2011-11-12

全て自分次第、なんだろうか。

日頃からぼんやりと考えていることを、週末の夜の妙なテンションのままに書き連ねてみる。

曲りなりに仕事をしながら、プライベートも適度に楽しみながら、将来のビジョンなんていうのも描きながら、これまで30年ちょい生きてきている。

でまあ、そんぐらい生きてたら大概の人は、勉強してるのに成績上がんねーなーとか、いつも仕事がうまくいかないなーとか、なかなか出世できる気がしないなーとか、同僚・友人・恋人最近うまくいかないなーとか、とりあえず何かしら苦しくなる時期が来る。

からこそ成功した経営者が書いた仕事術の本がよく売れたりするし、ライフハックブログはいつも多くのブクマを集めるし、雑誌の悩み相談発言小町も人気だったりする。

で、大体ああいうのに載ってるのって「モチベーションを高めろ」とか「今自分がどうしたいかを見つめ直せ」とか「一人で悩むな、どんどん人に頼れ」とか「卑屈になるな、自信を持て」とか、言い方に違いこそあれ大体そういう意味の文句なわけじゃん。

もっと抽象的な言い方でまとめると「自分の状況を変えられるのはいつも自分だ、全ては自分次第だ」っていうことだよね、要は。

別に本だのブログだのでなくても、仕事場の上司だとか悩みを聴いてくれる友達だとかがそういう感じのこと言ってくれることもある。

いや、良いアドバイスだとは思うんだよ。俺は本こそ買わないけど、そういう文句を読んだり聞いたりして意識を高めたりすることあるし、事実その結果状況が好転したこともある。他にもそういう人が多いと思う。

でもさ。

結局「自分次第」って所詮は強い者の論理じゃないかなって思うんだ。

みんながみんな、そんなふうにしてうまくいくわけじゃないよなーって。

俺の周囲には、上に書いたようなことに悩んだ末、心を病んでしまったような人が何人かいる。

中にはそのせいで出社拒否になったり引きこもりになったり、下手すりゃ自分自分の命を絶とうとすることすらありうる。

彼らの話を聴いていると、ああきっとこの人はどんなに苦しくても「自分次第」でどうにかできるはず、どうにかしようと思いつめるあまり、無理をした挙句限界がきちゃったんだなって思う。

普通の人は、ある程度まで自分に鞭打ってやれるし、あるいは無理が来る前に自主的に休んだり、気持ちを切り替えるために別の事したり、人に頼ったりできるんだろう。

でも彼らはその「普通の人」ができることができなかったんだろう。多分甘えとか勉強不足とかそういう理由でできないんじゃなくて、きっと他の人なら抱える必要のないものまで全部抱えてしまい、結果その重みで潰れてしまってるんだ。

彼らの思いや主義主張は「普通の人」とは決定的に異なっていて、だからこそ「普通の人」を基準に動いている世の中はすごく生きづらいんだろう。

からそんな世の中でモチベーションを高めろって言われても無理だし、自分が理解されないのが分かっているのに人に頼ったりできないし、当然そんな自分に自信を持てと言われても難しい。

みんなすごく真面目で優しくて、自分以外の人間のこともちゃんと考えることができる人だなー、ってのが話を聞いてて分かるんだよ。

人の痛みや苦悩にすごく敏感だし、人を傷つけるような皮肉や嘲笑なんて絶対にしないし、そんな彼らを見ていると、暴言失言が多い自分がとても恥ずかしくなる。

でもその反面、自分自身のことになると鈍感になるみたい。

他の人ならそこまで行く前に明らかに危険と分かるはずの精神的負荷なのに、彼らはなかなか気づかない。それこそ潰れてしまうまでね。

からさ。

そういう人のことは、やっぱ誰かが気づいてあげなくちゃダメなんだよ。全部自分次第とか言って本人に任せるんじゃなくて。

経営者の本や人気ライフハックブログに書いてあること、上司や先輩の体験談だって万能じゃない。あれはあくまでできる人がすればいいことだ。全員に同じように要求するものじゃない。

自分の状況を変えられるのはいつも自分だ、全ては自分次第だ」とかそういう「普通の人」の論理犠牲になる人がいるかもしれないんだ。

上にも書いたように、彼らはこの世の中に生きづらさを感じている。それを少しでも和らげられるのは本人の努力次第とかそういうんじゃなくて、周りの人がちゃんと逃げ道を作ってあげることしかないんじゃないかと思うんだよ。

みんな条件は一緒だとか、平等が一番無難だとか、競争することで強くなれるとか、そんなのクソ食らえだ。そんな正論がちっとも役に立たない場面だってあるんだ。

今、俺はまだ大きなチームをまとめるとかそういうポジションではないけど、もし将来そういう地位についた場合メンバーの一人一人のことをちゃんと見てあげられるリーダーでいたいし、また上に書いたような弱っているメンバーがいたら、正論なんか放り出して他のメンバーがすぐさま逃げ道を確保してあげられるようなチームを作りたいって、常日頃から思ってる。

ただ、正直俺も強い者の論理でここまで来ているという自覚があるし、いざその場面になったら本当に今考えているようなことができるか分からない。自信がない。

でもやっぱり、マイノリティを弾き出すようなコミュニティだけは絶対に作りたくないなー。

まあそんな先のこと考える暇があったら、俺は今俺にできることをやって、救える人を救おう。あーあ。

  • 言わんとするところは分かるんだけどさ、そういう弱い人に「逃げ道」を用意してあげることって、 結果的には「マイノリティとしてのラベルを貼る」「マイノリティに自主的に出てい...

    • 元増田です。 うん、そこが俺も難しいと思ってるところなんだ。 彼らを理解してあげられる人間が周りに一切いないという事態を避けるという意味で「逃げ道」を用意したいと言った...

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  • 逃げ道を用意される屈辱というのもご存じ? 立場が弱い人間というはいるけど、それを「弱い人間だから逃げ道をどうぞ」なんて善人面で憐れみをかけられたら殴りたくなる。 しかし...

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