以下すべてネタバレ。
アメリカの巨大軍需企業の社長をしている両親の一人息子として生まれたトニーは、
17歳でマサチューセッツ工科大学を首席で卒業した天才的頭脳の持ち主。
13年前に「あなたのファンなんだ、是非研究の話がしたい」と話しかけてきた長髪メガネのサエないギークに対し、
主人公のトニーは「後で話そう、屋上で待っていてくれ」といい、一晩放置して女とセックス。
そのときセックスした女は優秀な植物学者だったが、あえなく一晩でヤリ捨てられる。
時は経ち、ギークと植物学者は手を組み、人間を生物兵器にする手法を開発してトニーに復讐しようとする話だった。
オタク男の自尊心を踏みにじり、女を次々にヤリ捨ててきたトニー。
(しかもヤリ捨てる女は、仕事に燃えるジャーナリストや成果をあげている学者など、知性のある美人ばかり)
そうして若い頃はやりたい放題してきたが、現在は優秀な秘書を人生のパートナーに選び、
「もう女遊びはしない」と改心したかのようなそぶりを見せている。
アイアンマンって、マッチョ・イケメン・大金持ち・天才ないじめっこが大勝利するだけの映画じゃないか。
アイアンマン3の劇中で、トニーがいじめられている子供に武器を与えて助けるシーンがある。
「子供」や「女性(ブロンド美人)」、「たまたま巻き込まれた一般人」など、好感が持てる弱者は迷わず救う。
しかし過去の恨みを持っているギークや、ヤリ捨てられた女など、鬱陶しい存在には死んでもらう。
アイアンマンの1はそうでもなかったが、3になってマッチョ礼賛的な価値観が強まって非常に不快だった。
しかも、トニーはヒーローとして戦い続けることで、過呼吸の発作を定期的に起こす不安神経症になっていた。
ラストでは「心の傷を人に打ち明け、傷を癒す」みたいなシーンをコミカルに描いていた。
「人を踏みにじったりしたこともあるけど、過去のことだから水に流してね。そうそう、強い俺らにも辛いことはあるんだよ。
俺だって癒しが欲しいんだ。ヒーローだってセラピーを必要とするんだよ。心の傷だってたくさんあるんだ。」
人を踏みにじるだけ踏みにじって何が心の傷だ。甘えんな、死ね。
ただ、一瞬たりとも息をつかせない脚本と戦闘シーンは非常によく出来ていた。
ストーリーなど追わず、ドンパチ映画としてだけ観れば不快にならずに済むだろうし、
1のときからマッチョ礼賛だった気がするんだが。 悩みらしい悩みなんかなかったし。 2での悩みも、リアクターの毒素でうんにゃら(ようするに健康問題かよッ!)で、人間関係とか精...
今まで悩みすぎていた反動で悩まないヒーローって題材が出てきたんだろーね。 どっちかって言うとアイアンマンがどうとかって話じゃなくてど言う比率でその比率が落ち着くかって...