2016-08-08

東京オリンピック開会式を真面目にシミュレーションしてみる

ここは2020年夏の東京新国立競技場では観客たちがこれから始まるスポーツの祭典に期待に胸を膨らませていた…

変態、凡人、年を取れ…シニタイヤツハシネ…シニタイヤツハシネ……」

最初に登場したのはグラミー賞など名だたる賞を総舐めにした国民バンドTheピーズだ。この突然のサプライズには会場も大歓声を上げた。スクリーンには様々な言語で映し出された「増え続ける若年層の自殺率」「止まらない少子高齢化凶悪犯罪ブラック企業テロの脅威…国の借金などの文字が映し出されては消えてゆき最後に「この国はもうお終いだ!!!!」と赤文字で大きく映し出され、会場は拍手喝采だ。それに合わせステージを取り囲むように垂らされたロープ大槻ケンヂ五十嵐隆鬼束ちひろ木下理樹等、錚々たる鬱ミュージシャン達が首を吊って次々と自殺してゆく。やがて彼らは動かなくなり、日本情念を映し出すエキゾチック演出に誰もが息を飲んだ。

演奏が終わり大木温之遺書を書きはじめると「Neko Mimi Mode」が爆音で流れ出す。七色の光線やLEDライトが目まぐるしく点滅し、新国立競技場ダンスホールと化した。なんとなく呼ばれたDJのTeddyroidは投石で死亡、会場のボルテージはマックスに達した。全方位に設置されたハイビジョン4Kスクリーンには日本が誇るサブカルチャーであるアニメが映し出される。作品は勿論『鬼父~小生意気ホットパンツ』だ。

煙幕が白い光とに照らされ、入場門から会田誠四肢を切断された千体を超える幼女たちがワラワラと這って登場、その中から遂に選手団が入場する。セーラー服少女達が会場を囲い、日本刀で自ら腹を掻っ捌き鮮血が噴き出す。内臓ボロボロ飛び出している。(この際会田は町田ひらくキングオブコメディ高橋エグゼクティブマネージャーとして招集、全国から人材を手配した)

HARAKIRI女子校生だああああああああああ!!!!!!

日本カルチャーを愛する台湾文系大学生ロンドンゴス少女が抱き合って喜びを爆発させた。台湾大学生は初めての女子との接触に勃起が止まらない!まさにCOOLJAPAN。

しばらくして対向から巨大なローラー車で騒音をまき散らしながら登場したのは山塚アイだ。国旗笑顔で振っている選手団を「ブチブチブチブチブチ!!!」と踏みつぶしていく。会場は血の海と化し、観客席は闘牛のように湧きたち、山塚は爆死した。続いて、桜井誠率いるネトウヨほなみん率いるSEALs、薄ら笑いを浮かべるアルファツイッタラー、打倒シンゴジラを掲げる増田中田考率いるアル・カイーダ、又吉直樹十字架で磔にし燃やす文学賞ワナビ、Hikikomori、ゆ虐絵師モバゲー掲示板に入り浸る派遣社員などがそれぞれプラカードを持って入場し、また我々を感動させた。最後には酒鬼薔薇聖斗氏、ネオ麦茶氏、加藤智弘氏、片山ゆうすけ氏が登場、奇跡世代が共演を果たした。彼らが手を繋ぎ国際社会世界平和の実現をアピールしたことは歴史に残る名場面となるだろう。

選手入場(九割が死亡)が終わると暗転し、スポットライトに照らされて松任谷由実が「ひこうき雲」を歌い、上空から二機の飛行機が登場。そこには手を広げた庵野秀明宮崎駿が吊るされていた。思わぬ大物ゲストに会場は大盛り上がり。しかし「空をおおお、かっけぇえええっ↑てぇっ↑↑」に合わせ二人は落下するもパラシュートが開かず地面に激突、冷笑的な雰囲気が会場を覆い駿と庵野無駄死にとなった。

開会式もとうとうクライマックス。緊張感に包まれる中、遂に最後聖火ランナー折部やすなさんが到着した。バラードキルミーのベイベー!がしっとりと流れる中、あぎりさんがガソリンを頭からかぶせ、燃え盛る炎の中「助けてソーニャちゃあぁあぁぁぁ!!!いやだあああぁぁあぁ!!!」と絶叫しのた打ち回るやすなをソーニャが斬り、生首は聖火台まで飛び見事点火、会場は感動の涙に包まれた。

小澤征爾指揮するNHK交響楽団に合わせ背後の床が開き、原寸大の福島第二原発オブジェが登場する。サビを迎え登場した、世界映画監督である北野武扮する火薬田ドンはこの日最大の割れんばかりの拍手と歓声に迎えられた。フガフガと手を振って応え、不敵な笑みを漏らしレバーを押す。原発は核爆発を起こし競技場の7割が焼け野原となり、火薬田は突如クレーン車で吊るされ触手プールに落下し一人よがり狂った。少しブラックジョークに生き残った数少ない観客は最後の盛り上がりを見せた。嬌声が響きわたる中中継は終わり、フジテレビスタジオでは肉塊となった岡村隆史が弾け飛び、大盛況のうちに開会式は終了した……

――――ちょうどその頃、精神病棟のテレビでこれを見ていたtehuくん。

車椅子から立ち上がり、「これ僕が作ったんだ!ほんとだよ!全部僕が作ったんだ!」と叫び、裸になって踊りだした。彼が言葉を発したのは3年ぶりの事だった。彼を心配し、これまで暖かく見守っていた看護師さんたちは歓声を上げながら抱き合い、喜び合った。涙を流している者もいる。他の患者もみんなニコニコと楽しそうだ。男性器がペチペチする音が病院中に響き渡った。

今日ケーキを買ってお祝いしなきゃね。だって、tehuくんの演出した開会式大成功した日なのですから

その光景を見て僕は思う

僕たち、よかったね、うれしいねって、言われたかっただけなんだ。ただそれだけなのに、何故こうも人の運命は分かれていくのだろう。何故闇に飲まれるかもしれないと分かっていながら何かを求め、苦しみ、そして死んでいくのだろう…

だけど今は、ただtehuくんの回復を喜ぼう。だってそれは、僕らが生まれてきた意味を知る数少ないチャンスなのかもしれないのだから

ここまで読んでいただき本当にありがとうございました

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