後輩だ、これなら私が本気にしろ冗談しろお互いの反応を見て答えを変えられる。本当によく出来た後輩だ、私の自慢の作品だよ。

結局その場はチャラく濁して終わった、あまりキャラじゃない事をして急いてもいい結果にはならないからだ。

それからも何やかんやあったが未だに分からない。

ここまできてなんだよ、と思われるかもしれないが

私は別に彼女を好き、とかではない。

ただ漠然と一緒に居たいだけなんだ。

ただ漠然と一緒に居られたらいいなと思っているだけなんだ。

一体これは何なんだろう。

私には好きという感情が分からない。

今もつかず離れず不思議関係のまま続いている。

が、周りから見るにラブラブカップル、というか夫婦のようらしい。

無論ヤってはいない。

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