はてなキーワード: パラダイスとは
http://anond.hatelabo.jp/20080406221241
もう十年近く前になるが、俺も君と全く同じようなことを考えた。しかし今となってはかなり辛い思い出だ。
俺は俺なりに努力もした。だが、結局は当初思い描いた道は断念し、ごく平凡な京大生の進路をたどった。
そうなった経緯をいまここで語るつもりはない。君と俺とは違う人間であり、君が俺と同じことを考えているとは思わないからだ。
ただし、このことだけは覚えておいてほしい。君の同級生や先輩は、少なくとも入学式の時点までには君と同程度の努力を積み重ねた人間だ。少なくとも潜在的には君と同程度の能力を持っている。つまりは、たかだか一週間で勝利宣言をできると思っていると、足元をすくわれかねないということは覚悟しておいた方がいい。
実際のところ、「パラダイス」というのは半ばは自嘲であり、半ばは自慢だ。高校生と大学生は余りにも世界が異なり、自分の理想通りものごとを運ぶことがいかに難しくて非現実的か、自分の理想として描いた夢がいかに陳腐で貧しいか、それを何度も挫折しつつ学び、そして自分のやり方を確立していく過程でもある。そして、それに挫折して自堕落に陥ってしまった人は自分の境遇を自嘲して「パラダイス」と呼ぶだろうし、自分の道を見つけた人は心底からその環境を「パラダイス」と呼べたりするのだ。
本当のことを言うと、多くの人が「パラダイス」という言葉を使うときには、そのニュアンスが何らかの比率で入り混じっている。それが読み取れないということは、君もまだまだ人を見る目が甘いというか、どこかで自分の優秀さに慢心しているということだろう。
一度、「遊び半分で」適当に過ごしているような人と話し込んでみるといいよ。そういう人たちの中には少なからぬ比率で、セミプロ級のレベルの趣味だとか珍しい体験だとかを持っている人がいるし、そんな人でなくとも、本棚の中身は量はともかく質の点で非常に充実しているものだ。
要するに、馬鹿に見える彼らも、君と同じぐらいの頭の中身は持っている。彼らは彼らなりに真面目に考えて生きた結果がそういう行動に表れているのだ。君にはそれが、偏っていて愚かであるように見えるかも知れない。しかし、見る人が見れば君の価値観も偏っていて愚かであるかもしれないということは自覚しておいた方がいい。
ちなみにそんなエラそうな説教をしている俺が現在何をしているかというと、誰でも知ってる大企業の研究所に勤めている。京大理系の平凡な卒業生の就職先というとそんなところ。これが堕落なのか努力の結実なのかの判断は君に任せる。
京大の話。
僕は一浪して入った。が、京大をこの一年の目標としてきたことを早くも後悔し始めてきた。
リアルに中退の妄想をしている。まだ入学式にも行ってないのに。
新歓でガイダンスで、何人もの同級生や上回生に出会った、しかし話してるとみんなホントに何しに大学来たの?と聞きたくなる・・・
何がパラダイスだよ、ふざけるなよ。
単位は適当に取得して、あとはサークルしてコンパやってバイトで社会経験して、一流企業へ?
別にそれが「悪い」と言うほどガチガチじゃないつもりだけどさ、本当にこれでいいの?
それともこんなこと書いてる俺にしたって前期終わるころにはそういうメンタルになってるのかな。
どうやら東京や一橋や大阪に行った所で解決する問題でもないようだ。友達の話聞いてると。
勉強するのにこれだけ恵まれた環境って、社会に出てからだと金出してもなかなか手に入らない気がするんだけど…
オープンキャンパスの相談会で惹かれたあの先輩のような人は、あるいは現役で合格した尊敬できる友人のような人はどこにいるんだ。
言いっ放しもあれなので、PS3とXbox360のマルチタイトルになってるゲームを挙げてみる。
機種間の追加要素等は無視。基本的に同じタイトルと思われるものを挙げる。
リッジレーサー6[Xbox360],リッジレーサー7[PS3]
ニード・フォー・スピード カーボン[PS2,PS3,Wii,Xbox360] ←これはちょっと差分がわからない
コールオブデューティ3,4[PS3,Xbox360] ←Xbox360には2もある
バーチャファイター5[PS3],バーチャファイター5 Live Arena[Xbox360]
ゴーストリコン・アドバンス ウォーファイター2[Xbox360,PS3]
ゴッド・ファーザー ドン・エディション[PS3],ゴッド・ファーザー[Xbox360] ←差分不明
The Elder ScrollsIV:オブリビオン[Xbox360,PS3]
ニード・フォー・スピード プロストリート[PS3,Xbox360]
ドリフトナイツ:Juiced2[PS2,PS3,Xbox360]
FIFA08ワールドクラスサッカー[PS3,Xbox360]
ワールドサッカー ウイニングイレブン2008[PS3,Xbox360]
バトルフィールド バッドカンパニー[PS3,Xbox360]
ロストプラネット エクストリーム コンディション[Xbox360,PS3]
……つかれた。すくなくとも33/83(?)本はXbox360とのマルチタイトル。このほかにも、PS2,Wiiとでそれぞれマルチになっているタイトルもある。で、PS3じゃないとできないタイトルってなにがあるんだっけ?
増田です。
参考にしたエントリは次の二つ。
タバコ部屋は僕らのパラダイスなのさ! - フランシーヌの場合は
最近、自分がオタクなようでオタクでないことに苛立ちを感じ始めてきた。
言及はオタク系文化に対してが多いのに消費傾向が全然オタクではない。
20世紀のエロゲはいろいろやったけど21世紀のエロゲはやってない。(あ、サーカス製はちょっとやった)
ガンダムは種死と00以外全部見た。(ZとVとターンAがよかった)
ラノベはほとんど読まない、っつうかハルヒ読んで秋田。(言葉にできない抵抗感がある)
深夜にやってるアニメは観てない。(あれ何?古典アニメの巻きなおし?)
オタクであるということに情報量が求められて、なんか俺みたいな奴は疎外された感がある。
らきすた観てないとか何なの?
家にあるフィギュアがゲッターロボとパトレイバーとアトムってやる気あるの?
アニメージュとか読んだことないの?
って言わないで言わないで言わないであああああああああああああああ
オタクじゃないことが、なんか悔しい。
俺はオタクになりたかったけど、どうも無理みたいだ。
さっきアニメで「狼と香辛料」が放送されてたんだけど、タイトルが分かっちゃう自分が嫌だ。(しかも面白くないよ)
その裏?で「灼眼のシャナ」やってたんだけど、あれは低年齢向けに十分やっていけるほど分かりやすい文法つかってるね。
とか、ぜんぜんオタクな楽しみ方ができないぜうあああああああああああああ
寝よう。
(追記:わしはまだ20代前半だよ!年寄りいうな!)
っていいよなぁ……
復活希望
そもそもイケメン且つ金持ちとかそういういい男を一人の女が独占するのは非常に勿体ない!!
そういういい男はたくさんの女で共有すればいいじゃん!
その方が生物学的にも理にかなってるしさ。優秀な男の遺伝子をたくさんばらまける。競争が激しくなるからより優れた者だけが遺伝子を後世に残せるようになっていい具合に淘汰できる。
昔の人、すげえわ。
まあ、一夫多妻制にすると弱い男は非常にかわいそうなことになるけど。
一夫一妻制って要するに弱者の男のためのものか。
非モテは嘆き悲しんでるけど実は非モテにとっては一番いい時代なんじゃね?
私は一夫多妻制の復活を希望するけど。女的にはそちらの方がいいよね。
美しく聡明な女性達はいい男の一番目の妻の座を競っていただければいいし。
私はいい男の何十番目の妻くらいでいいっすわ。そんで一年に一度くらいいい男とセックスしてもらって後はのんびり暮らすべ。絶対こっちの方が楽園じゃん!誰だよ、一夫一妻制とか言い出したのは…余計な事しやがって…
まあ心配なのは女同士の衝突だけど、これさえ解消したらほんと女的にはパラダイスだと思う
現代でも尚一夫多妻制をやってる地域が前テレビでやってたけど意外と妻同士の衝突はなく姉妹のように仲がいいとかいってたし案外いけるんじゃね?
一夫一妻制だったらまず叶わないような男の妻になれるかもしれないんだしさ。
まあ独占欲強い女の人は嫌かもしれないけど、私なんかはいくら好きな人でも毎日顔を合わせるのって嫌なほうだから、たまに夫と会えるくらいが寧ろちょうどいいや。ていうか独占欲強い人たちはお互い契約し合って一夫一妻してりゃいいしね。(実際一夫多妻制やってるところでも、多くは一夫一妻らしい。それはそれでなんか残念)
あぁ、一夫多妻の方がいいや。
いや、アクトは素晴らしかったんですがね。マネジメントが。
23時頃に入場したんだけど、クローク袋買うのに20分待ち。シミアンはじまるッつーの。
んでビール買うのに常時20分並びとかありえねー。
便所も外の仮設はガラガラなのに、アナウンス無いせいで場内トイレに長蛇の列。男子ですら10mくらい列できてたんだから、女子は推して知るべしな感じ。悲惨すぎる。んで
→
→
ス → |
テ 観 観 観 DJ 観 カ
| 客 客 客 → 客 ベ
ジ |
→
→
というステージ構成(矢印は出音方向)のため、一晩で4セット5時間という献身的な働きをしてくれたプライマルスクリームプロデューサ、akaセイバーズ・オブ・パラダイス、akaツー・ローン・ソーズメン、UKの重鎮(つうかこの人ワンマンだけでウーム満員にできると思う)アンディー・ウェザオールおじさんに誰も見向きもしない、という。クラブミュージックって、やっぱオーディエンスの力が大きいんだなぁ、と逆の意味で実感。悲惨。
でもアンダワ目当て客が始発で帰った後の、明け方攻め攻めセットはすげくすばらしかったです。
ジャガーを久々に大音量で聴けた。
//
追記。
わかりにくかった。ウェザオールの人はDJブースでメインの転換時に回してた。っつー。
TT書いておくと
2100 120days
2300 SIMIAN MOBILE DISCO
2400 ウェザオール:ダブセット
2500 UNDERWORLD
2800 THE ORB
客先である親会社のある部署に30代半ばの男の人が中途で入ってきた。その人は別のメーカーで近いけどちょっと違う仕事をしていた人で、まだ慣れていないせいか仕事の打ち合わせをしていると、「それは違いますよね?」とか「いやそれはこうする方がいいです」などと口を挟まなければならない場面がちょくちょく出てくる。私もかなり気を遣って訂正したり、間違いを指摘したりしているのだけど、やはり口を出すと露骨に嫌そうな顔をされてしまう。中途で入ってきて仕事が分からず余裕がないからなのだろうけれど、間違いを指摘したり対案を出した瞬間に表情を険しくされるのは正直気持ちがいいものではない。自然、あまり話したくなくなって、別のラインから訂正を入れたりのフォローをするようになってしまった。おそらくそれが彼の気持ちを損ねている部分もあるのだろうと思う。「俺を通さずに何で先に操業に話つけてるんだ」みたいな。しかしその人よりも私の方が現場と仕事してきた時間は圧倒的に長く、設備のことも分かっているので現場も私に話を持ってくる。正直いってどうにもこうにも動き難い。
このことで改めて思ったのだけれど、20そこそこの女が仕事をするにあたって、一番微妙な年齢の相手というのが35-40前後くらいなのだ。40を過ぎると、年齢的に娘のように可愛がってくれるし、仕事の面でも余裕があるので何かしら言っても普通に受け止めてくれる。50を超えた人ばかりだともう完璧にパラダイスだ。逆に35未満。特に20代だと、同年代として話せるのでそこまで角は立たない。
35を超えた人(特に未婚)は、年齢的にも性別的にも自分が上の立場だと自覚しながら、それほどはっきりとした優位性を確保していないせいでその上下関係を脅かす要素に対して過剰に反応するきらいがある。こっちとしても口を出し辛く、しかし出さないわけにもいかず、うまくポジション取りができなくて難しいのだ。仲良くなってしまえばいいのだけれど、35くらいになると年齢が離れすぎていて(同士的な関係も父娘的な関係も)うまくいかない。(友人は似たようなパターンで気を遣いすぎたあまり、気があると思われて大変だったそうだ。とにかく恋人的アプローチは最も避けるべき手段)
つまるところ女であることがうまく作用するのはおじさんと年齢の近い層だけで、その中間層に対してはむしろ逆効果だってことをあらためて思った。女に仕事で負けるなんて男のプライドが……みたいなものが少なからず皆あるようなのだ。正直面倒くさいのでこういう時は男の方が明らかによいなあと思う。
未だに外見至上主義にとらわれて抜け出せない。
ファッションとかお洒落なインテリアとかデザインとか、大好きである。街行くお洒落な人たちのファッションや佇まいを見ているだけでニンマリしてしまうくらい楽しい。Tokyo graffitiなんて雑誌が好きである。
でも、鏡を見ると一瞬で萎える。
そう、僕は自分自身の不細工さにもう嫌気がさしている。一向に垢抜けない雰囲気の自分にほとほと愛想が尽きている。
少し年齢を重ねれば外見至上主義の感覚は薄れていくのかなって思っていたけど、最近はおっさんになっても“ちょいわる”“メトロセクシャル”だなんてもんが流行りだしていて、ルックス重視の風潮はこれからもどんどん蔓延っていくのかなと思うと憂鬱になる。
てか『イケメンパラダイス』って何よ?今までは外見至上主義を流布するのにマスコミも多少遠慮をしながらやっていた気もするけど、いよいよもう何も包み隠さず大胆になってきたな。この間の目覚ましテレビなんか「今イケメンがブーム!」とかやってたし。いやいやいや。先天的なもので個人の努力が及ばない範囲のものを「ブーム!」って煽るのはどうかと思うんですけど。
話が逸れた。何が言いたいかというと、結局これだけ僕が今苦しんでいるのは自分自身で外見至上主義の価値観を払拭できないからだ。どうやったらこの価値観から抜け出せるんだろうか。誰か教えて下さい。
中央集権国家は目前に迫っている。
確信を持ったのは日韓ワールドカップの時だ。韓国がウリナラクオリティを見せつけ勝ち進むであろうことは予想していたが、ベスト4という予想を上回るすばらしいインチキをやってくれた。
私はこれはチャンスだという確信があった。すかさず関係各所に反則、誤審の検証ビデオを作るように支持した、そして、検証サイトがあればそのサイトに支持の書き込みを思いつく限り書き続けろと命令した。もちろん、2ちゃんねるは最優先事項だ。
効果は絶大だった、マスコミに踊らされ韓国マンセーだった空気は一気に反韓へと変わり、現在のようにストレスのはけ口を2ちゃんねるやブログに求める日本人を大量に生産することに成功した。同時に、マスコミの報道の信憑性も地に落とすことができた。
これが何を意味するか。反乱分子に行動を起こさせないことができるようになったのだ。私の策略により、我々日本政府がどれだけ富を搾取し、独占する法案を通したとしても国民は2ちゃんねる、ブログ、各種掲示板に不満を書くだけで実力行使に出なくなった。これが政府にとってどれだけメリットがあるかは、今の国会中継の稚拙なやり取りを見ていただければわかるだろう。馴れ合いで質問と答弁を繰り返しても暗殺も放火も暴動も起きない、政治関係者のパラダイスができたのだ。
今の私たちは何をやっても許される。「なんとか還元水」で税金を使っても我々は誰からも被害をこうむらない。この税金の無駄遣いに講義するためにナイフで刺殺する計画を立てる暇があったら、2ちゃんねるに「氏ね」と書くだろう。まったく良い時代になったものだ。掲示板で誹謗中傷されようが、見なければ良いのだから我々は一切困らない。むしろそこで暴力的な感情が収まってくれるのならいくらでもバカにしてくれといった感じだ。届きもしない批判をネット上でして何の意味があるのだろうか。笑いが止まらない。
そういえば、最近は「救う会」がすごいらしい。会計に我々の息のかかった人間を送り込んでおいたのだが、想像以上の募金がきているそうだ。被害者の両親が偉そうにテレビで講釈たれているのを見るとさっさとくたばれと思うのだが、政権の支持率を維持するためには長生きをしてもらわねばならない。何しろ拉致問題は北朝鮮の将軍様と日本政府がタッグを組んだ壮大な茶番劇なのだから。
日本政府と将軍様の間では我々が「ひがいしゃをかえせー」と言えば将軍様は「いやだー」と言い、将軍様が死ぬまで一生平行線を辿るという密約がかわされている。そうすれば絶大な資金力を持つ「救う会」はずっと維持され、毎年莫大な額の献金が日本政府に転がり込んでくるのだ。ジョンイルのアホにはそのうちの一部をくれてやれば良い。救うための金が救う気のない将軍様への献金だったと気づいたら、「救う会」の面々はどんな顔をするだろうか。救われる日を信じ、会を維持するためになけなしの金をはたき、自民党に投票し、たとえ逆風が吹いても自民党を支持すると答える。善意というのはまことに扇動しやすいものだ。
あと5年もすれば日本国民総無力化と政府主導の中央集権国家はほぼ完成するだろう。そうすれば、今の日本の国力から考えれば、少なくとも我々が寿命でくたばるまでは酒池肉林の日々を送り続けることができる。そのために、我々は全力で国民の感情をネットに押し込める作業に注力せねばなるまい。
「無能しかいない」と嘲笑されている日本政府の関係者がどれだけしたたかな存在だったか、無能な国民たちはもうすぐ思い知ることになるだろう。気づいた時にはもう遅いのだ。
JASRAC以外の権利団体が育たんことにはよくないなと思っているのでe-Licenseの成長に期待している。
http://tail.s68.xrea.com/blog/2007/02/jasrac_1.html
これを読んでね、あー e-Licenseかーーと、
でも、どんなアーティストが登録しているのかいまいちわからんので検索してみた。
https://ssl.elicense.co.jp/piece/retrieval/
ここからアーティスト一覧検索。
知ってる人がいねぇ…。
上戸 彩
MCU feat. 宮沢 和史
大塚 愛 (3曲だけ
大槻 ケンヂ (やっぱり移動したのかw 3曲だけ
クレイジーケンバンド( 1曲だけ
倖田 來未 (8曲だけか
齊藤 義典
中森 明菜
猫ひろし (・・・歌?
ぴちょんくん (?
みうらじゅん & 安齊肇 (勝手に観光協会とは別に登録されているのか
山田 タマル
渡瀬 マキ
有名どころだとこんなもんか。今のシーンでも影響を与えそうなアーティストについては登録楽曲についても調べてみたけど数は登録されてないね。
なんか何人か苗字と名前の間に全角スペースがあるかないかで分かれてたりして気になった。
http://www.vector.co.jp/special/comic/erokawa/
ちまたで話題になっている「残業代ゼロ法」こと「ホワイトカラー・エグゼンプション」について。
大昔、労働における生産量というものは労働時間にほぼ比例していた。例えば畑を耕すのでも工場で物を組み立てるのでも、個々人に差はあれどそれは微差の範囲内で、基本的に長い時間働いた人ほど労働量が多いことになる。このような労働体系下においては、対価としての賃金は労働時間によって支払われるのが妥当と言える。
だが、情報化が進んだ現代では「時間=賃金」という等式は既に崩れている。例えば私の所属するエンジニア業界でも、同じ時間働いても個々人のスキルによって生産量が数倍から数十倍も違ってくる。1時間に3の生産量を上げられるAさんと、1時間に1の生産量しか上げられないBさんがいて給料が同じだとして、「時間=賃金」という対価の与え方では、同じ金額を稼ぐのにAさんはBさんの3倍の量の仕事をこなさなければならない。このような不平等をなくすために登場したのが「成果主義」であり、「ホワイトカラー・エグゼンプション」なわけだ。
「ホワイトカラー・エグゼンプション」は残業代ゼロ法などと揶揄されて暗黒面ばかりが話題に上がっているが、そもそもの目的は労働法に記載されている「1日8時間、週40時間」という枠を取っ払おうというものだ。この法律が施行されることで、労働者は会社に9時から5時までいなければいけないという縛りから除外(エグゼンプション)され、各人が自分にあった労働方法をとることが出来る。
例えば、幼い子供を持つ親御さんたちは、決まった時間に会社にいなくてもよいので、打ち合わせの時だけ会社に出向き、後の仕事は持ち帰って家でお守りをしながらやる、といったことが出来るようになる。仕事が物凄く出来る人は、一日2時間働いたらさっと切り上げ、残りの22時間をプライベートに回すことが出来るようになる。持ち帰りの作業が一週間分ほどたまったら、ノートパソコンとともにのんびりと旅に出て、旅行の合間に仕事をするということが出来るようになる。安倍総理が「この法律を施行することで出生率が上がる」といってネチズンの失笑を買っていたが、彼の意見はあながち間違っていないのだ。
だが、こんなのは単なる原理原則論、理想論であって、実際の運用上でもちろんこんなパラダイスのようなことが起きるわけはない。
昨今の情報漏洩ブームのおかげで在宅勤務なんかは夢のまた夢。仕事が物凄く出来る人は出来ない人の5倍10倍の量を押し付けられ週日会社に縛り付けられ、旅行なんかは行く暇すらない。労働者はますます困窮する。
「ホワイトカラー・エグゼンプション」の根底にあるのは、働いた時間など関係ない、生産量で人を評価しよう、というものだ。これ自体は間違ったものではないけれど、日本の企業風土では幾ら生産量を上げても決まった時間会社にいなければならないという暗黙の了解が既に出来上がっている。うちの会社はフレックスタイム制で、仕事が終われば3時半に帰ってもいいのだけれど、まずそんな人はいない。定時まで仕事をして、残業をしてやっと帰れるというのが社員の「当たり前」になっている。私なんかは仕事が暇な時は毎日定時に帰れるけれども、あちこちの島で火の手が上がっている職場でそんなことが許されるわけはなく、会社に居残って資格の勉強をしたり趣味のツールを作ったりしている。馬鹿馬鹿しい話だが、幾ら生産量を上げても早く帰れば「あいつは駄目だ」と思われるのが日本の企業風土であって、これだけはどうしようもない。実際私も「俺の会社は毎日定時に帰れるぜ」とか聞いたら脳たりんの集まりなんだなと思ってしまうしね。まあその逆もまたしかりだけど。
こんな状況下でホワエグなんかを導入したらますます惨状になるのは目に見えている。現在の企業側の認識としては、「サービス残業はいけないことだが仕方がない」という辺りだろうが、この「いけないことだが」の部分が結構大きくて、ホワエグによってサービス残業が合法化されてしまえば日本の労働環境は地獄と化す。何せ過労死をしても会社側は何ら責任を取らなくてよくなるのだ。良心的な会社ならともかく、悪用しようと思えば幾らでも出来るこの法案、ストッパーが完全になくなってしまうこの法案は大変危険だと言わざるを得ない。「現在も残業代出てないし、別に構わんよ」と嘯いている人は、もっと危機感を持ったほうがよいと思う。
先輩の会社のお偉いさんなのであまり遡上にあげたくないのだけれど、経団連の御手洗氏がよく言う「国際競争力の向上」というのは、つまり「安い賃金で多くの労働を」という以上の何者でもなく、こんなバイアグラのような方法で経済を伸ばそうと言う発想は極めて幼稚で短絡的である。日本の労働環境の向上なくして、経済力の向上などあり得ないのだ。音楽でも何でもそうだが、「人間的である」というものは普遍的で強い。法律も一緒で、非人間的な法律、そこに人間性や国民性が反映されていない法律は凶器と化す。今回の国会では廃案になりそうだが、来年以降も経団連と自民党の動きから目を離してはいけないと思った。