増田は女。
付き合って結婚して計7年間、同じ人といた。
今から1年半前にそのひとと別れた。
別れた理由はそれではないけれど、彼由来のセックスレスでとても辛かったし、悲しかった。
夫と結婚する前も、わかれたあとも、夫といる間もずっと、セックスについて搾取されているという感覚があった。
大して私のことを好きじゃない人たちが、性欲のために私の体を使う時間。
自分は正直感じやすいタイプで、痛いセックスや気の乗らないセックスからも快感を拾うことができたし、それを相手は私も喜んでいると感じていたと思う。でもそれはただの私の体の特徴だ。
夫は私がどうやったら喜ぶか、知らなかったというか実践する気がなかった。伝えたことはもちろん何度もあったけど、次回には大抵わすれていた。付き合っていた時は月に1〜2回はしていたけど、毎回リセットされていたから間が空きすぎたからとかでもなく、ただ、覚える気がないだけだった。でも、私は感じることができるし達することができるし彼にとってはそれはなんの問題でもなくて、私にとってはとても悲しいことだった。あーこの人はわたしとのセックスで得たいものは自分の満足だけなんだなっていつも思っていた。
上手く言えないけど、例えば合意が曖昧なセックスがあったとする。という前提を聞いた時、男のほうが誘い女からの同意が曖昧だったケースを最初に想像すると思う。男の人が女の人の体を使おうとし、使われることの同意が曖昧だった、というケース。
こういう精神機序がセックスそのものにあると思っていて、だから男の人とセックスをしたらわたしからは何かが減る。何かを失う。そういう感覚が、主観としてずっとある。
私は性欲の対象にされる。それを受け入れざるを得ない。それが悲しかったし搾取だと思っていた。
ながいあいだ、わたしはただの穴で、でもその穴にさえなれなくて離婚した。と思っていた。セックスレスで夫が私とはもうしたくないというところを、世界で1番好きな人にとって私の女性としての魅力はもうないしこれからも一生ないというところを、毎日感じるのは悲しかった。搾取されたかったのか、と思うと思う。うまくいえないけど、搾取でないセックスを、世界で一番好きな人としたかった。
夫と別れてできた彼氏はものすごく私のことを好きでいてくれて、セックスも本当にたくさんたくさんしてくれて、そのしたいは搾取じゃないと感じさせてくれた。
私のことが本当に好きだから、たくさんしたいというのが本心から伝わってきて嬉しかった。
たくさん幸せにしたいしたくさん気持ちよくなって欲しい、って言葉にして伝えてくれた。セックスはちゃんとした愛情入りのコミュニケーションで、一方的でなく、愛情を渡し合って、彼からたくさん愛されているって感じる時間で本当に幸せだった。
セックスや性欲が搾取ではないことが本当にあるって教えてくれたのは彼だった。
その彼と少し前に別れてしまった。
別れたくなかったし、その彼とずっと一緒にいたかったんだけど、難しかった。今もとても悲しい。
別れたらまた、搾取しようとする人があらわれた。搾取を感じる。恐ろしいと思ってしまう。
良い関係を築くにはいつか搾取を甘んじて受け入れるしかないのだろうか。
元彼は搾取じゃないセックスと愛情があることを教えてくれた。短い間だったけど人生で宝物みたいな経験だと思う。すごく幸せだったしとっても感謝している。他の人とそんなことができる気がしない。彼だけが私にくれることができる特別なものだったのに、失ってしまった。まぁ、でも、もう、それは仕方ない。
もう一度、彼とふたりで持っていたようなものを一緒に持てる人を探す気にもなれない。私はこれからも搾取されながら生きていくんだろう、いつか誰にも性欲を向けられないババアになって、搾取されなくてよかったって思うのか、後悔するのかわからないけど。今は搾取に苦しんでいる。