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はてなキーワード: キュアレモネードとは

2022-09-21

anond:20220917233739

■息子と、飲む。

いつかプリキュアキュアレモネードが変身した日にパニエを履いていた話を思い出す。

栄町コンビニは華やかはあれど、明治香りが煙たく漂う古臭い場所だった。

まるで、よっちゃんいかのような。甘酢の強さが強調された力強い雰囲気がある。私が過ごした40年前と大して変わらない空気

するめいかが持つ甘さは、そこに一切存在しない。うまい棒コンポタの煙たい臭い。それが好きな人しか受け入れられない古臭い匂いお菓子売り場に連れられた私はそんな妄言を考えていた。

カップ麺売り場の棚が、かつて持っていた世界初乾麺の威厳が薄れゆく中で、往時の輝きをあいも変わらず放つのは袋麺なのだろうか。

私と息子は行きつけの総菜コーナーに向かう最中に味は変わらないとの言葉を仕切りに話していた。

どの味も変わらないと。

目印的存在であった切り身魚の真空パックが売り切れてしまっても、私らは何喰っても変わらないと口にする。

おにぎりコーナーを抜けて、すぐの総菜パンデザートの棚は永遠と広がる夢のファンタジーである

私が過ごした約10余年は、まだほんの入口付近にあった。

今では5段重ねの立派なミルフィーユに生まれ変わっていたチーズケーキ。されど、心の中は小学校当時のままだという。

あぁ、中学一年生の頃に、ここの小学校プールによく入っていたなぁ。そう話す私は立派な犯罪者だった。

それでも紅潮する息子の顔はとても粋だ。私は新装の日にホットスナックを頼んで、仲良くなった店員今日一緒に飲む友人なんだ。

キザすぎるセリフ真実として話す私は最高にかっこつけで、かっこよく見える。

腹が出ていて、癇癪持ちに見えて、陰謀論者の私も、今日ばかりはトップガンマーヴェリックトム・クルーズよりもはるかにカッコよく見えることだろう。

普段は、近くにいたくもないと思える私も、なんだかきっと息子の憧れだろう。

息子が私に連れられたレジは、ホットスナックの棚に何が残っているのかもよくわからない場所だった。

入店から歩いて8分程度。大型冷凍庫の横にある、普通なら人が寄りつかないような小さなところ。

私と友人はここに100回以上来ているんだ。詭弁に思えるセリフも、今日不思議説得力を持って聞こえた。

どうしても話したかった話があるという。

私が引退した時にどうしてしたかった話なんだ。

息子が中学進学してようやく話す時がやってきた。

それは隣にいる友人の父親の話で10年以上温めておいた逸話なんだ。

自信を身に宿して、私は満を持すを体現するように話を切り出した。

「私は友人の父親の話に昔、もの凄く感銘を受けたんだ。

その話は友人の結婚式でも話して、今日お前に話すために温めておいたと言っても過言ではない。

それを話したいか今日お前をここに連れてきてるんだ。

じゃあ今から話すぞ。友人の父親は有名な証券会社役員だったんだ。ちょうどバブル期の頃、ボーナスが数百万円って世界で随分金回りが良かった。

から友人は成人した時に、父親銀座キャバクラに連れられてったらしい。

酔っ払った父親に友人は何を言われたと思う?

俺の奥さん美人だろう?そう言われたんだ。

その時に俺は、コイツはなんで人生成功者なんだって思ったんだ。友人の父親がだよ。

友人は自分父親自分マザコンであることを突き付けられたと感じたらしいんだが、俺はとにかく感銘を受けた。

これが人生成功者なんだって。以来、私は母さんを俺の中の一部だと尊敬している。だからこそ決して母さんの悪口を私は一切言ったことがない」

その言葉を受け止める息子の瞳は、普段とは違った熱がこもっていて、80年間生きてきた中で、私が一度も見たことがない息子の姿。

振り返れば、完全に惚気にしか聞こえないよね。カッコつけられて、かっこいいと思わされちゃったかな。

そんな私が、私はなぜだか愛おしかった。

2022-08-12

anond:20220812231644

はじけるレモン香り

ようやく難を逃れた気分で、日曜日を過ごしていた

これでやっと一日は高校に行かずに済む

なるべく長く休日を楽しもうと早めに起きた

親は地域の草むしりに参加しているらしく、家には誰もいない

なんとなくテレビをつけると仮面ライダーが終わる時刻だった

テレ朝の日曜の朝の特撮アニメ時間通称ニチアサ

特撮アニメ勧善懲悪でいいなと思い眺めていた

プリキュアが始まって、しばらくして金色女の子変身アイテムを使い、口上を述べた

「はじけるレモン香りキュアレモネード

画面からそう聞こえた瞬間

喉の奥から嗚咽を感じた

昨日、何度もうがいをしたのにまだ洗剤の薬品臭い味が口に残っている気がする

「口がくせえから、洗ってやるよ」

あいつはそう言って私の口に便所用洗剤を突っ込んだ

殴られてできた口内炎に洗剤がしみる

喉がこれ以上飲み込むのを拒否し、反射的にえづく

わたしのそんな様子を見て、あいつとその取り巻きは笑っていた

取り巻きの一人が洗剤を持ちながら言った言葉を覚えている

「はじけるレモン香り~」

意味が分からなかったが、プリキュアの変身口上だったのか

誰にも伝わらず、すべってたなと思うと少し笑えた

給食飲み物という思考に引きずられた文になった

 
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