2024-11-01

音信不通父親孤独死したら…

音信不通の親が孤独死した時、どのようなことが起こるのかについて記録する。

昨年、父が死んだ。

遺体も見ていないので、父の死は書類確認した。

父とは30年近く会っていない。母は離婚後も父と連絡を取っていたようだが、父に私の連絡先を決して伝えないようにとお願いしていた。

5月頃、母のところに、父の知り合いから父が死んだようだとの連絡があった。

西成のどや街でで孤独死したらしいとのこと。

その人も遺体は見ておらず、父の住まいを尋ねたら大家さんから死んだと伝えられたとのこと。

私はそれを聞き、一番最初に思ったのは、相続放棄手続きを一刻も早く終えたいとのことだった。

市の無料法律相談に行き、相続放棄手続きの仕方や困ったことが生じるおそれがないか等を確認した。相続放棄手続きは、家庭裁判所によって若干違うので、事前に確認してから行く方がよいとアドバイスを受けた。

6月頃、警察から母に連絡。

孤独死した人間特定をしなければならないので、DNA検査をするとのこと。

子どもの唾液を最寄りの警察署に届けてほしいとのこと。

これは兄が対応してくれた。

父の死はまだ確定していない。

8月頃、警察から再度母に電話

DNA検査をする費用が出ないため、兄の顔を見て特定することにしたと連絡。

父が孤独死した場所と母の家は新幹線で1時間ほど離れているため、出張のついでに寄るので少し先になるとのこと。

兄が取った唾液はなんだったんだ。そんなことを市民にお願いする前に、予算があるかどうかの確認はできるだろうに。警察っていい加減なところなんだなあ、という印象を持つ。

8月末、警察が兄の顔を確認して帰る。

9~10月 戸籍抄本を取り寄せたが、父の死亡が確認できず。

11月 兄から戸籍抄本にて父の死亡が確認できたと連絡をもらう。父はおそらく5月に亡くなっているのに、書類上の死亡は11月になっている。

12月 有給を使って家庭裁判所に行き、相続放棄手続きをする。郵送でも手続きできるが、不備があると嫌だったので、窓口で手続きした。窓口の人は手慣れた様子で、相続放棄したい理由の書き方等を教えてくれた。

12月末 手続き完了封書が届いた。この半年間の気持ちの重りが取れて、ほっとした。

まとめ

事件性が薄い孤独死に対して、警察費用を割かない。そのため、最寄りがない人間孤独死すると、死が確定するまでに時間がかかる。

相続放棄手続き簡単

この文章を書こうと思ったきっかけは、下記の文章を読んだからである

https://inukawatama.com/father/

読んでまず、うらやましいと思った。

はてなブックマークにも共感の声があふれている。

私は父が死んだことに対しては、特に何の感慨もない。

馬鹿生き方しかできなくてかわいそう、まともに生きていれば子どもや孫の成長を見ることもできたのに、という一般的なことを思うだけである

父との思い出は記憶のどこかにあるのだろうが、思い出したくないことばかりであり、考えるのを停止するようにしている。

相続放棄手続きを一刻も早く終わらせて、父と無関係になりたいという思いは、母を呆れさせ、くだらない喧嘩に発展した。

大人になって、母に感情的に声を荒げたのは初めてで、お互いにダメージを受けた。

母に対してはいろいろと思うことがある。

父に対する思いの欠如は、私の人間としての欠如なんだろうと思う。

私は、父と自分を切り離さないと、「普通」の枠の中で生きていくことができなかった。

ネットでは「毒親」に対する誹りがあふれている。

毎回、どうしてこの人たちは、「毒親」と縁を切らないのだろう?と思う。

結局のところ、この人たちは「毒親」と詰りながらも、親のことを愛しているんだろう。

切断するのは楽なことだけれど、切断することで自分人間らしさを失われるのも嫌なんだろう。

この文章が、音信不通の親がいる人のお役に立てれば幸いである。

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